後悔を防ぐ注文住宅の間取りの決め方|ゾーニングのコツや打ち合わせ回数の目安も
このコラムでは、注文住宅を建てる際の間取りの決め方について解説します。
敷地の特徴を活かしたゾーニング(エリア分け)を考える手順や打ち合わせ期間の目安、失敗や後悔を防いで暮らしやすい間取りを実現する方法も紹介。
理想のマイホームづくりの参考にしてくださいね。
コラムのポイント
- 注文住宅の間取りは、家族の生活スタイルや暮らし方の要望を元に、敷地の条件や特徴、駐車場や庭との関係も踏まえて検討していくことがポイントです。
- 注文住宅の間取りや仕様を決めるための打ち合わせ回数は平均5~15回前後で、最終的なプランが決定するまでの期間は3~10か月程度が目安になります。
- 理想のマイホームを実現するには、住まいや暮らし方の希望を間取りに反映する設計力はもちろん、土地や周辺環境に合ったプランを提案できる住宅会社を選ぶのがおすすめです。
Contents
【間取りを決める前に】マイホームや暮らし方の要望を出そう
注文住宅の間取りは漠然と考えるのではなく、初めにマイホームに対する要望や考え方をリストアップして、理想の住まいの具体的なイメージを膨らませることが重要です。
家族で話し合ったり、住宅会社の設計担当者に相談したりしながら、以下のような順番で要望をまとめてみましょう。
今の暮らしを具体的に書き出す
まずは、現在の家族のライフスタイルをできるだけ具体的に書き出してみましょう。
- 家族の活動サイクルやルーティンは?
- 家族の団らんはどこでどう過ごす?
- 食事は家族一緒?
- 調理と後片付けは誰が行う?
- 洗濯や掃除の分担は?
- 来客は多い?
- 収納や整理整頓のスタイルは?
- 物は取っておくorミニマムスタイル?
- 車・自転車は何台所有している?
家族一人ひとりのライフスタイルや生活パターンを書き出すと、それぞれが家にいる時間帯や、食事、就寝時間の違いなどが明確になります。
また、現在の暮らしを客観的に見つめることで、新居にはどんな住まいが向いているかを改めて考える機会になります。
新しいマイホームでの暮らし方の要望を書き出す
次に、新しいマイホームではどんな暮らしをしたいのか、希望をまとめてみましょう。
ライフスタイルに合わせて「こんな間取りや設備だったらいいな」と思うことをどんどん書き出していきます。
〈例〉
- 家族にすぐに目が届く距離感で過ごしたい。
- できるだけ家族のプライバシーを尊重したい。
- 友人を招いてホームパーティを開きたい。
- 家事や掃除がしやすい間取りが良い。
- ペットが快適に過ごせるスペースを作りたい。
- アウトドア用品をたっぷり収納できるスペースが欲しい。
- 防音室やシアタールームが欲しい。
- 庭でバーベキューを楽しみたい。
- 将来2人暮らしになっても対応できる間取りにしたい。
「リビング」「ダイニング」「キッチン」「寝室」など、部屋ごとに要望をまとめておくと、住宅会社の設計担当者にも伝えやすく、効率的に家づくりが進められます。
現在の家への不満を書き出す
最後に、生活動線や家事のしやすさなど、現在の家の間取りで改善したい部分を書き出します。
不満に感じている部分を意識することで、新しい家ではより暮らしやすい間取りにアップデートできます。
〈例〉
- 収納スペースが足りない
- リビングが狭い
- トイレが脱衣所を経由するので不便
- 家事動線が悪い(洗濯物干しなど)
注文住宅の間取りの決め方・正しい順番は?
家の要素は主に「駐車スペース・庭・建物」の3つで成り立っています。
プランニングの際は、①駐車場→②庭→③建物と、外から内への順番で配置を決めるのが基本です。
土地に対する道路の位置、周辺の環境、太陽光の入り方や風の流れなどを参考に、適切な位置・サイズで駐車スペースと庭を確保し、最後に建物を配置するというイメージです。
それぞれをゾーニングするコツを簡単にまとめます。
①駐車場
駐車スペースは、道路と接する場所に配置するのが原則です。車のサイズや台数、直角/縦列駐車の違いによって、最低限必要なスペースは変わってきます。
また、前面道路の幅を踏まえて、駐車時に電柱や塀など周囲の障害物にぶつからないかもチェックしましょう。
②庭
庭は建物に光や風を呼び込むための重要なスペースになります。
庭は建物周囲のオープンスペース(道路、河川、公園、隣家の庭など)とつながるように配置すると、より多くの光や風を家に取り込めます。
ただし、北道路のケースでは庭を道路側に寄せると建物の影で暗くなり、光を取り込む役割が果たせなくなってしまいます。北道路の場合は駐車場と建物をなるべく北側に寄せ、庭は敷地の南側に配置するのがおすすめです。
③建物
駐車スペースと庭をゾーニングすると、建物全体の輪郭が見えてきます。
車や道路との位置関係から玄関の大まかな場所を決め、要望を元に玄関からつながる客間やリビング・ダイニングなどの家族が集まる空間を中心にゾーニングしていきます。
建物の配置では隣の家との距離にも注意しましょう。民法で定められている隣家との最小距離は50cmですが、エアコンの室外機や給湯器などを設置するには75cm~1m程の距離が必要です。
また、採光の確保や火災時の安全面なども考慮する必要があるため、設計担当者と相談しながら、周囲と適切な距離を設けた上で建物の規模を決めましょう。
次章では、LDKや各居室の間取りを決めるポイントを解説します。
各スペースの間取りのポイント
玄関やLDK、居室、水回りなど、家の各スペースの間取りを検討する際のポイントをまとめます。
玄関・階段
玄関や階段は、各部屋へのアクセスが良くなる建物の中央付近に配置するのが基本です。廊下のスペースも少なく済むため、各部屋に割り振られる面積を増やせます。
ただし、玄関を建物の隅に配置する間取りが悪いわけではありません。玄関からの動線が建物の真ん中を貫通しないので、部屋や庭を広くとれるなどのメリットもあります。
駐車スペースを設ける場合は、玄関から車までの距離が遠くなりすぎないように考慮しましょう。
LDK
家族の団らんの中心となるリビングは、南向きや庭に面する場所など、敷地の中でも日当たりや風通しが良い快適な場所に配置するのが基本です。
リビングの西側に窓を配置する場合、掃き出し窓ではなく腰高窓にする、軒やひさしを長めに出すなど西日対策を検討しましょう。
周りを建物に取り囲まれた都市部の狭い敷地では1階リビングが暗くなりがちなため、「2階リビング」を検討するのもおすすめです。
〈2階リビングのメリット・デメリット〉
メリット | デメリット |
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〈関連コラム〉
リビングのおしゃれな間取りアイデア!注文住宅実例でチェックしよう
水回り
LDKは日当たりを重視して建物の南側に来ることが多いため、水回りは建物の北側が基本の配置になります。
キッチン、洗面脱衣所、浴室など水回りの配置は、LDKや玄関、各居室への移動しやすさと、家事がスムーズになる動線をイメージすると暮らしやすくなります。
水回りは、以下のような暮らしのシーンを具体的に想像しながら決めることで、家事効率の良い間取りになりますので参考にしてください。
〈水回りの間取りでチェックしたい動線〉
①家事動線 |
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②外出・帰宅動線 | 着替え(クローゼット)⇒手洗い、洗顔、歯磨き、メイク(洗面所)⇒玄関の動線 |
③来客動線 | 玄関⇒手洗い場⇒トイレ⇒客間(和室やリビング) (来客時に他の家族が客間を通らず居室に行ける動線がある配慮があると良い。) |
すべての動線を最短にすることはできないため、ライフスタイルや毎日のルーティンに合わせて必要な動線に優先順位を付けた上で検討するのがポイントです。
各居室
寝室や子ども部屋は、朝日を取り込める東側に窓を付けられるように配置するのが基本です。
また、寝室は落ち着ける空間づくりが重要なため、トイレ・浴室などからなるべく離して配置するのがおすすめ。
家族の生活リズムが異なる場合は特に、音の伝わりへの配慮が必要です。個室同士の間にクローゼットを挟んだり、壁や床の防音性を高めたりして対策しましょう。
収納
使い勝手が良く、適切な量の収納を実現するためには、「現在の整理整頓で困っている状況」を確認することが重要です。
現状の住まいにどれくらい収納があり、どのようなものが外に散らかってしまいがちなのか、まずはその状況を書き出してみましょう。ありのままを写真に撮るのもおすすめです。
どんな収納が必要か、足りていないかを明確にすることで、設計者からアドバイスをもらうこともできます。
家づくりをきっかけに家族で収納のルールを作るのもおすすめ。家族全員がどこに何をしまうか分かっていれば、みんなで片づけられて整理整頓の習慣も付けやすくなります。
注文住宅で暮らしやすい間取りを実現するコツ
敷地に合わせた設計の工夫で満足度の高い間取りに
良い間取り作りは、第一に敷地条件を把握することからスタートします。
希望の間取り図を土地に当てはめて調整していくのではなく、土地の形状や面積、周辺環境を活かすように間取りを作っていくことで、快適性や満足度の高い家になります。
〈敷地に合わせた設計のアイデア例〉
- 敷地が広い⇒平屋にする
- 周辺の自然環境が良い⇒縁側やデッキテラスで自然を家の中まで取り込む
- 敷地が狭い⇒間仕切りや通路を減らして省スペースを意識する
- 高低差がある⇒深基礎やスキップフロアを検討する
- 狭い+日当たりが悪い⇒2階リビングを検討する
廊下を省略する場合の注意点
最近は省スペースのために廊下や玄関ホールを省略する間取りも一般的になってきています。
玄関からリビングへ直接アクセスする間取りにする場合は、ドアを開けた時にくつろぎスペースやトイレ、水回りが丸見えにならないように注意しましょう。
家具・家電の配置はできるだけ正確にシミュレーションする
例えば、間取り図上でダイニングに配置しているテーブルセットが4人用か6人用かの違いで、ダイニングからキッチン、リビングへの動線や通路幅は大きく変わってきます。
プランニングを検討する際は、実際に使う家具・家電を正確なサイズで間取り図や3Dパース上で再現した上で、動線や通路幅を確認しましょう。
コンセントやスイッチ類の使い勝手を確認する
コンセントや照明・空調スイッチ、洗面所のタオルリングなどの設備は、細かい部分ですが使い勝手が悪いと日々の大きなストレスになりかねません。
壁や天井に固定される設備は、実際に使うシーンをイメージして位置や数を調整しましょう。
間取りを決める期間や打ち合わせ回数の目安
注文住宅で間取りや仕様を決めるのにかかる期間は3~10か月程度、土地探しから引き渡しまでは9か月~2年程度が目安になります。
〈注文住宅での家づくりの流れ〉
- ①土地の購入、施工会社の選定:3~6か月程度
- ②間取り・設備仕様の決定:3~10か月程度
- ③着工~完成:3~6か月程度
- ④完成後の確認、引き渡し・登記手続き:1か月程度
注文住宅では間取りやデザイン、設備仕様などさまざまな項目を検討する必要があるため、最終的なプラン決定まで工務店やハウスメーカーと打ち合わせを重ねます。
〈打ち合わせで決める項目の例〉
- 建物配置
- 鋼製建具(種別、形状、位置、寸法)
- 構造体
- 間取り
- 外装材仕様
- 内装材(床・建具・階段)
- 外装(外壁・屋根・タイル)
- スイッチ・コンセント配置・電気配線
- 照明器具
- 造作詳細(仕上げ仕様)
- クロス
- 住宅設備(キッチン・トイレ・洗面・浴室・その他)
木ここち家ラボの注文住宅では、最終的に間取り・仕様が決定するまでの打ち合わせ回数は10~15回前後を目安としています。
打ち合わせの頻度やプラン内容によってかかる期間は変わってきますので、入居希望時期に合わせて逆算してスケジュールを決めましょう。
〈関連コラム〉
注文住宅を土地探しから始める流れ|後悔を防ぐポイントやハウスメーカーと土地を探すポイントも解説
間取りで悩んだら規格住宅やセミオーダー住宅も参考にしよう
ライフスタイルに合った暮らしやすい間取りにしたいけれど、なかなかプランがまとまらないという場合は、規格住宅やセミオーダー住宅を参考にするのも1つの方法です。
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〈関連コラム〉
注文住宅の後悔例と対策|キッチン・玄関・リビングなど間取り別に解説
まとめ
注文住宅の間取りは、家族の生活スタイルや暮らし方の要望を元に、敷地の条件や特徴、駐車場や庭との関係も踏まえて検討していくことがポイントです。
注文住宅の間取りや仕様を決めるための打ち合わせ回数は平均10~15回前後で、最終的なプランが決定するまでの期間は3~10か月程度が目安になります。
理想のマイホームを実現するには、住まいや暮らし方の希望を間取りに反映する設計力はもちろん、土地や周辺環境に合ったプランを提案できる住宅会社を選ぶのがおすすめです。
オカムラホームの新築住宅ブランド「木ここち家ラボ」では、オーダーメイドの注文住宅はもちろん、コストや手間を省きながらも高品質な住宅が手に入る規格住宅・セミオーダー住宅など、ニーズに合わせた幅広い家づくりをご提案します。
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