アパート経営の年収はいくら?平均所得や月の手取り収入のシミュレーション方法を紹介
このコラムでは、アパート経営で得られる平均的な年収の目安や、支出も考慮した月の手取り収入をシミュレーションする方法について解説します。
アパート経営で高利回りを維持して手取り収入を増やすためのポイントについても紹介します。
これから不動産投資を考えている方や、税金対策としてアパート建築を検討中の方は参考にしてください。
コラムのポイント
- アパートなどの不動産経営者の平均収入(所得)は、令和4年で年間約540万円となっています。
- アパートで高い収益性や安定経営を維持するには、事前に地域需要を綿密にリサーチし、実質利回りを元にシミュレーションした上で建築・経営プランを立てることが重要です。
- 初めての不動産投資や相続した土地でのアパート経営は、地域の賃貸需要に詳しく、収益物件の運用ノウハウがある不動産会社のサポートを受けるのがおすすめです。
Contents
アパート経営で得られる平均年収はいくら?
国税庁の所得税に関する調査によると、令和4年のアパート経営を含む不動産所得をメインに収入を得ている人の平均所得は約542万円でした。
※統計は国内不動産所得の平均額のため、アパート以外の土地、マンション、戸建て、ビルなどの貸し付けによる所得も含まれています。
年間所得を階級別に分けると、最も多いのは300~400万円の層(13.6%)で、次に400~500万円(10.4%)、150~200万円(9.7%)と続きます。
また、平均所得に近い500万円以上の所得を得ている人の割合は、全体の34.8%程度となっています。
アパート経営の収入
アパート経営における収入や支出はいくつかの種類があり、それぞれ発生するタイミングが異なります。
①家賃収入
家賃
家賃収入はアパート経営でメインとなる収入です。
〈参考〉千葉市の木造アパート家賃相場
- 1K…4.5~6万円前後
- 2LDK…6~10万円前後
アパート経営を検討する際は、周辺の家賃相場も参考にしながら、収益性を踏まえたエリアや物件選定が重要になります。地域情報に精通した不動産会社・施工会社と相談しながら設定しましょう。
共益費・管理費
共益費・管理費とは、アパートの共用部の維持管理のために入居者から支払われる費用です。共益費と管理費はそれぞれ分けて収入を得るほかに、「管理共益費」としてまとめたり、家賃に組み込んだりするケースもあります。
共益費・管理費は家賃の5~10%程度が相場です。共用部の維持管理に必要な金額を居室数で等分して算出しましょう。
駐車場の賃料
アパートに駐車場を付ける場合の賃料です。月額5,000〜30,000円程度が相場になります。
②礼金
礼金は入居者が契約時にオーナーに、お礼として支払うお金です。金額は家賃の1~2か月分程度が目安で、そのままオーナーの収入となります。
一方、敷金は入居中に家賃滞納があった場合や、部屋を損傷させた場合の修理費の担保として、オーナーに預けておくお金です。金額は家賃の1~2か月分程度が目安です。
また、敷金は原則として、滞納や損傷の修理費(賃貸借期間に生じた借主の金銭債務の額)を差し引いた残額を退去時に入居者へ返還する必要があります。
③更新料
東日本の賃貸物件は2年に1度、更新料を徴収するケースが多くなっています。金額は家賃の1~2か月分が目安です。ただし、更新料は法律上定められているものではなく、徴収するかどうかは地域によっても異なります。
アパート経営の支出
アパート経営の支出は、ローン返済費や保険料のように定期的にかかるものと、建物の修繕費など必要に応じて支払うものがあります。また、所得税や固定資産税などの税金も支出にあたります。
定期的な支出
ローン返済費 | 借入金額や返済期間に応じて変動(毎月) |
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アパート管理費 | ・管理委託料(目安:家賃収入の5%程度) ・管理人の人件費 など |
保険料 | 災害時の修繕や建て替え費用発生に備えるための火災保険・地震保険料(目安:年間数万~十数万円) ※構造や規模によって異なります。 |
税金 | 収益不動産による所得に応じた所得税・住民税や、固定資産税などの税金
|
必要に応じてかかる主な支出
建物の修繕費 | 入居者退去時の原状回復リフォーム費用(目安:年間家賃収入の5~10%程度) ※およそ10~15年ごとに屋根・外壁などの大規模修繕費用も別途かかります。 |
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不動産仲介手数料 | 入居者募集の仲介を依頼し、入居が決まった場合に不動産会社に支払う手数料(目安:家賃0.5~1か月分) |
広告費・宣伝費 | インターネットや情報誌等への広告宣伝費(目安:家賃の1~2か月分程度) |
アパート経営の手取り収入の計算方法
アパート経営の手取り収入のシミュレーションを紹介します。
アパート経営の手取り収入は、家賃収入からローン返済額や修繕費、税金などの経費を差し引いて計算します。
〈シミュレーション条件〉
- 1K×8戸の新築木造2階建てアパート:家賃7万円/月(共益管理費含む)
- 物件価格:5,000万円
- アパートローン借入額:3,000万円
【年間収入の計算方法(満室時)】
家賃 × 戸数 × 12か月 = 1年間の家賃収入【年間経費の計算方法】
ローン返済費:返済期間20年・金利3%・元利均等法式
諸経費:年間家賃収入 × 15%【年間手取り収入の計算方法】
年間家賃収入 - 年間経費 = 年間手取り収入
上記の条件で計算すると、満室時の年間の手取り収入は以下のようにシミュレーションできます。
【年間収入】
7万円 × 8戸 × 12か月 = 672万円
【年間経費】
・ローン返済費
月額16万6,379円 × 12か月 = 199万6,548円
・諸経費
672万円 × 15% = 101万円
・年間経費合計 約301万円
【年間手取り収入】
672万円 - 301万円 = 371万円
上記のように、手取り収入は371万円、月額にすると約30.9万円とシミュレーションできました。
実際の手取り収入はローンの条件や空室率、突発的な支出などによっても変わってきますので、あくまで目安として参考にしてください。
アパート経営で収入を増やすコツ
アパート経営で収入や手取り額を増やすためのポイントについてまとめます。
高利回りを意識した経営プランを立てる
アパートなどの不動産経営では、実質利回りが高いほど手取り収入を増やせます。
アパート経営の実質利回りを高くするためには「収入を増やす(賃料/戸数を増やす)」「経費を減らす」ことが基本になります。
プランニングの時点で、収入だけでなく支出(経費)もできるだけ正確にシミュレーションを実施し、高い利回りで無理なく経営できるプランを立てることが重要です。
〈関連コラム〉
不動産投資の利回りを分かりやすく解説|種類・計算方法・相場など
エリアの需要に合わせたアパートを建てる
アパートは学生、単身社会人、ファミリー層など、ターゲットによって求められる間取りや設備が変わってきます。
エリア周辺の賃貸需要を事前に調査し、どのような顧客層が狙えるのか把握した上でアパートの建築プランを立てましょう。
キャッシュフローが悪化するパターンと対策を想定しておく
事前にアパート経営におけるリスクについて知っておき、キャッシュフローが悪化した際にすぐに対応できるようにしておくことも重要です。
〈アパート経営のキャッシュフロー悪化リスク例〉
- 空室の増加による収入減
- 減価償却期間終了による税負担増加
- アパートローンの金利上昇
- 大規模な修繕費用の発生
アパート経営におけるリスクの種類と対策は、以下のコラムで詳しく解説していますので合わせて参考にしてください。
〈関連コラム〉
アパート経営の初期費用相場|土地ありで新築と中古アパート購入の自己資金目安をシミュレーション
まとめ
アパートなどの不動産経営者の平均収入(所得)は、令和4年で年間約540万円となっています。
アパートで高い収益性や安定経営を維持するには、事前に地域需要を綿密にリサーチし、実質利回りを元にシミュレーションした上で建築・経営プランを立てることが重要です。
初めての不動産投資や相続した土地でのアパート経営は、地域の賃貸需要に詳しく、収益物件の運用ノウハウがある不動産会社のサポートを受けるのがおすすめです。
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