実家の建て替えでよくある後悔例と対策|リフォーム・住み替えとどちらが良い?
このコラムでは、親が住んでいる実家の建て替えを検討中の方へ、建て替えで後悔しやすいポイントを対策とともに解説します。
また、リフォームや住み替え(今の家を売却)など、建て替え以外の選択肢についても紹介。
これから二世帯同居を検討中の方や、老朽化した実家を建て替えたいとお考えの方は参考にしてください。
コラムのポイント
- 実家の建て替えは、同居する家族に合った規模や間取りはもちろん、相続後どのように住み継いでいくのかまで考えたプランニングが重要です。
- また、建て替え以外にリフォーム・リノベーションや住み替えなども含めて総合的に検討していくことで後悔を防げます。
実家の建て替えでよくある後悔例と対策
実家を建て替える際に後悔しやすいポイントを対策とともに紹介します。
後悔例①予算オーバーしてしまった
実家の建て替えは、建築費用の他に解体費用、外構工事、諸費用、仮住まい費用などさまざまなコストがかかるため、想定していた予算をオーバーしてしまったという後悔例です。
【対策】予算上限を決め補助金も活用する
木造で延べ床面積30坪前後の実家を建て替える場合の費用は、3,500~4,500万円前後が相場です。
実家を建て替える場合は、建物自体の建築費用以外にかかる費用も見積もった上で予算を設定しましょう。
〈建て替え費用の内訳と目安〉
- 解体費用:120万円~
- 建築費用:3,000~3,500万円
- 外構費用:300~350万円
- 諸費用:200~300万円
実家の建て替え費用については、以下のコラムで詳しく解説していますので、合わせてお読みください。
〈おすすめコラム〉
また、建て替えにあたって国や自治体の補助金や減税制度を活用することで費用負担の軽減に役立ちます。
〈2024年時点で建て替えに利用できる補助金・減税制度の一例〉
補助金・減税制度 | 概要 |
---|---|
長期優良住宅やZEHの新築を新築する子育て世帯、若者夫婦世帯に最大100万円の助成 | |
エコキュートなどの高効率給湯器を導入する場合の助成金 | |
要件を満たすZEHの新築で最大100万円+α | |
住宅ローンを借り入れて住宅の新築・取得または増改築等をした場合、年末のローン残高の0.7%を所得税(一部翌年の住民税)から最大13年間控除 |
後悔例②間取りの失敗
親と同居する場合や、現在住んでいない家を建て替える場合は、家族構成の変化や住む人に合った具体的なプランがイメージしにくく、建ててから暮らしにくさを感じて後悔してしまう可能性があります。
また、単に古くなったからという理由だけで建て替えると、「せっかく新しくなった家を引き継ぐ人がいない」という後悔につながる場合も。
【対策】将来計画を踏まえたプランニング
建て替えた家に「いつまで誰が住むのか」を踏まえた間取りや規模で計画することが大切です。
- 自分の家族だけでなく子世代との同居する予定なら二世帯住宅仕様に
- 終の棲家として建て替えるならバリアフリーを重視する
- 将来手放す(賃貸運用・売却)ならエリア需要を踏まえたベーシックな間取りにする
建て替えを依頼する施工会社に相談しながら、将来のライフプランも踏まえたプランニングを検討しましょう。
後悔例③固定資産税の負担が増えた
家が建っている土地は「住宅用地」として、固定資産税や都市計画税の減税対象となる特例があります。
〈小規模住宅用地の固定資産税・都市計画税の特例〉
土地の種類 | 固定資産税の課税評価額 | 都市計画税の課税評価額 |
---|---|---|
小規模住宅用地 (住宅1戸あたり200㎡までの部分) |
価格 × 1/6 | 価格 × 1/3 |
小規模住宅用地以外の住宅用地(一般住宅用地) (住宅用地で住宅1戸につき200㎡を超える部分) |
価格 × 1/3 | 価格 × 2/3 |
(参考)
千葉市ホームページ|固定資産税の税額計算
千葉市ホームページ|都市計画税
建て替えによって1月1日の時点で住宅が存在しない土地は特例の対象外となり固定資産税の負担が増えてしまう可能性があります。
【対策】特例の対象外となる条件を確認する
ただし、建て替えのために更地にした場合でも、以下のような条件を満たせば特例が適用される場合があります。
- 前年の1月1日(固定資産税の賦課期日)において住宅用地であった
- その年の1月1日時点で建て替え工事に着手しており、翌年1月1日までに家が完成している
- 建て替えが建て替え前の敷地と同一の敷地で行われている
- 建て替え前と建て替え後で土地・家屋の所有者が原則として同じである
逆に、以下のようなケースでは住宅用地の認定を受けられない場合があります。
- その年の1月1日前に住宅を取り壊したが、1月1日までに建築確認申請がされていないケース
- 前年の1月1日における住宅の所有者とその年の1月1日における住宅の所有者が別であるケース(建て替え前の住宅の所有者の親族が建て替えを行っている場合は特例の対象となる場合も)
特例に関する要件は各自治体によって異なる場合があります。詳細は各自治体や建て替えを依頼する建築会社に確認してください。
後悔例④兄弟・親族間で所有権をめぐってトラブルになった
相続人が複数いて、そのうちの1人が被相続人(親)と同居するなどの理由で実家を建て替えた場合、相続発生時に所有権をめぐってトラブルになるケースがあります。
例えば、相続人が2人兄弟で、長男が親と同居するために建て替えた実家を共有名義で所有しているケースを考えてみましょう。
このケースで親が亡くなった場合、相続時に次男は親の所有分である1/2を長男と二等分した1/4しか相続できないため、トラブルに発展するケースがあるのです。
さらに代替わりが進むと所有権が細分化され、所有者全員の同意が得られずになかなか売却できなくなってしまうかもしれません。
【対策】事前に兄弟・親族と所有権について話し合っておく
実家を建て替える際には、親が亡くなった後のことも想定した上で、所有権について兄弟・親族など相続人全員でしっかりと話し合っておきましょう。
不動産を兄弟など複数の相続人で分割する際は複数あり、実家の評価額が法定相続分よりも多い場合は「代償分割」で他の相続人に代償金を支払う方法もあります。
後悔例⑤今の家とのダブルローンで返済負担が重くなった
実家や今住んでいる家のローンが残っている状態で建て替える場合、新たに建築費用を別契約で借り入れると「ダブルローン」状態となり、毎月の返済負担が増えます。
収入や返済額次第では家計を圧迫することになり後悔してしまうというパターンです。
【対策】住み替えローンに借り換えやリレーローンを検討する
住宅ローンが残っている実家を建て替える場合は、建て替え費用と残債を1本化して借り入れできる「住み替えローン」に借り換えるのがおすすめです。
また、親世代に安定した収入がある場合には、親世代から子世代へ住宅ローンを引き継ぐ「リレーローン」を利用するのも1つの方法です。
金融機関を検討する際は、それぞれの住宅ローン商品の取り扱いがあるか、またそれぞれの借入金利・条件などを確認した上で選びましょう。
実家を建て替える以外の選択肢とメリット
実家を建て替える以外の選択肢は以下のようなものがあります。
- リフォームやリノベーションをする
- 売却して住み替える
1つずつメリットを解説しますので、最適な方法を検討する際の参考にしてください。
リフォーム・リノベーション
リフォームは、家を解体せず部分的に改装する方法です。建て替えよりもコストや工期を抑えやすい点がメリットです。
骨組みだけを残して全体を作り直すスケルトンリフォーム・リノベーションなら、新築同様のきれいな住まいに生まれ変わらせられます。
ただし、リフォームやリノベーションの費用は、実家の建物や設備状態によって大きく変動します。場合によっては建て替えより費用が高くなるケースもありますので、事前に施工会社に見積もりをとって確認した上で検討しましょう。
売却して住み替え
建て替えやリフォームではなく、実家を売却して別の家に住み替えるという選択肢もあります。
利便性の高い立地や、状態の良い一戸建てなら、売却代金を住み替え先の購入資金に充てることもできます。
住み替えも視野に入れるなら、信頼できる不動産会社などに一度実家の売却査定を依頼してみましょう。想定される売却額やエリアの需要などを確認した上で、建て替えor住み替えのどちらが最適かを選択できます。
実家の売却方法のコツについては、以下のコラムで詳しく解説していますので、合わせてチェックしてみてください。
〈おすすめコラム〉
まとめ
実家の建て替えは、同居する家族に合った規模や間取りはもちろん、相続後どのように住み継いでいくのかまで考えたプランニングが重要です。
また、建て替え以外にリフォーム・リノベーションや住み替えなども含めて総合的に検討していくことで後悔を防げます。
オカムラホームは、不動産・新築・リフォーム部門それぞれが連携し、実家の建て替えはもちろん、リフォームや古い住宅のリノベーション、住み替えまで、あらゆる選択肢に対するご相談を受け付けています。
実家を建て替えるかリフォームするかで迷っている方や、売却・賃貸運用して住み替えを検討している方はお気軽にお問い合わせください。
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