中庭のある家の間取り|30坪前後の二階建て注文住宅実例やデメリット対策を紹介
このコラムでは、延べ床面積30~40坪で、中庭のある二階建ての注文住宅間取り事例を紹介します。
一戸建てで中庭を作るメリットや必要な敷地面積の目安、プランニング時に知っておきたい注意点もまとめています。
おしゃれで快適な中庭付きの家を新築したいとお考えの方は参考にしてください。
コラムのポイント
- 一戸建てに中庭を作ると、光や風をより多く室内に取り込むことができ、快適性がアップするとともに、自然を近くに感じる開放的な家になります。
- ウッドデッキや屋外用家具、照明などの設備を整えることで、アウトドアリビングとして多目的に活用できる、便利なスペースになります。
- 中庭のある家は、住宅密集地や採光が得にくい敷地条件でも、プライバシーを守りながら過ごせる屋外空間が欲しいという方におすすめです。
Contents
中庭のある家のメリット
光を室内に多く取り込める
中庭は建物外周以外の場所に屋外に向けた窓を設置できるため、プライバシーに配慮しながら、室内に光を取り込めるという大きなメリットがあります。
住宅密集地に建つ家や、床面積が広く中心部に光が入りづらいなど、採光が不足しがちなケースでも、中庭によって室内に自然光を取り込めます。
窓による換気がしやすくなる
中庭を利用して室内の複数方向に開口部を作ることで、換気効率がアップします。
大手窓メーカーの検証では、1つの空間に2方向の窓を開けると、1方向の時と比べて換気効果は10倍にもなるという結果も出ています。
最近の住宅には24時間換気システムが備わっていますが、好きなタイミングで窓を使って素早く空気を入れ替えられることで、さらに快適に暮らしやすい家になります。
屋外との一体感を演出できる
リビングに中庭を隣接させ、大きな窓を設置すると、屋外との一体感を演出できます。
中庭と室内側の床面の段差を少なくすることで、屋外もリビングの一部となり、自然を近くに感じながらくつろげるおしゃれな空間を作れます。
中庭のある家を建てるのに必要な敷地面積の目安
中庭に必要な面積は使用する用途によって変わってきます。
中庭にテーブルや椅子などを置いてくつろぐスペースとして使う場合、広さは4~6畳(約2.2~3.3坪)以上が目安です。
例えば、建ぺい率60%・容積率200%の地域で、延べ床面積30坪で3~4LDK、4坪程度の中庭のある二階建ての家を建てる場合、敷地面積は最低でも約32坪は必要です。
また、同じ条件で平屋を建てる場合は敷地面積約57坪以上が目安となり、二階建てよりも広い土地が必要です。
ただし、家づくりでは建物と庭だけでなく、駐車スペースなどの外構要素や、隣家との距離なども考慮する必要があるため、この面積はあくまで最低限必要な数値として参考にしてください。
中庭のある二階建ての家の間取り事例
二階建ての間取り事例を紹介します。中庭によって室内の快適性を高める実例や、窓使いなどによるおしゃれな空間演出に注目してみてくださいね。
【34坪】光と風を楽しめるプライベート感のある中庭のある家
延べ床面積34.31坪で中庭のあるコの字型の二階建て実例を紹介します。
道路から見て正面に中庭を設け、囲むように玄関、リビング、和室を配置しています。
道路からの視線を遮りながらも光と風を通す、機能的な縦格子のフェンスを採用。
フェンスの木目調デザインも外観のおしゃれなアクセントになっています。
中庭を内側から見た様子です。フェンスのおかげで直射日光が和らぎ、眩しくないちょうど良い明るさになります。
中庭の中心に植栽を配置し、周囲の床はウッドデッキで仕上げました。
室内にいても植栽の緑で癒しを感じられる中庭空間は、都市型住宅にこそおすすめする間取りです。
リビングからは中庭と、その先の外の風景が望めます。
吹き抜けによって2階ともつながっているため、とても明るく開放感を感じられるリビングとなっています。
吹き抜けの上部窓の側に廊下を設けたことで、2階からも中庭の様子を見られます。
家中が中庭でつながる明るく開放的な家を実現するとともに、家族の存在を近くに感じる安心感も得られます。
施工事例:光と風を楽しむプライベート空間【sky vate】
【33坪】LDKと一体感のある「中庭+縁側」のある家
手前の平屋と奥の二階建てを中庭でつないだような間取りが特徴的な、延べ床面積33.06坪二階建ての実例を紹介します。
中庭と室内の間にはウッドデッキを設置。軒を出して適度に日差しを遮ってくれます。日本家屋の「縁側」のような、趣を感じる空間に仕上がっています。
LDKから中庭を見た様子です。植栽や天然芝が目に癒しを与えてくれます。
周囲を囲まれているので、窓にカーテンを付けなくても、道路や隣家などからの視線を気にせず明るいリビングで過ごせるのも魅力ですね。
LDKとウッドデッキは段差がなくスムーズに行き来できます。ウッドデッキをLDK側の一部のように見せることで、リビングが広く見える効果もあります。
和室から中庭を見た様子です。窓を開けた際に見える風景を自分好みにデザインできるのも、中庭のある家の醍醐味です。
夜はライトアップで昼間とは違う落ち着いた雰囲気に。季節や時間帯を問わず活用できる屋外スペースです。
施工事例:平屋という日本の思想を継ぎ進化させる邸【J-ROOTS】
【38坪】半屋外空間を楽しむ中庭+土間リビングのある家
延べ床面積38.64坪で、中庭のあるコの字型の二階建ての施工事例を紹介します。
外観は白い壁に中庭を囲む木の格子をアクセントにしたシンプルなデザインに仕上げました。
建物をコの字型にしてできた、アプローチから玄関ドアまでの空間に、ウッドフェンスで囲まれた中庭を設けました。
外の視線を気にすることなく、家族との時間を楽しめます。お子さまやペットの遊び場としても大活躍します。
中庭と吹き抜けの窓から光が降り注ぐ明るいリビング。リビングの床は土間仕上げにしているので、ウッドデッキと連続した半屋外空間のように使うことができます。
施工事例:【ウツロフ家】ウツロイゆく時を感じ、生活に価値をもたらす家
中庭のある家を建てる際の注意点・デメリット対策
中庭のある家を建てる場合に知っておきたい、設計やメンテナンス時のポイントについてまとめます。
快適に長く使い続けられる中庭を実現するための参考にしてください。
敷地に合わせた配置に注意
中庭と窓の方向によって、どの時間帯に家の中のどこにどれくらい光が入るか、そしてどのように風が入ってくるかも変わってきます。
また、敷地内のどこに中庭を作るかも、周囲の建物や道路からの見え方に影響します。
プランニングの際は、中庭を作ることで、求める採光や効率的な通風が実現できるか、プライバシーにも配慮できているかをチェックしましょう。
室内の動線を確認する
建物をコの字型やL字型にする場合、建物の両端の部屋が遠くなるため、動線効率が悪くなりやすいというデメリットがあります。
中庭を通り抜けられる動線を確保して、別の部屋へ移動しやすくすると動線効率が良くなります。
中庭は適切なメンテナンスが必要
中庭の美観を維持し、使いたい時に快適に使えるようにしておくためには、定期的な清掃や日々の点検が欠かせません。
汚れや補修すべき部分が見つかったら、都度適切にメンテナンスを実施しましょう。
植栽やウッドデッキ、アウトドア家具、屋外用水道、排水機構など、設置する設備のお手入れ方法や点検時のチェックポイントなどは、事前に施工会社に確認しておくと安心です。
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まとめ
一戸建てに中庭を作ると、光や風をより多く室内に取り込むことができ、快適性がアップするとともに、自然を近くに感じる開放的な家になります。
さらに、ウッドデッキや屋外用家具、照明などの設備を整えることで、アウトドアリビングとして多目的に活用できる、便利なスペースになります。
中庭のある家は、住宅密集地や採光が得にくい敷地条件でも、プライバシーを守りながら過ごせる屋外空間が欲しいという方に最適なプランと言えるでしょう。
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今回ご紹介しきれなかった施工事例がたくさんありますので、ぜひチェックしてみてください。