賃貸リフォ-ムはどこに頼む?原状回復&空室対策&DIYも解説
アパートやマンションを賃貸経営する大家さんにとって、原状回復や維持管理のためのリフォームは避けて通れないものです。
さらに近年はテレワークなどライフスタイルが大きく変化しているため、空室対策のためのリフォームが必要になるケースも。
しかし賃貸物件のリフォームは価格とクオリティのバランスが難しく、どこに頼んだら良いのか迷う方も少なくありません。
今回は賃貸オーナーさんが知っておくべき、リフォームに関する情報をまとめてお伝えします。
コラムのポイント
- 賃貸リフォームの目的や効果、具体的な依頼先などを把握しておきましょう。
- 補助金やDIYなど、賃貸リフォームの費用をおさえるコツも解説します。
賃貸リフォ-ムの目的
賃貸リフォームの目的は大きく分けると3種類です。リフォームをどこに相談すべきかは予算によって変わるので、まずは目的をしっかり把握しましょう。
目的① 退去後の原状回復
入居者が退去した後の内装張り替えやハウスクリーニングといった原状回復は、頻度と重要度が高い賃貸リフォームです。
賃貸物件の価値を入居前の状態に戻すのが目的なので、なるべく費用は安く抑えたいところです。ただし安すぎる業者を選ぶと後で壁紙のはがれや水漏れなどのリスクが高くなり、入居者に迷惑をかけてしまう可能性も。リフォーム価格と仕上がりのバランスが重要になります。
目的② 建物の維持管理
外壁屋根塗装、水回り設備の交換など、賃貸物件の劣化を防いで寿命を延ばすこともリフォームの大切な目的の一つです。
維持管理リフォームを怠ると雨漏りや漏水で入居者に迷惑をかけてしまうだけでなく、建物の寿命が縮んでしまいます。建物の劣化が進んだ後でリフォームすると、かえって費用がかかってしまうケースが多いです。適切なメンテナンスタイミングを把握することが大切になります。
目的③ 物件の魅力アップで空室対策
築年数が経ち入居者が見つかりにくくなった賃貸物件は、リフォームで設備や間取りをアップデートすることも必要です。水回り設備や建具などが古くなると、内見時にマイナスイメージを与えてしまうため空室率が高くなる可能性があります。
新築時とくらべて次の入居者が見つかりにくくなってきたら、空室対策のリフォームを検討してみる時期かもしれません。
賃貸リフォームはどこに頼む?
具体的に賃貸物件のリフォームを依頼できる選択肢と、それぞれのメリット・デメリットを把握しておきましょう。
工務店/リフォーム専門店
一般住宅をメインとしている工務店やリフォーム専門店も、賃貸物件の原状回復や設備交換に対応している可能性は高いです。
ただし大手ハウスメーカー系のリフォーム店は単価が高い傾向にあるため、賃貸物件だと採算が合わないかもしれません。地元工務店やリフォーム店も、一般住宅向けの単価だと原状回復は少し厳しいケースも。
一方、デザインや間取りの変更で賃貸物件の魅力を高める目的なら、的確なアドバイスが期待できそうです。
原状回復専門のリフォーム会社
賃貸住宅の需要が多い地域なら、原状回復のみを専門とするリフォーム会社も依頼先の選択肢の一つです。壁紙張り替えやハウスクリーニングなどの原状回復に特化しているため、比較的リーズナブルな価格が期待できます。
一方原状回復に必要な作業を一人でこなせる「多能工」と呼ばれる職人でコストダウンしていることが多く、高度な作業や要望には応えられないかもしれません。また単価が安い分、作業のクオリティにも注意が必要です。
一人親方の職人
壁紙やクッションフロアの張り替えなどの内装リフォームだけ頼むなら、一人親方の職人も選択肢に入ります。会社を通さず直接依頼することで、リーズナブルにリフォームできるのが大きなメリット。
ただし一人で仕事をこなしている職人さんの場合、繁忙期は依頼してもすぐに工事してもらえない可能性があります。工期がかかると次の入居までの期間が伸び、機会損失で利益が減ってしまいます。また後継者不足による廃業などの可能性も。
管理会社
賃貸管理を委託している会社には、退去後の原状回復やリフォームもまとめて相談できます。管理業務の一環としてリフォームまで任せれば、大家様ご自身で手配する手間が省けるのは大きなメリット。また扱う物件数が多いため、価格とクオリティのバランスが取れた職人や業者を手配してもらえる可能性も高いです。入居者と直接やり取りすることも多いため、人気の高い壁紙やフローリングの色なども教えてもらえるでしょう。
ただしリフォーム工事の手配力は管理会社によって異なるため、そもそも信頼できる会社と付き合っていることが前提になります。
賃貸リフォームの費用を抑える方法
実際に賃貸物件をリフォームする際は、次のような方法で費用を抑えられないか検討してみましょう。
補助金を活用
国や自治体のリフォーム系補助金を活用すれば、費用を抑えて賃貸物件の性能や魅力をアップすることができます。
例えば2023年のこどもエコすまい支援事業では、窓をペアガラス化する断熱リフォームが補助金の対象になります。ペアガラス完備の賃貸物件は快適性が高く、光熱費も抑えられるので選んでもらえる可能性が高くなるでしょう。節水トイレなどほかのリフォ-ム工事も対象になるので、築年数の経ったアパートやマンションを一新したい方におすすめです。
〈関連コラム〉
こどもエコすまい支援事業の対象リフォ-ムと補助金額をわかりやすく解説
大家自身がDIYする
大家様ご自身が、壁紙やハウスクリーニングをDIYしてリフォ-ム費用を抑える方法もあります。大工・設備・電気などは難しいですが、壁紙やクッションフロアなどの張り替えは一般の方でも挑戦しやすいです。
ただし道具をそろえる費用や作業を覚える時間がかかるため、部屋数が少ないとあまりコストメリットがないかもしれません。複数の賃貸物件をお持ちで、ある程度時間に余裕がある方におすすめの方法です。
リフォーム可物件として貸し出す
入居者の方ご自身がDIYできる、リフォ-ム可物件として貸し出すのも、維持管理費用を抑える方法の一つ。
最近は賃貸物件を入居者の方ご自身がリフォ-ムしたいという需要が増えているため、国も「DIY型賃貸借」の普及を推進しています。
参照元:国土交通省 DIY型賃貸借に関する契約書式例とガイドブックについて
自由に壁紙やフローリングを変えられる物件なら、原状回復のリフォ-ム費用はかかりません。競合物件と差別化になることもあるので、一つのアイデアとして検討してみましょう。
賃貸リフォームの空室対策アイデア
築年数が古くなり入居率が下がってきたら、次のようなリフォームで魅力をアップして空室対策をしてみましょう。
和室を洋室にリフォーム
畳の和室がある賃貸物件は、フローリングの洋室にリフォームすることで空室対策になるケースが多いです。
最近はほとんどの世代の方がフローリングの洋室で育ってきたため、和室のある物件は選ばれにくい傾向があります。また「畳=古いアパート」という印象も強く、物件探しの初期段階で
候補から漏れてしまう可能性も。
特にワンルームなど若い方向けの賃貸物件は、和室を洋室化するメリットが大きいでしょう。
古いお風呂をユニットバスにリフォーム
タイルの在来浴室やバランス釜の賃貸も、検討候補から外されてしまうことが多いのでリフォームで空室対策しましょう。
水回り設備の中でもお風呂は特に清潔感が重視されるポイントで、古いと入居者が見つかりにくく、家賃も安く設定せざるを得なくなります。
バランス釜やユニットバスも賃貸物件向けのリーズナブルな価格帯の製品があるので、原状回復と一緒に検討してみてください。
台所をシステムキッチンにリフォーム
2~3LDKなどファミリー向けの賃貸物件なら、ブロックキッチンを新しいシステムキッチンにリフォームするのもおすすめです。
お子様が居らっしゃるご家庭にとって、台所の清潔感や使い勝手は賃貸物件選びの重要ポイント。天板が一体型のシステムキッチンは清掃しやすく、使い勝手も良いためお料理をする方に人気です。
洗面所に防水パネル
ちょっとした工夫ですが、洗面所の水がかかりやすい場所に防水パネルを貼るのも賃貸物件の魅力を高めるアイデア。
洗面台の横に一枚防水パネルを貼るだけで、清潔感がアップし壁紙より寿命が延びるので将来のリフォ-ム費用も抑えられます。
室内ドアをシートで一新
築年数が経った賃貸物件は、室内ドアにシートを貼ってリフレッシュするのもおすすめです。
壁紙やフローリングを新しくしても、ドアが古いと内見時にネガティブな印象を与えることが多いです。塗装でもドアが古く見える場合は、表面にリフォ-ム用のシートを貼ると新築のようにリフレッシュできます。
アクセントクロス
原状回復時に壁紙の張り替えをする場合、部屋の一部だけカラーを切り替えるアクセントクロスにするのも人気のアイデア。
色の組み合わせでお部屋のイメージを変えられるので、需要の多い年齢・性別に合わせてコーディネートするのがおすすめです。
まとめ
賃貸物件のリフォ-ムは、建物の寿命を延ばす・入居率を高めるなどさまざまな役割を持っています。築年数やご予算に合わせて適切なリフォ-ムを実施して、安定した賃貸経営を目指しましょう。
千葉県八千代市周辺の賃貸物件リフォ-ムは、リフォ-ム・賃貸管理両方を得意とするオカムラホームにご相談ください。賃貸管理のプロフェッショナルとして、お客様の物件に適したリフォ-ム内容をアドバイスさせていただきます。リフォ-ム内容・ご予算・工期など、どんなこともお気軽にご相談ください。