不動産投資の種類|土地・賃貸・ファンドなど、違いをチェック
不動産投資と言えばアパート・マンション・駐車場経営などが定番ですが、ほかにもさまざまな種類があります。
初期費用がいくら必要になるのか、どれくらいの収益性が期待できるのかは、不動産投資の手法によって大きく異なります。リスクを抑えて堅実に経営するのか、レバレッジを効かせてどんどん事業を拡大していくのか、資金や経営方針に合わせて適切な手段を選ぶことが重要です。
今回は不動産投資を土地・賃貸・ファンドの3つのジャンルに分け、それぞれ代表的な種類や特徴を解説します。不動産投資を始める際の基礎知識として、ぜひ覚えておいてください。
コラムのポイント
- 同じジャンルの不動産投資でも、種類によって初期費用や収益性は異なります。
- 市街地なら駐車場やトランクルーム、郊外なら太陽光発電など、地域性も踏まえて投資物件を選びましょう。
Contents
どの不動産投資がいいかは人それぞれ
日本では、賃貸アパートや投資用マンションなど不動産投資を資産運用の手段として選択する方が多いですよね。しかし「不動産投資はやめとけ」と言われることも少なくありません。不動産投資は初期費用が多めにかかるため、失敗したときのリスクが大きいためです。
土地・建物・新築・中古などさまざまな種類があり、それぞれ初期費用や収益性が異なります。どの不動産投資が向いているかは、資金計画や経営方針によって変わります。
例えば初期費用やリスクを抑えて堅実に収益を上げたいなら、駐車場やトランクルーム経営などが向いているでしょう。しかしもっと大きな収益や将来性を求めるなら、アパート・マンションの一棟経営などの選択肢が向いています。
大切なことは、不動産投資の種類ごとのメリット・デメリットを把握し、ご自身の状況に合う選択をすることです。まずはフラットな目線で基礎知識をしっかり覚えて、適切な選択ができるように準備しましょう。
土地だけ不動産投資の種類
土地だけ購入・運用する不動産投資は、比較的初期費用を抑えやすく建物の維持管理費用がかからないのが大きなメリット。代表的な土地投資は次のような種類があります。
※土地だけ不動産投資の種類
- 駐車場経営
- トランクルーム経営
- 太陽光発電
- 土地だけ賃貸
それぞれ向いている土地やメリット・デメリットがありますので、一つずつチェックしていきましょう。
駐車場経営
駅前や住宅街など利便性の高いエリアでは、駐車場経営がスタンダードな選択肢ですよね。時間貸しのコインパーキング・月極めなど複数の方法がありますが、舗装や機械の設置などコストを抑えて投資を始められるのが駐車場経営のメリット。少ない面積でも経営が成り立ち、撤退や転用が容易なのも魅力的なポイントです。
ただし安定した需要を得られる土地は地価が高いため、購入費用はある程度必要になります。資産価値は下がりにくいので大きな損をするリスクは少ないですが、資金計画が重要になるでしょう。
トランクルーム経営
手軽に始められる土地投資の選択肢として、トランクルーム経営を選ぶ方も増えてきました。トランクルームは賃貸業ではなく倉庫業に該当するため開業ハードルが低く、コンテナボックスなどを設置するだけで始められるのが大きなメリット。うまく集客できれば、少ない初期費用で安定した収入が期待できます。
アパートやマンションなどの賃貸経営と違い、日当たりや騒音など土地の環境が問題にならないのも特徴です。近くに住宅が多いことが基本的な条件になりますが、土地の選択肢は比較的広いと言えるでしょう。
一方トランクルームは建物ではないため、固定資産税の優遇制度など節税効果が期待できないのがデメリット。また参入障壁が低いため、競合が多く市場調査をきちんと行う必要もあります。
太陽光発電
地球環境保護の観点から推進されている太陽光発電パネルの設置も、近年注目度が高まっている土地投資の一つです。
太陽光発電パネルの設置費用がある程度かかりますが、一定期間の売電価格が保証されるため、安定した収入を得られるのが魅力。駐車場・トランクルームなどの土地投資と比べると、空室リスクが無いのは大きなメリットと言えるでしょう。
また太陽光発電は土地の価格が影響しないため、郊外の安価な物件で始められるのも特徴です。日当たりの面で考えても、価格が安く土地が広い郊外エリアが向いているでしょう。
ただし売電価格は年々低下しているため、最新の情報を確認して確実に利益が出る計画を立てる必要があります。また地価が低い分用途が限られるため、太陽光パネルの耐用年数経過後の出口戦略まで見据えることも大切です。
土地だけ賃貸
更地の状態で土地を購入して、そのまま賃貸に出して地代収入を得る方法もあります。賃借人が建物を建てるため、土地取得費用と固定資産税など最小限のコストに抑えられるのが大きなメリット。その分地代家賃は少ないですが、定期借地権契約なら長期間安定した収入を得られ空室リスクもありません。
定期借地権には事業用・住宅用などさまざまな選択肢があり、一定期間が満了すれば確実に土地を返還してもらえるのも特徴です。確実に需要がある土地を選ぶ必要はありますが、安定性を求めるなら検討したい選択肢ですね。
〈関連コラム〉
定期借地権のメリット・デメリットとは?種類別にわかりやすく解説
賃貸系不動産投資の種類
マンション・アパート・ビルなどを取得・建築して賃貸し家賃収入を得る方法は、不動産投資のスタンダードな選択肢です。
※賃貸系不動産投資の主な種類
- 区分マンション投資
- 一棟投資
- 戸建て投資
- ビル・テナント投資
区分マンション投資
分譲マンションなどの一区画を購入して賃貸する方法は、これから不動産投資を始める方に人気の高い選択肢。
専有部分のみの購入なので比較的初期費用のハードルが低く、建物の維持管理も管理組合に任せられるので手間がかかりません。一区画なら売却しやすいため、出口戦略も含めた経営計画を立てやすいのも魅力です。
一方利回りは低い傾向があり、一部屋しかないため空室時は家賃収入がゼロになってしまうのがデメリット。
一棟投資
アパートやマンションを一棟丸ごと取得する一棟投資は、部屋数の分だけ大きな収入が期待できるのがメリットです。新築・中古どちらもある程度の初期費用は掛かりますが、経営が軌道に乗れば、収益で事業を拡大していけるのが魅力。
ただし建物の維持管理、空室リスクなどデメリットもあるため、より精度の高い経営計画が求められます。投資金額が大きくなるため、融資のハードルも高くなります。
戸建て投資
戸建て賃貸は比較的競合が少ないため、エリアや状況によっては有力な選択肢になります。ファミリーなら長期入居が期待できますし、シェアハウスや民泊などで高利回りを狙えるケースも。
ただし木造戸建て物件はメンテナンスコストが高い傾向があるため、修繕費用をしっかり積み立てておく必要があります。
ビル・テナント投資
ある程度の資金力がある方は、オフィス・店舗などが入居するビルに投資する方法もあります。テナントは一般住宅より賃料相場が高く、大きな収益が期待できます。入居期間が長い傾向があるのも、ビル投資のメリット。
ただし初期費用が多くかかり、景気の影響を受けやすい点には注意が必要です。失敗したときのリスクは大きいため、綿密な経営計画を立てましょう。
不動産投資ファンドの種類
複数の出資者から資金を集めて運用し、利益を分配する不動産投資ファンドも一つの選択肢です。
不動産投資ファンドは主に不動産投資信託・不動産小口化商品の二種類があります。
不動産投資信託(REIT)
不動産投資信託は「REIT」とも呼ばれており、次のように規定されています。
J-REITは、多くの投資家から集めた資金で、オフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産などを購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品です。不動産に投資を行いますが、法律上、投資信託の仲間です。
引用元:一般社団法人投資信託協会 そもそもJ-REITとは?
1つの不動産を購入するのではなく、証券会社を通して複数の不動産に分散投資をするのがREITの特徴です。小口から投資でき売却も容易なため、株式投資のような性質を持っています。
不動産小口化商品
不動産小口化商品とは、特定の不動産を小口販売し、複数の購入者で投資する方法のことです。正式には「不動産特定共同事業法に基づく小口化商品」という呼び方になります。
REITと違うのは、分散投資ではなく一つの不動産に投資する点と、出資した分の所有権を得られるケースもあるということです。
不動産投資と株式投資はどっちがいい?
ここまでは不動産投資の種類を解説してきましたが、さらに手軽に始めることができる株式投資とどちらが良いか迷う方もいるのではないでしょうか。
※株式投資のメリット
- 小口から始められる
- 流動性が高く現金化しやすい
- 短期間で大きな利益を得られることもある
- ランニングコストが発生しない
- 株主優待や配当を得られることもある
株式投資は売買価格の差による「キャピタルゲイン」で収益を上げるのが基本となります。口座を解説すれば少ない初期投資で始められ、売却に時間がかからずすぐ現金化できるのがメリット。
不動産投資のように維持管理の手間とコストがかからず、短期間で大きな利益を得ることも可能です。
※株式投資のデメリット
- 価値が下落するリスクが高い
- 元本がゼロになる可能性がある
- 不動産よりレバレッジ効果は少ない
株式は流動性と資産価値の変動が高い分、資産価値が急落するリスクも大きいです。万が一投資先が倒産した場合、元本はゼロになり手元には何も残りません。不動産投資と比較すると、株式投資はハイリスク・ハイリターンであり、確実に利益を上げるためにはかなりの専門知識が求められます。
結論としては、家賃収入による安定した経営を求めるなら不動産投資、売却益による大きな利益を求めるなら、株式投資が向いていると言えるでしょう。
まとめ
今回ご紹介した基本的な不動産投資だけでもたくさんの種類があり、それぞれ向いている地域やメリット・デメリットが異なります。投資を成功させるためには、地域性・ご予算・経営方針などを踏まえ、適切な選択をすることが大切です。投資予定の地域に精通している不動産会社に相談して、適切なサポート・アドバイスを受けましょう。
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