空き家を売却する5つの方法|流れや売るためのポイント・注意点を解説
遠方の実家を相続して空き家状態になり、売却したいけど売れずに困っている方が増えています。
空き家は時間が経つほど劣化が進んで売却難易度が高くなりますので、なるべく迅速に適切な対応をすることが大切です。
今回は空き家を売却する基本的な5つの方法、確実に売るためのポイントなどを詳しく解説します。
これから空き家を相続する可能性がある方、すでに空き家で困っている方どちらも参考にしてください。
コラムのポイント
- 空き家売却は築年数や建物の状態に合わせて、適切な方法を選びましょう。
- 仲介・買取の違い、空き家売却の流れなど基礎知識も解説します。
- 購入検討者の印象を良くする、税金や諸費用を用意するなど、注意点やコツも押さえておきましょう。
Contents
空き家を売却する5つの方法
まずは空き家を売却する基本的な5つの方法を解説します。それぞれメリット・デメリットがありますので、空き家の状況に合わせて選びましょう。
①中古住宅として売却
築年数が浅く、空き家期間も短い状態なら、中古住宅としてそのまま売却するのが一般的です。最近は中古住宅をリフォーム・リノベーションして住む人が増えているため、買手が見つかる可能性が高いのがメリット。自宅として中古住宅を購入する方はリフォーム・リノベーション前提なので、内装や水回りはそのままでOKです。初期費用がかからずある程度の売却益が期待できるのもうれしいポイント。
ただし、ある程度築年数が経っている場合、中古住宅として売却するのは難しくなります。築20~30年以上経っていて状態が悪い空き家は、後述する古家付き土地として売却するのが良いかもしれません。
②古家付き土地として売却
木造戸建て住宅は築20年を目安に建物の価値がゼロになるため、古家付き土地として売却した方が良いケースも多いです。古家付き土地は割安に購入できるイメージが強く、中古住宅として競争力がない空き家も売却できる可能性があるのです。
築20年以上経過しており、建物のメンテナンスが行き届いていない空き家は、古家付き土地としての売却を検討してみましょう。
③空き家バンクに登録して個人売却
自治体が運営する空き家バンクも、空き家売却の有力な選択肢の一つ。
空き家バンクは非営利運営なので、仲介手数料がかからないのが大きなメリットです。また空き家前提で物件を探している人が閲覧するため、多少建物の状態や立地が悪くても売れる可能性があります。
一方、買主との交渉を自分自身で行わなければいけないため、手間がかかるのは空き家バンクのデメリット。また民間の売却活動よりスピード感は期待できないため、早く空き家を手放して現金化したい方には向いていません。
④空き家を解体して更地として売却
建物の劣化が進んでいる空き家は印象が悪くなり、古家付き土地としても売却が難しいケースも多いです。その場合は空き家を解体して更地にしてから売却する方法もあります。
更地は買主の負担が少なく、すぐ家を建てられるため、多くの人に検討してもらえてスピーディーに売却できる可能性が高くなります。
ただし数百万円の解体費用がかかるため、売却金額とのバランスを考えないと赤字になってしまう可能性も。また更地状態で1年以上売れないと、土地の固定資産税が3~6倍になるのもデメリット。
〈関連コラム〉
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⑤賃貸に出してオーナーチェンジ物件として売却
少し時間と初期費用がかかりますが、空き家を一時的に賃貸に出してから、オーナーチェンジ物件として売却するのも一つの考え方です。
オーナーチェンジ物件は個人の不動産投資家が対象になるため、そのままでは売れない空き家も売却できる可能性が高くなります。家賃収入が発生しているため、空き家や更地状態より売却益も期待できるでしょう。
確実に賃貸需要があるエリアの空き家なら、一つの選択肢として検討してみる価値は大きいです。
〈関連コラム〉
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空き家売却のポイント
時間の余裕を持つ
どのような方法で空き家を売却する場合でも、なるべく時間の余裕を持って取り組むことが大切です。
時間に余裕が無いと選択肢が狭まり、焦って適切な方法を選べなくなります。
この記事を読んでいる方は空き家売却について調べ始めた段階だと思いますので、なるべく早めに次の取り組みに移行して時間の余裕をつくりましょう。
空き家に強い不動産会社に相談
空き家売却は不動産会社への相談がスタートですが、実績とノウハウが豊富なところを選ぶのも大切なポイントです。
空き家の売却実績が少ない不動産会社だと、売却スピード・査定価格などさまざまな面で不利になります。逆に空き家売却の実績が多く得意とする不動産会社なら、多くの選択肢と適切なアドバイスが期待できます。
空き家の売却価格査定などを申し込む際は、実績や強みをチェックしてみてください。
仲介売却・買取を両方検討する
不動産会社に空き家売却を相談する際は、仲介売却・買取の両方を検討するのがおすすめです。
仲介売却は不動産会社に買主を探してもらう一般的な方法で、ポータルサイトや不動産流通機構(レインズ)などに物件情報を掲載します。一方買取は不動産会社が直接空き家を買い取る方法のことで、すぐに売却できるのが特徴です。その分買取価格は仲介より少し安くなりますが、早めに空き家を売却したい方にはおすすめ。
仲介・買取両方に対応している不動産会社に相談してみましょう。
内見時の印象を良くする
空き家を仲介売却する場合は、ちょっとした工夫で内見時の印象を良くすることで売れる可能性が高くなります。
例えば庭の雑草や屋内外のゴミを片付けるだけでも、購入希望者の印象はかなり変わるはずです。内見の日時が決まったら掃除をする、立ち会って質問に答えるなども効果的な工夫の1つ。
値下げ幅を設定する
空き家購入を検討している方はなるべく費用を抑えたいと考えているため、ある程度値下げ幅を設けておくのも大切です。
高すぎると候補から外れてしまいますが、値引き交渉されたときの対応で成約率も変わってくるでしょう。信頼できる不動産会社に相談しながら、販売価格を決定して下さい。
補助金を活用する
国や自治体の補助金を活用して、空き家を売却しやすい状態にするのも一つの手です。
例えば解体費用の補助金が使えれば、費用を抑えて更地として売却できます。また売却後の譲渡所得にかかる税金も、減税制度を活用すれば抑えられます。詳しくはこちらのコラムをご覧ください。
〈関連コラム〉
空き家に使える補助金と減税制度|活用・解体・売却などジャンル別に紹介
空き家売却にかかる費用と税金
空き家売却までには諸費用や税金がかかりますので、慌てないように事前に把握しておきましょう。
※空き家売却にかかる費用
- 仲介手数料
- 解体費用
不動産会社と媒介契約を結んで空き家を売却する場合、宅地建物取引業法で定められた仲介手数料がかかります。売却価格によって3~5%前後の上限が設けられていて、利益から差し引かれます。
また更地にしてから売却する場合は、解体費用が発生します。買主と相談の上で、契約後に解体する特約を結ぶことも可能です。
※空き家売却で発生する税金
- 登録免許税(抵当権抹消する場合)
- 印紙税
- 譲渡所得税
空き家の引き渡し前後で発生する税金は上記の種類があります。特に大きいのは譲渡所得税で、100万円単位の課税額になるケースも。空き家特例の3,000万円控除を活用すると税負担を抑えられるので、こちらのコラムでチェックしてください。
〈関連コラム〉
空き家特例で上手に節税!3,000万円控除の要件をわかりやすく解説
空き家売却の流れ
実際に空き家を売却するまでの流れは次のようになります。
※空き家売却の流れ
- 査定・価格設定
- 媒介契約
- 買主を探す
- 売買契約~引き渡し
- 確定申告~納税
特に重要になるのは、媒介契約を結ぶ不動産会社を選ぶまでの段階です。複数の会社に査定を申し込む際は、金額だけでなく実績や強みについてもしっかりチェックしてください。
空き家売却の注意点
空き家売却活動をする際は、次のポイントに注意してください。
※空き家売却の注意点
- 売れるまでの間の税金とメンテナンス費用
- 特定空家に指定されないように管理する
- 相続登記を怠らない
前述したように空き家が売れるまでは時間がかかることも多いため、その間の税金やメンテナンス費用も把握しておきましょう。放置したままではどんどん売れにくくなり、特定空家に指定されると税金が高くなったり解体命令を受けたりする恐れがあります。
また相続登記をせず前の持ち主のままだと、スムーズに売却できないことがあるので要注意。必ず相続した人が登記をして、買主が見つかったらすぐ手続きできるようにしておきましょう。
まとめ
空き家売却には複数の方法があり、建物の立地や状態によって適切な選択をすることが大切です。まずは信頼できる不動産会社を見つけて、なるべく早めに動くことで余裕のある売却活動を行いましょう。
オカムラホームは、千葉県・東京都の空き家売却をお手伝いする不動産会社です。媒介契約・買取など、お客様のご要望に合わせたご提案をいたしますので、何でもお気軽にご相談ください。