母の味、私の味

高校生の息子と夫にお弁当を作っている。

少し早起きして、朝の短い時間にバタバタと作っている。

前日に煮物でも作れば、それが一品になる。

なるべく、6品目くらいは入れようと頑張っている。

レギュラーは卵焼き。

少し甘めのだし巻き卵。

たまに塩味のニラ入り卵焼きやエビ入り卵焼き。

サラダは別容器にドレッシング付きで入れる。

その日の冷蔵庫の中身で、彩り鮮やかに豪華だったり、茶色が多いと貧相に見えたり。

「おいしかった!」の一言が励みになる。

 

思えば、中学、高校と母にお弁当を作ってもらっていた。

バスケットの朝練があれば、その時間に間に合うように持たせてくれた。

とんかつや串揚げなど、母はその日の朝に揚げ物をしてくれていた。

私の弁当のおかずは、友人たちにも好評だった。

一番人気は、前日から煮込んだ手作りの肉団子!

これだけは、別の容器にたくさん入れて持って行って、友人たちとつまんだ。

ケチャップ味のしみ込んだ肉団子。

鶏肉を甘辛く煮てくれたおかずも好評だった。

 

私の舌には、母の懐かしい味が記憶されている。

今、作っているお弁当の味は、母の味。

母の味は祖母の味でもある。

それと嫁いだ先のお姑さんの味もプラスされている。

舌に記憶された味は、心を豊かにして次へと受け継がれる。

 

色々な味を覚える事は大切な事だと思う。

そういう意味では、母や祖母、お姑さんに感謝している。

素材を上手に料理して、おいしいものを食べさせてくれた。

私がくいしん坊なのは、この「食育」の賜物!

 

人は、おなか一杯食べられれば、何とか生きて行くことが出来ると思う。

明日へ希望をつなげられる。

私はそれを、母や祖母やお姑さんから舌を通して教わったと思う。

 

今度は私が子どもたちに伝えていく番だ。

よし、私もがんばって「おいしい!」と思われる味を伝えていこう。

心を満たせるように、生きることに希望が見いだせるように。

食育

広報担当 山本純子でした!