買ってはいけない中古住宅を回避!内覧や契約の注意点を解説
この記事ではこれから中古住宅を購入する方に向けて、買ってはいけない物件の特徴を4つのジャンルに分けて解説します。
内見時に注意すべき建物や土地の特徴、契約内容など、回避すべきトラブルの原因を一つずつ掘り下げます。
コラムのポイント
- 中古住宅購入のトラブル原因を事前に把握すると回避しやすくなります。
- リフォーム・リノベーション前提で中古住宅を購入する場合は、特に注意が必要です。
【建物】買ってはいけない中古住宅の特徴
リフォーム・リノベーションでは解決できないトラブルを抱える中古住宅を買うのはおすすめできません。次のような特徴を内見時にチェックしましょう。
大きく傾いている
建物全体が大きく傾いている中古住宅は、構造や地盤など重大な欠陥を抱えている可能性があるため買わない方が良いかもしれません。
沼や川などを埋め立てた土地や軟弱地盤の上に建つ中古住宅は、地盤沈下で家全体が大きく傾くことがあります。傾きを改善するためには大規模な工事と多額の費用がかかるため、買わない方が良いでしょう。
また建物の基礎や土台の劣化により傾きが発生するケースもあります。こちらも耐震性不足などのリスクがあるため、基本的には買わない方が良い中古住宅と言えます。
窓やドアがスムーズに開閉しない
玄関ドアや窓などの開口部、室内のドアや収納扉がスムーズに開閉しないのも、注意すべき中古住宅の特徴です。
木造住宅は築年数が経つと多少の歪みが発生しますが、家全体のドアが閉まらないレベルだと重大な欠陥が隠れている可能性があります。
前述した地盤沈下や基礎の劣化が建物全体の歪みに発展し、開口部が変形しているケースもあるのです。中古住宅全体の建付けが悪いときは、慎重にチェックするように心がけましょう。
建築基準法違反がある
建物が建築基準法に違反している中古住宅も、そのまま買ってはいけないケースの代表例です。
※建築基準法違反の例
- 建ぺい率・容積率オーバー
- ロフトや小屋裏の違法改造
- 申請のない小屋建築や増築
例えば建築確認申請が必要ない小屋や10㎡以下の増築により、建ぺい率や容積率をオーバーすると違法建築となります。またロフトや小屋裏の天井高・階段の構造などを変更してしまい、建築基準法違反になるケースも。
建築後に法律が変わり、「既存不適格」となる場合もあります。このような中古住宅はローン審査が通りにくかったり、改善を求められたりするリスクが考えられます。
雨漏りしている
天井や壁に雨漏りの形跡がある中古住宅も、基本的には買ってはいけない物件になります。
雨漏りは梁・柱・土台といった建物の構造部を腐らせてしまい、耐震性が低下する原因となります。また腐食した木部は後述するシロアリ被害の原因になることも。
また雨漏りは原因解明と修理が非常に難しく、直ったように見えても大雨などで再発するケースも少なくありません。よほどお買い得などの理由がないかぎり、雨漏りしている中古住宅は買わない方が良いでしょう。
シロアリ被害の形跡がある
木造住宅の大敵であるシロアリ被害も、買ってはいけない中古住宅の特徴です。シロアリ被害は時間とともに進行するため、大規模な修繕費用がかかるケースがあるためです。
室内にアリの死骸や木部の食べかすがある家は、床下の土台などがシロアリ被害に遭っている可能性があります。また縁側やウッドデッキなど、外部の木部がシロアリに食べられている物件も要注意。
【土地】買ってはいけない中古住宅の特徴
中古住宅が建つ土地も、注意・確認すべき特徴が複数あります。
水害や土砂崩れなど災害リスクが高い
洪水や津波、土砂崩れといった災害リスクのある土地の中古住宅は、特に警戒すべきポイントです。災害リスクは自治体のハザードマップで確認できます。
災害リスクは建物の工夫ではどうにもならないので、中古住宅検討の初期段階で確認してみてください。
再建築不可
接道義務を満たしていない再建築不可物件は、リーズナブルな価格が魅力ですが、なるべく買わない方が良いでしょう。再建築不可でもリフォーム・リノベーションはできますが、将来建て替えできないのは大きなリスクです。また売却も難しく、資産価値が低いとみなされ住宅ローンの審査が通りにくいケースも。デメリットに対策できる場合もありますが、一般の方は気軽に手を出さない方が無難です。また「市街化調整区域」に建つ中古住宅も、再建築不可の場合が多いので注意しましょう。
強い傾斜や古い擁壁がある
土地全体の傾斜や高い擁壁も、買ってはいけない中古住宅の特徴です。
傾斜地は大地震時のリスク、老後の移動負担などのデメリットがあります。将来建て替えをする際の建築費用も高額になるかもしれません。
擁壁は劣化したときに補修費用が必要となり、万が一崩れて周囲に被害が及ぶと賠償責任を求められます。高低差のある土地は眺望が魅力ですが、将来のことも踏まえて検討しましょう。
隣地との境界が不明瞭
古い中古住宅に多い、隣地との境界があいまいな土地も、かなり危険度の高い特徴です。
境界がはっきりしていないと、ブロック塀やフェンスを立てるときに隣の方とトラブルになることが多いです。内見時に土地の境界石や杭をチェックし、見当たらない場合は不動産会社に確認を取りましょう。
私道や通行権トラブルを抱えている
中古住宅が私道に面していたり袋地だったりする場合、権利関係や通行権について確認をしましょう。複数の家が私道に面している場合、共有名義で所有権を分割していることが多いです。補修費用の分担などでトラブルになることがあるため注意が必要です。また他人の土地を通らないと公道に出られない場合の「囲繞地通行権」の物件も、トラブルを抱えている可能性があります。
【住環境】買ってはいけない中古住宅の特徴
図面や物件情報からは分からない住環境でも、注意すべき特徴があります。
幹線道路や工場の音がうるさい
周囲の環境音はリフォーム・リノベーションでもある程度対応できますが、あまりにうるさい場所の物件は買わない方が良いでしょう。
ペアガラスなどで防音リフォームしても、天気の良い日に窓を開ければ音は聞こえてしまいます。平日・土日で音の出方が変わる場所も多いので、何度か現地を見てみるのがおすすめです。
昔からの住宅が多い
古くから続く家が多い地域の中古住宅も、近所づきあいで苦労することが多いので注意が必要です。昔からの関係性ができあがっていると、後から輪に入りづらく後悔するケースも多いです。自治会の集まりや係の持ち回りなどの負担も少なくありません。
空き家や撤退した商店が多い
周囲に誰も住んでいない空き家や、営業していない商店が多いエリアの物件を買うのもあまりおすすめできません。
管理されていない空き家が多いと、倒壊や火災に巻き込まれるリスクが高くなります。また今後もスーパーや公共交通機関が撤退する可能性があるため、さらに利便性が悪化するケースも。
幹線道路の抜け道になっている
静かな住宅街だと思ったら、時間帯によって幹線道路の抜け道になる場所の中古住宅も要注意です。車の量が多いと交通事故の危険性が増えますし、フェンスやブロック塀にぶつけられるケースもあります。土日に内見すると普段の交通量が分からないため、曜日や時間帯を変えてチェックしてみるのがおすすめです。
【契約】買ってはいけない中古住宅の特徴
ここまでご紹介した条件以外に、契約内容にも注意が必要です。次のような契約条件の中古住宅は慎重に検討しましょう。
手付金が高すぎる、または0円
一般的な相場より手付金の額が高すぎる、または0円の中古住宅も、よく確認せず買うのはおすすめできません。
中古住宅の契約時は物件価格の5~10%前後の「解約手付」を設定し、契約当日に支払うのが一般的です。契約を結んだ後にキャンセルしたい場合は、手付金を放棄することで解約することができる仕組みです。
手付金が高すぎると、何らかの理由でキャンセルせざるを得なくなった際のリスクが高くなってしまいます。また手付金は0円でも契約でき一見お得に見えますが、キャンセル時に「手付解除」ができず、さらに高額の違約金が発生する可能性があります。
仮登記
あまり見かけることはありませんが、仮登記の中古住宅も慎重にチェックすべき契約内容の一つです。
仮登記とは書類が足りないときや予約などのための制度で、所有権を移転してしまえば問題ありません。しかし仮登記は二重売買や詐欺などに使われるケースが多く、お金だけ払って所有権を取得できない可能性があるのです。仮登記の中古住宅に行き当たったら、信頼できる専門家に相談するのがおすすめです。
まとめ
中古住宅の購入にはリスクもありますが、事前に把握しておけば対策は難しくありません。今回ご紹介したポイントをチェックして、買ってはいけない中古住宅を回避しましょう。
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