買ってはいけない土地の特徴|擁壁・接道義務・抵当権などチェック!
ご自宅・アパート・店舗など、どのような建物を建てる場合でも、最初の土地選びは大変重要です。良い土地を上手に選べば、良好な住環境や集客力を得ることができる可能性が高いです。
しかし、「買ってはいけない」と言われる土地を選んでしまうと、余計な費用がかかったりトラブルに巻き込まれたりするリスクが高くなります。
今回は「買ってはいけない土地」「買う前に注意が必要土地」の二段階に分け、理想の土地選びに必要な知識をチェックしましょう。
コラムのポイント
- 近隣トラブルや災害など、建物側で回避できないリスクを抱えている土地は買わない方が良いでしょう。
- 防火地域やセットバックなどの土地は買う前に注意が必要ですが、状況によってはお買い得になるケースもあります。
買ってはいけない土地の特徴5つ
次のような特徴の土地は、リスクが高いため買うべきではありません。
①境界トラブルを抱えている
隣家との境界があいまいな土地は、長年のトラブルを抱えているケースが多いため買わない方が良いです。古い土地は、境界杭などの目印が欠損して確定できないケースがあります。そのような土地は、隣家からの木や荷物が越境してきたり、フェンスを建てる位置でもめたりする可能性が高いです。
境界トラブルは解決が難しいため、境界標のない土地は基本的に買わない、または測量などで確定させてから買うようにしましょう。
②接道義務を満たしていない
建築基準法で規定されている接道義務を満たしていない土地は、基本的に建築できないため買ってはいけません。
接道義務とは、一定の条件を満たす道路に2メートル以上接しなければならないという決まりのことです。セットバックなど接道義務違反の土地でも例外的に建築できるケースもありますが、手間と費用がかかるので基本的には買わない方が良いでしょう。
③災害リスクが高い
水害・土砂崩れ・地震など、大規模な災害リスクが高い土地も買ってはいけません。災害リスクは建物側の工夫で防ぐことができず、大切な財産や命を失ってしまう可能性もあります。
災害リスクは自治体のハザードマップで確認できます。ホームページで手軽に閲覧できることが多いので、土地を購入する前に必ず確認しましょう。
④抵当権が抹消されていない
前所有者が設定した抵当権が抹消されていないままの土地も、買ってはいけない条件の一つです。仮に前所有者のローン支払いが滞った場合、土地を差し押さえられてしまい失う可能性があるのです。抵当権が残っている土地を売買する際は、必ず契約時に抹消する契約内容を結びましょう。
⑤事故が多い
周辺道路で事故が多い土地も、建物側でリスク回避できないため買わない方が良いでしょう。例えば幹線道路の抜け道になっているような細い道路だと、フェンスやブロックに車を当て逃げされてしまうケースが多いです。事故が多い土地は自宅に向いていないのはもちろん、賃貸物件でも入居者に忌避されてしまう可能性が高いです。
時間を変えて交通量をチェックしたり、自治体に相談したり、事故が多い場所のデータを参考にしたりして回避しましょう。
参考:一般社団法人日本損害保険協会 全国交通事故多発交差点マップ
買う前に注意が必要な土地の特徴8つ
次のような土地は、状況によってはお得になるケースもありますが、購入前に注意が必要です。土地の形や環境などの条件面、法律や条例などの規制面について解説します。
①高低差が大きい
敷地内の高低差が大きい土地は、建築費用が高くなるケースが多いため購入前に注意が必要です。一軒家・アパートなどを建てる際、造成工事や土留めなどの費用が別途発生することが多いです。フェンスやブロックなどの外構費用も高額になる可能性があります。
ただし相場より安く買えるケースもあり、眺望が良い土地も多いため、建築費用を把握していれば選ぶのもありです。
②水はけが悪い
粘土質など水はけが悪い土地はさまざまなリスクがあるため、あまり買わない方が良いケースが多いです。水はけが悪い土地は水たまりやコケが発生しやすく、床下の湿気による土台腐食・シロアリ被害のリスクも高くなります。土の入れ替えや床下換気などで対策は可能ですが、余計なコストがかかるためできれば避けたい特徴の一つと言えるでしょう。
③形が悪い
いびつな形やバランスが悪い形の土地も、注意すべき条件の一つです。三角形や台形の土地は、デッドスペースができてしまうことが多いです。うなぎの寝床・旗竿地など間口が狭い土地も、建物の設計に制限が出る可能性があります。
希望する広さや形状の建物が建てられるならアリですが、買う前に慎重に検討した方が良いでしょう。
④古い擁壁がある
つくられてから時間が経ち劣化が進んでいる擁壁のある土地も、注意すべき条件の一つ。擁壁の耐用年数は工法によって20~50年が目安で、作り直すのに多額の費用がかかるケースがあります。また劣化した擁壁が崩壊して周囲に被害を与えると、所有者が賠償責任を求められます。
擁壁のある土地は必ず状態や工法、自治体などの検査済証があるか確認してください。
⑤地盤改良が必要
軟弱地盤の土地は、地盤改良が必要となり追加費用がかかるため注意が必要です。杭を打ったり土を入れ替えたり、余計な費用がかかってしまいます。前述したハザードマップで液状化しやすい土地をチェックしたり、沼地や埋め立て地を避けたりするのが効果的な対策です。
⑥防火地域・準防火地域
防火地域や準防火地域に指定されている土地は、耐火建築物・準耐火建築物を建てる必要があり建築費用が増加します。また使用できる建材や窓のサイズなどに制限が出るなど、思い通りの建物を建てられないケースも。
ただし駅前など利便性の高い地域が防火地域に指定されていることが多いため、アパートなどでは入居率や家賃設定などで有利になる可能性もあります。また建ぺい率の緩和を受けられるなどのメリットも。防火地域・準防火地域は、費用対効果をしっかり検証してみてください。
⑦開発が制限されている
法律や条例などで開発が制限されている土地は、自宅やアパートを思うように建てられないケースがあるので要注意。例えば市街化調整区域は基本的に建物を建築できず、自治体の開発許可を得る必要があります。また自治体が指定する風致地区も、建築が制限される可能性があります。良好な住環境などのメリットもありますが、購入前にしっかり確認する必要があるでしょう。
〈関連コラム〉
市街化調整区域のメリット・デメリット|買わないほうがいいケースとは?
⑧私道を共有している
分譲地などで接道義務を満たすために私道を設置し、隣接する土地の所有者で共有している土地も注意が必要です。共有私道は、メンテナンス費用の負担や運用でトラブルになるケースが多いためです。私道トラブルについては民事訴訟に発展するケースもあり、大きなリスクを負う可能性があります。
買ってはいけない土地を見分けるコツ
ここまでご紹介したように買ってはいけない土地の条件はたくさんあるため、しっかり見分ける基本的なコツも覚えておきましょう。
周辺を実際に歩いてみる
土地をチェックする際は、敷地内だけでなく周辺を少し歩いてみて、治安や街並みなどを確認するのがおすすめです。ごみ置き場や集会所の状態、近隣の家の様子など、境界トラブルを察知するのに役立つケースも多いです。
少し時間はかかりますが、危険な土地を回避するヒントになることが多いので必ず実践してみてください。
時間や天気を変えて再訪する
時間に余裕があれば、一度だけでなく時間帯や天候などの条件を変えて何度か土地を訪れてみるのも効果的な取り組み方です。晴れの日に日当たりを確認して、雨の日に水はけをチェックすれば、土地選びの失敗を回避できる可能性が高くなります。朝と夕方、平日と土日による交通量の変化なども、何度か訪れないとチェックできません。
最終候補の土地は、できれば何度か訪れてみてください。
売りに出された時期や履歴を確認
土地の登記簿謄本を確認して、売り出されている期間や過去の所有履歴を確認するのも買ってはいけない土地の見極めに役立ちます。
例えば長期間売りに出されている物件は、ほかの人が買わない理由があるのかもしれません。また短期間で所有者が何度も変わっている土地も、何らかのトラブルを抱えている可能性が考えられます。
土地の登記簿は法務局で閲覧するほか、インターネット経由で確認することも可能です。手数料はかかりますが、一つの判断材料としてチェックする価値はあるでしょう。
土地選びで良くある疑問
実際に土地を選ぶとき、疑問に感じる方が多いポイントをピックアップして解説します。
風水は気にするべき?
昔から土地選びや家づくりの指針とされてきた風水は、気にしすぎず適度に参考にするのが良いでしょう。風水は統計学なので、現代の土地選びでも参考になる部分はあります。例えば「T字路の土地」「カーブの外側の土地」などは、車による事故リスクが高いのは事実です。
ただし風水を気にしすぎると、ほとんどの土地は買えなくなってしまいます。一通り目を通してみて、程よく活用してみてください。
危険な地名はある?
昔から、水に関連するなど特定の漢字を含む地名は危険なため、買わない方が良いと言われてきました。
- 水害リスクのある地名⇒女・駒・滝・竜など
- 土砂崩れリスクのある地名⇒蛇・猿・桜など
- 液状化リスクのある地名⇒鮎・梅・田など
上記のような漢字を含む地名は、過去に大きな災害を受けているケースが多いです。ただしイメージが良くないとして、地名が変更されているケースもあるため、正確に把握するのは難しいかもしれません。地名は一つの判断材料として、自治体のハザードマップなどを確認するのがおすすめです。
まとめ
買ってはいけない土地の条件はいくつかありますので、さまざまな視点でチェックして回避しましょう。しかし一般の方が漏れなく確認するのは難しいため、最終的には地元に精通する不動産会社のサポートを受けるのが確実です。信頼できる不動産会社を見つけて、土地選びの失敗を回避しましょう。
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