実家の建て替え費用相場は?お金がないときの資金対策も解説
実家の築年数が古くなってきたけど、建て替えにいくらぐらいかかるのか心配・・・というケースは少なくありません。
そこで今回は、実家の建て替え費用の相場と、お金がないときの対策もセットで詳しく解説します。また、リフォーム・売却して住み替えなど、建て替え以外の手段も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
コラムのポイント
- 実家の建て替えにかかる、解体費用・建築費用・外構費用・諸費用の相場をそれぞれ詳しく解説します。
- 実家を建て替えるお金がないときに、費用を節約し資金をつくる方法はいくつか考えられます。
- リフォームやリノベーション・実家を売って住み替えなど、建て替え以外の方法もチェックしておきましょう。
実家の建て替え費用はどれくらいかかる?
実家の建て替えにかかる費用は次の項目があります。
- 解体費用
- 建築費用
- 外構費用
- 諸費用
それぞれの内容と相場について、1つずつ見ていきましょう。
解体費用 120万円~
建て替えの前に、まずは実家を解体する費用がかかります。一般的な木造戸建ての解体費用は1坪あたり4万円が相場です。30坪の実家を解体する場合、少なくとも120万円の費用がかかるということですね。
また道路や周辺の建物、庭木などの状態によっては、別途費用が発生するケースもあります。解体費用の詳細はこちらのコラムで解説しています。
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建築費用 3,000~3,500万円
建て替えで一番お金がかかるのは、注文住宅の建築費用です。
画像引用元:国土交通省 令和4年度住宅市場動向調査
国土交通省の調査によると、令和4年度の注文住宅建て替え費用の全国平均は4,487万円でした。自己資金率は46.7%、2,000万円強のお金を用意している方が多いようです。
新築注文住宅の平均費用は3,866万円なので、建て替えの方がかなり高くなっていますね。ただし、令和4年度は前年度より1,000万円以上平均価格が上がっており、過去の傾向を見ると3,000~3,500万円が現実的なラインと言えそうです。
外構費用 300~350万円
実家の建て替えを検討するタイミングでは、駐車場や門扉、庭木や花壇などの外構部分もリフォームが必要になる可能性が高いです。まだ使える状態だとしても、建物だけ新しくなって外構だけ古いと気になるため、費用を見積もっておく必要があるでしょう。
外構費用は敷地面積や仕様によって大きく変動しますが、一般的には建物価格の10%が相場と言われています。先ほどの建築費用3,000~3,500万円で仮定すると、300~350万円の外構費用がかかるということです。
諸費用 200~300万円
ここまで見てきた項目以外にも建て替えにはさまざまな費用が発生するため、諸費用として考えておきましょう。
※建て替え諸費用の例
- 引越し/仮住まい費用
- 家具家電の購入費用
- 登記や申請にかかる費用
現在住んでいる実家を建て替える場合、2回分の引っ越し費用と仮住まい中の家賃も発生します。仮に家賃8万円の仮住まいを半年借りるだけでも、48万円+敷金礼金+引っ越し代で100万円近い費用がかかるでしょう。
電気製品やエアコン、テーブルやカーテンなどの購入費用も積み重なると大きな金額になります。また解体・建築確認申請・登記など、家を建て替えるための各種申請で発生する費用も意外とたくさんあります。状況により変化しますが、200~300万円前後の費用が掛かる可能性があるでしょう。
実家の建て替え費用相場:3,620~4,270万円
ここまでの項目をまとめて、実家の建て替え費用相場をチェックしてみましょう。
解体費用 | 120万円~ |
建築費用 | 3,000~3,500万円 |
外構費用 | 300~350万円 |
諸費用 | 200~300万円 |
合計 | 3,620万円~4,270万円 |
あくまで一般的な相場ですが、木造・30坪前後の実家を建て替えると3,620~4,270万円かかる可能性が高いです。土地購入費用がいらないとはいえ、なかなかのお金がかかりますよね。
実家を建て替えたいけどお金がないときの資金対策
建て替え相場を見て「お金が足りない・・・」と感じたら、次の資金対策を検討してみましょう。
審査が通りやすい住宅ローンを組む
建て替えも新築と同じように住宅ローンを組む方がほとんどですから、審査が通りやすい条件の金融機関を選ぶのも一つの考え方です。
住宅ローンの審査基準は金融機関によって異なるケースもあり、審査の通りやすさは変わります。預貯金や頭金が足りなくても、金融機関を変えると住宅ローンを組めるケースもあるのです。お金がないからとあきらめず、複数の住宅ローンに仮審査の申し込みをしてみましょう。
ローコスト住宅を建てる
坪単価が安いローコスト住宅を選んで建築費用を抑えるのも、建て替えの効果的な資金対策です。
仮に坪単価60万円のローコストハウスメーカーで30坪の家を建て替える場合、建築費用は1,800万円。先ほどの平均価格よりかなり安くなりますよね。総額が安くなるのでローン審査も通りやすくなるかもしれません。
ただし、ローコスト住宅はプランの自由度や性能など、クオリティは多少ガマンする部分も出てきます。金額を重視しすぎて不満や後悔のある家になっては意味がありませんので、コストとクオリティのバランスにも配慮が必要です。
小さな家で建築費用を抑える
建築費用は延床面積で大きく変動しますので、小さな家に建て替えて費用を抑えるのも効果的な対策です。
床面積が小さくても、効率的な間取りアイデアを採り入れることで暮らしやすい家を建てることは可能です。実績が多く提案力の高い住宅会社に相談し、コンパクトで暮らしやすいプランを考えてもらいましょう。
両親に資金提供してもらう
実家を建て替えて二世帯化するなど、ご両親から資金提供してもらうのも一つの手です。マイホーム建築のため両親から資金提供を受けた場合、贈与税の非課税措置を使えるケースがあります。
参照元:国税庁 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
ただし、資金提供を受けるとご両親の要望を断りにくくなり、不満の残る建て替えになるケースもあるので要注意。
補助金・減税措置を活用する
実家の建て替えには国や自治体の補助金や減税措置を使えることが多く、費用負担の軽減に役立ちます。
例えば、2023年のこどもエコすまい支援事業は新築や建て替えにも活用でき、一戸あたり100万円の補助額を受けることができます。
〈関連コラム〉
こどもエコすまい支援事業の対象リフォ-ムと補助金額をわかりやすく解説
住宅ローン減税のように、翌年の税負担を軽減する措置も活用すれば、トータルでの費用負担軽減につながるでしょう。
実家の建て替え以外の選択肢
建て替え費用が大きな負担になってしまう場合、ほかの選択肢を検討してみるのもおすすめです。
リフォーム・リノベーションする
建て替えより費用を抑えて理想の家をつくれる、全面リフォーム・リノベーションも一つの選択肢です。
一般的な戸建て住宅の全面リフォーム・リノベーション費用は1,000~2,000万円が相場で、建て替えよりかなり費用を抑えられます。内外装・設備をしっかりリニューアルすれば、見た目や住み心地も新築同様になるでしょう。
売却して住み替える
実家が遠方で建て替えても住むのが難しいときは、売却して新しい家に住み替えるのも一つの考え方です。
売却益を購入費用に充てれば、建て替えより負担を抑えて新しい家が手に入るかもしれません。思ったような金額で実家が売れなかった場合も、買い替えの減税措置などを活用できるケースもあります。
実家は賃貸にしてほかの場所に住む
ご実家の築年数や状態によっては、賃貸として家賃収入を得ながら、自分たちはほかの場所に住む方法もあります。
戸建て賃貸として貸し出せる状態なら、家賃収入でご自身の住まいの費用負担を軽減しながら暮らせます。築年数が古く建物の状態が悪くても、資材置き場や物置として貸し出せるケースも。
実家を建て替えるときの注意点
もし実家を建て替える場合、費用だけでなく再建築不可・セットバックなどの条件についても注意しましょう。
再建築不可の実家は建て替え自体ができませんし、要セットバックの物件は建物や敷地が小さくなる可能性があります。また防火地域・風致地域など特殊な土地の家は、建築の制限があり余計なコストがかかることも。
特に築年数が経っている実家は、後から法律が変わり「既存不適格」になっているケースが多いです。見積もりの際に必ずチェックしてもらい、正確な費用を把握しましょう。
まとめ
実家の建て替えには3,000万円以上の費用がかかる可能性が高いため、無理のない資金計画を立てることが大切です。
お金がないときは無理をせず、リフォーム・リノベーションや住み替えなどの選択肢も検討しましょう。できれば、建築・不動産など幅広く対応できる会社に相談し、フラットな視点でアドバイスを受けるのがおすすめです。
オカムラホームは、東京・千葉エリアで住まいのことをトータルサポートする総合住宅会社です。
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