注文住宅の平均費用はいくら?費用の考え方と予算内に抑えるコツを解説
注文住宅は決まったプランがないため、理想の間取りをいくらぐらいの費用で実現できるのか分かりにくいですよね。初めてのマイホームづくりの場合、住宅ローンの返済計画や頭金など、知らないことも多いため不安になる方は少なくありません。
そこでこの記事では、注文住宅の平均費用で相場をつかみ、予算の考え方やコストダウン方法も分かりやすく解説します。
注文住宅の費用を考えるために必要な基礎知識をまとめたので、モデルハウス見学や住宅会社選びの前にぜひ覚えておいてください。
コラムのポイント
- 注文住宅の平均建築費用は約3,500万円
- 土地取得費用+平均建築費用は約5,000万円
- 平均自己資金は735~1,023万円
Contents
注文住宅の平均費用
実際に注文住宅を建てた方の平均費用から、大まかな相場観をつかんでみましょう。すでに土地を持っている方や建て替えの場合は「土地購入なし」、これから取得する方は「土地購入あり」のデータを参考にしてみてください。
土地購入なし
土地を除いた建築費用のみの数字は、新築・建て替え両方のデータを参考にしてみましょう。年度ごとの差が大きいので、令和元年~4年度のデータをピックアップしました。
※全国の注文住宅平均建築費用
新築 | 建て替え | |
令和4年度 | 3,866万円 | 4,487万円 |
令和3年度 | 3,489万円 | 3,299万円 |
令和2年度 | 3,184万円 | 3,055万円 |
令和元年度 | 3,183万円 | 3,555万円 |
平均 | 3,431万円 | 3,599万円 |
新築・建て替えどちらも、令和4年度は材料費の高騰などの影響を受けて平均費用が高騰しています。直近4年間を平均すると新築・建て替えの差が少なくなり、おおむね3,500万円前後が費用目安となりそうです。
土地購入あり
土地購入から注文住宅を建てる場合の費用相場は、先ほどの新築費用と土地取得費用の合計でチェックしてみましょう。
※全国の注文住宅平均建築費用
建築費用 | 土地取得費用 | 費用総額 | |
令和4年度 | 3,866万円 | 1,819万円 | 5,685万円 |
令和3年度 | 3,489万円 | 1,769万円 | 5,258万円 |
令和2年度 | 3,184万円 | 1,545万円 | 4,729万円 |
令和元年度 | 3,183万円 | 1,353万円 | 4,536万円 |
平均 | 3,431万円 | 1,622万円 | 5,052万円 |
平均土地取得費用も年度ごとに差がありますが、平均すると1,622万円となりました。建築費用と土地取得費用の平均を合計すると、費用総額は約5,000万円です。建てるエリアや土地の広さ、住宅会社の坪単価で変動しますが、土地を取得して注文住宅を建てるなら5,000万円が1つの基準になりそうです。
注文住宅予算の考え方
費用相場を把握したら、注文住宅の予算の考え方の基本も覚えておきましょう。次の順番で考えると、効率よく無理のない予算計画を立てやすくなります。
①用意できる自己資金を確認
まずは貯金や親からの援助なども含めて、用意できる自己資金額を確認しましょう。
前述したように注文住宅づくりでは、住宅ローンの頭金や借入できない諸費用があるので、ある程度の現金は必要になります。一般的には、注文住宅を建てる際の自己資金は費用総額の20%前後用意するのが望ましいと言われています。
※注文住宅の平均自己資金
建築費用 | 自己資金額 | |
令和4年度 | 3,866万円 | 1,023万円 |
令和3年度 | 3,489万円 | 823万円 |
令和2年度 | 3,184万円 | 735万円 |
令和元年度 | 3,183万円 | 745万円 |
平均 | 3,431万円 | 832万円 |
上記のように、注文住宅の建築費用に対する平均自己資金額は735~1023万円となっています。
頭金なしのフルローンでも注文住宅を建てられる可能性はありますが、審査を通りにくく金利が不利になることも。ただし、貯金すべてを自己資金として使ってしまうと、怪我や病気といった突発的な出費に対応できません。まずは自己資金の上限を把握して、生活費や万が一の際の預金とのバランスをしっかり考えましょう。
②住宅ローンの借入額をシミュレーションする
住宅ローンのシミュレーションをするときは、借入額の上限と、ムリなく返済できる金額の両方を把握することが大切です。
借入額の上限は金融機関の審査によって異なりますが、一般的には年収の6~7倍が目安と言われています。(年収倍率)年収500万円の方なら、3,000~3,500万円が借入上限の目安になるということですね。
上限を把握したら、ムリなく返済できる金額を試算してみましょう。住宅ローン返済額の目安は、収入に対する返済額の割合である「返済負担率」が使われます。理想的な返済負担率は20~25%と言われています。年収500万円の場合、年間の返済額は100~125万円が目安ということです。
返済期間や金利によってムリなく返済できる金額は変わりますので、無料の住宅ローンシミュレーションを活用して試算してみるのがおすすめです。
③要望を叶えられる住宅会社で見積もりする
予算の目安がついたら、その金額で要望を叶えられる住宅会社をピックアップして見積もりをします。なるべく早い段階で、いくらで建てたいのか伝えて、実現可能な住宅会社に絞り込むのが効率的です。
最初に予算の目安が分かっていれば、担当者がその金額内でなるべく多くの要望を実現するために工夫しやすくなります。
注文住宅の費用を抑えるコツ
実際に注文住宅の間取りプランを考えるときは、費用を抑えつつなるべく多くの要望を叶えていくことが大切です。クオリティを落とさず、上手に注文住宅の費用を抑えるコツを覚えておきましょう。
外観と内装デザインをシンプルに
注文住宅は、外観・内装のデザインをなるべくシンプルにまとめることで、コストパフォーマンスが高くなります。
シンプルなデザインは築年数が経っても古く見えず、いつまでも飽きにくいのもメリット。
モダンテイストのように、シンプルでもおしゃれなデザインもつくれるので安心してください。注文住宅の外観・内装デザインはこちらのコラムで紹介しています。
〈関連コラム〉
注文住宅のおしゃれな外観づくりのポイント|デザイン実例も紹介
水回りをまとめる
ユニットバス・キッチン・トイレ・洗面の水回り設備を一か所にまとめるのも、注文住宅の費用を抑える基本テクニックです。
水回りが近いと配管の距離が短くなり、材料費と工事費を抑えられるのです。
家事動線も良くなり暮らしやすい注文住宅になるので、効率の良い間取りを考えてみましょう。
間取りのムダを無くして延床面積を減らす
概算見積もりやプランができたら、間取りのムダを見つけてなるべく延床面積を減らしましょう。
仮に坪単価70万円のハウスメーカーなら、2坪(4畳)延床面積を減らせば140万円ものコストダウンになります。
廊下を減らしたり、小屋裏収納でデッドスペースを活用したり、効率的な間取りアイデアはたくさんあります。居住スペースや収納は確保しつつ、なるべくコンパクトな間取りにして費用を抑えましょう。
不要な設備とオプションを選ばない
キッチンやユニットバスのグレード、間取りや設備のオプションを慎重に選ぶのも費用を抑えるコツの1つ。
例えば、システムキッチンはグレードが上がるとカラーや設備の選択肢が増えますが、ライフスタイルによっては必要ないケースもあります。食洗機や電動昇降機などのオプションも、すべての人にマッチするわけではありません。
様々な選択肢から必要な物を見極めて、コストパフォーマンスが高い注文住宅を建てましょう。
注文住宅向きの土地を選ぶ
土地を購入して注文住宅を建てる場合、注文住宅向きの物件を上手に選ぶのも有効なコストダウン方法です。
例えば、軟弱地盤の土地は地盤改良のための費用が別途発生します。そのまま建てられる丈夫な土地なら余計な費用がかからず建物にお金を回せるのです。
土地は単体考えず、購入前に必ずハウスメーカーにチェックしてもらいましょう。土地探しも頼めるハウスメーカーだと、注文住宅向きの土地を確実に選びやすくなります。
補助金や減税制度を活用する
国や自治体が用意している新築住宅向けの補助金を活用するのもおすすめです。
ZEHや長期優良住宅など、一定の省エネ性能を満たす注文住宅を建てると、補助金を受けられるケースが多いです。また、住宅ローン控除のように、注文住宅を建てた後の税金が安くなる減税制度も効果大。
自治体や建てる家の条件によって使える補助金制度が変わるので、契約をする前に確認してみましょう。
まとめ
注文住宅は定価がないため、費用を予想する難易度は高めです。しかし、相場を把握して正確な予算計画を立てれば、コストパフォーマンスと満足度の高い注文住宅を建てることにつながります。お金のことは後回しにせず、なるべく早めにポイントを押さえて取り組みましょう。
注文住宅の費用についてのご質問は、オカムラホームの注文住宅ブランド「木ここち家ラボ」にご相談ください。家づくりの実績豊富なスタッフが、お客様のライフプランに合わせた資金計画をお手伝いいたします。