アパート経営の失敗パターンと対策|利回り・修繕費などを確認

アパート経営の失敗例と対策

アパート経営は「儲からない」「失敗しやすい」という意見も多いですが、先回りして対策をすればリスクは軽減できます。

このコラムではアパート経営でよくある失敗パターンと対策を解説します。

アパート経営の失敗例やリスクを知って判断材料にしたい方、賃貸経営で相続対策を検討している方は参考にしてください。

 


コラムのポイント

  • アパート経営で失敗しやすいパターンと対策をチェックしましょう。
  • 初めての不動産投資や相続した土地でのアパート経営は、地域の賃貸需要に詳しく、収益物件の運用ノウハウがある不動産会社のサポートを受けるのがおすすめです。

 

 

最適な土地活用

 

アパート経営は儲からない?

アパート経営が儲からないと言われる理由

結論から言うと、アパート経営は必ずしも儲からないわけではありません

不動産に限らず、どんなに景気の良い業界でも儲からないケースはありますし、逆に厳しい業界でもしっかり利益を出している人はいます。

アパート経営においても、事前に失敗リスクを把握し適切に対策していけば安定した利益を出すことは不可能ではありません。

次章では具体的なアパート経営の失敗パターンを紹介します。どんなリスクがあるのか知っておくことで、自身のケースに当てはめて検討できます。

〈関連コラム〉

賃貸経営は儲からないと言われる理由と失敗を防ぐ取り組み方|利回りや税金など基本解説

 

アパート経営の失敗パターンと対策

①立地が悪く入居者が集まらない

そもそも賃貸住宅の需要が少ない立地では、アパートを建てても空室が埋まらず経営不振に陥ってしまいます。

例えば土地勘のない田舎での相続などで、周辺環境を調査しないままアパート経営を始めると失敗する可能性が高くなります。

【対策】⇒賃貸需要をしっかり調査する

アパート需要の多い立地

アパート経営では、エリアの賃貸需要と具体的なニーズの調査が必要不可欠です。

〈賃貸需要が多い立地環境の例〉

  • 人口が増加傾向
  • 駅チカ・都心部へのアクセスがよい
  • 商店街やショッピングモールが近い
  • 付近に学校や工場が複数ある

ただし、賃貸需要が多いエリアは競合も増えるので、綿密な調査で差別化を図ることが大切です。

さらに、長期間安定した収益を得るためには、現状だけでなく将来の展望分析も必須です。エリアの今後の開発予定災害リスクなども踏まえて検討しましょう。

 

②空室率が上昇して資金繰りが悪化

アパート経営は新築当初は満室にできても、入居者を維持し続けるのが難しい側面があります。

利回りが下がればローン返済も苦しくなり、管理やメンテナンス費用の不足や計画の遅れによってさらに入居者が集まらない悪循環に陥る恐れがあります。

【対策】⇒適切な空室対策を実施する

アパートの空室

築年数が経ち入居率が低下してきたら、原因やターゲットユーザーに合わせた適切な空室対策を実施しましょう。

キャッシュフローが悪化する前に空室対策をすることで、身動きが取れなくなり失敗するリスクを軽減できます。

空室対策として挙げられる「家賃を下げる」方法は、一時的な効果はあっても根本的な対策にはならないため注意しましょう。

〈関連コラム〉

空室対策アイデア16選|入居率低下の原因確認⇒適切な対策をしよう!

 

③ローン返済負担が大きく赤字に

毎月のローン返済額が大きいと、空室率の上昇や予定外の出費などでキャッシュフローが悪化し赤字になる可能性があります。

特に頭金なしのフルローンでアパートを新築・購入する場合は、返済負担が大きくなるためよりハイリスクになります。

【対策】⇒自己資金を用意する

アパート経営の資金計画

年収に余裕があったとしても基本的にフルローンは避け、自己資金を用意して余裕のある経営計画を立てましょう。

一般的に、アパート投資の自己資金は物件価格の10~20%を用意するのが相場です。

ただし、頭金を入れすぎると、修繕や入居者トラブルなど突発的な出費に対応できなくなるのでバランスを取ることが大切です。

アパート経営・資金計画のご相談はこちら

 

④金利上昇でローン返済が経営を圧迫

変動金利で借りた場合に起こりうるリスクです。金利の変動は完全に予測・対策できるものではないため、余裕をもった資金計画の上で融資を受ける必要があります。

【対策】⇒金利タイプを慎重に選ぶ

変動金利は他のタイプに比べて金利が低いのがメリットです。しかし、返済期間が長いほど金利上昇による総返済額増加のリスクも大きくなるデメリットもあります。

下記の条件で総返済額をシミュレーションしてみましょう。

  • 借入総額:5000万円/返済期間:20年/当初金利:1.8%/返済方式:元利均等方式
  • パターン①:現在の金利が変わらない場合
  • パターン②:6年目以降2.8%に上昇した場合
返済総額 毎月の返済額
①金利1.8% 5,957万5,777円 24万8,233円
②金利1.8%→6年目以降2.8% 6,286万2,649円 当初5年間:24万8,233円
6年目以降:26万6,493円

 

上記のシミュレーションでは、②のように金利が途中で1%上昇すると総返済額が約330万円増えています

入額や返済期間は金利が上昇した際のリスクも考慮した上で慎重に検討しましょう。

(参考)返済プラン比較シミュレーション|フラット35

 

⑤修繕費で運転資金が不足

アパートの外壁修繕

アパートの維持には定期的なメンテナンスや修繕費用もかかります。節目節目でどんなメンテナンスがあるか想定しておかないと、突然の出費で経営が圧迫されることも。

〈アパートで定期点検・修繕が必要な主要箇所〉

設備 点検・修理・交換実施の目安
エアコン・給湯器 7~12年
キッチン・浴室など水回り 7~15年
配管・ポンプ 15~20年
内装(床・壁紙) 6~12年
屋上・ベランダ防水 10年~15年
階段・手すり防錆 10年~15年
外壁補修・塗装 10年~15年

 

【対策】⇒長期修繕計画を立てる

エアコンや給湯器などの水回り設備は突発的な修理が発生しやすい項目です。また、屋根や外壁など外回りのメンテナンスは数十万~数百万円の大掛かりな工事になります。

「メンテナンス費用は必ずかかる経費」と理解し、物件に合わせた項目とタイミング、費用を想定した長期修繕計画を立てましょう。項目別の費用は想定外のケースも踏まえて多めに見積もっておくと安心です。

 

⑥節税効果が切れキャッシュフローが悪化

建物の減価償却期間が終わり節税効果が切れたために税金負担が増え、キャッシュフローが悪化してしまうパターンです。

【対策】⇒減価償却期間に合わせて出口戦略を立てる

減価償却期間の長いRC造アパート

アパートの新築や中古物件の購入を検討する際は、減価償却期間を確認し、出口戦略を立てましょう。

減価償却期間が過ぎると税金の負担が増えるため、節税効果があるうちに投資回収するのが基本的な考え方です。

〈アパートの減価償却期間〉

  • 木造:22年
  • 鉄骨造:19~34年
  • RC造:47年

(参考)No.2100 減価償却のあらまし|国税庁

償却期間が終了した後もアパートを保有し続けるなら、節税効果が切れても経営が成り立つような戦略を立てましょう。

 

⑦入居者トラブルで退去が相次ぐ

騒音やゴミ出しのルールを守らないなど、入居者トラブルが発生すると周囲の退去につながり家賃収入が一気に減少するリスクがあります。

入居者への対応を誤るとトラブルが長期化しどんどんキャッシュフローが悪化する可能性も。

【対策】⇒実績の多い管理会社に依頼する

アパート経営の実績が多い不動産会社に相談する

入居者トラブルを防ぐためには、実績が多くスキルが高い不動産会社に管理を依頼することが大切です。

トラブルが発生した際、管理会社が素早く柔軟に対応することで、早期解決と退去防止につながります。

管理会社選びは入居者トラブルへの対応力はもちろん、集客や維持管理のノウハウ実績の豊富さなど多角的に比較検討しましょう。

〈関連コラム〉

賃貸管理会社で何が変わる?選び方・比較検討のポイントを解説

 

⑧サブリースの家賃保証引き下げで赤字

サブリース契約は空室率に関係なく一定の賃料が支払われるため、安定した収入を得られる点がメリットです。

ただし、サブリース契約は数年に一度家賃保証額を交渉するタイミングがあり、ずっと同じ収入が続くわけではありません

契約見直しのタイミングで家賃保障額が引き下げられた場合、キャッシュフローが悪化してしまう可能性があります。

【対策】⇒契約内容を隅々まで確認する

サブリース契約のアパート経営イメージ

サブリース方式は管理委託契約よりも手数料が高く、契約期間中は大家都合で途中解約できないなどのデメリットもあります。担当者に事前にしっかりと説明を受け、リスクやデメリットも理解し納得した上で契約するようにしましょう。

〈関連コラム〉

サブリース契約はやめとけと言われるのはなぜ?後悔を防ぐポイント

 

⑨利回りだけで物件を選んで失敗

不動産広告の利回りだけ見て物件を選ぶと、実際に運用して思ったように収益が得られない場合があります。

不動産広告に記載されているのは表面利回りで、物件の運用やメンテナンスにかかるコストは考慮していません。運用やメンテナンスコストが多くかかる物件だと、思ったように収益が上がらず失敗する可能性があります。

  • 表面利回り…物件価格に対する一年間の家賃収入の単純計算であらわされる指標。一年間の家賃収入は現在の入居状況、過去のデータなどを参考に計算される。物件の運用やメンテナンスにかかるコストは考慮しない。
  • 想定利回り…表面利回りの家賃収入を満室の想定で計算した指標。過去のデータが参照できない新築物件などは、想定利回りで表記されるケースもある。

 

【対策】⇒実質利回りで収益性をチェック

アパートの実質利回りをチェックする

アパートの収益性は、家賃収入や物件価格から諸費用を差し引いて計算した「実質利回り」で考える必要があります。

〈実質利回りの計算方法〉

(年間収入 - 年間諸費用) ÷ (購入金額 + 購入時諸費用) × 100 = 実質利回り

諸費用は物件ごとに異なるため、物件をある程度絞り込んでからシミュレーションするのがおすすめです。

また、シミュレーションした実質利回りも絶対ではなく、空室率によって変わることも考慮しましょう。

〈関連コラム〉

不動産投資の利回りを分かりやすく解説|種類・計算方法・相場など

 

アパート経営は地域に詳しい不動産会社に相談しよう

アパート経営は家賃収入が得られ相続税対策になるなどのメリットがありますが、投資である以上一定の失敗リスクが存在します。

初めての不動産投資や相続した土地でのアパート経営は、地域の賃貸需要に詳しく、収益物件の運用ノウハウがある不動産会社のサポートを受けるのがおすすめです。

物件選びから購入、経営計画、賃貸管理までを一括して任せられる不動産会社なら、きめ細かいアドバイスやサポートが期待できます。

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