空き家買取の基礎知識|メリット・デメリットや不動産会社選びのポイントを解説
空き家の処分方法の1つである不動産会社による「買取」は、短期間で現金化できることや、リフォームや解体せずにそのまま売却できるなどのメリットがあります。
このコラムでは空き家を買取で売却するメリット・デメリットを解説します。買取を依頼する不動産会社選びのポイントも紹介しますので、空き家の処分を検討中の方は参考にしてください。
コラムのポイント
- 空き家買取とは不動産会社に直接売却する方法で、短期間で売却でき、リフォーム費用や仲介手数料がかからないなどのメリットがあります。
- 買取価格の相場は仲介よりも安くなるなど、注意すべきデメリットもあるため、メリットとデメリットを比較した上で、買取・仲介両方を扱う信頼できる不動産会社に相談するのがおすすめです。
Contents
空き家買取とは?仲介売却との違い
「買取」とは、不動産会社に直接空き家を売却することを指します。
一方「仲介」とは、不動産会社を介して空き家の買い手を探す方法で、以下のような違いがあります。
買取 | 仲介売却 | |
購入者 | 不動産会社 | 個人 |
売却にかかる期間 | 数日~1週間 | 数か月以上 |
売却金額 | 査定で決定 | 買主との交渉で決定 |
仲介手数料 | なし | あり |
買取には仲介による売却にはないさまざまなメリット・デメリットがあります。次の章で具体的に見ていきましょう。
空き家買取のメリット
短期間で現金化できる
買取は不動産会社が買い手になるため、査定金額に納得して契約すれば、数日から1週間前後と短期間で現金化できるのが大きなメリットです。できるだけ早く空き家を処分したいという人に適した方法です。
仲介の場合は、買手を探すための広告・販売活動の時間も必要になり、売却まで数か月から1年以上かかる可能性もあります。
近所に知られる心配がない
空き家を処分する事情はさまざまですから、中にはご近所に知られずに売却したいというケースもあるかもしれません。
買取は、チラシや物件情報サイトでの売却活動や内覧対応の必要がないため、ご近所に知られることなく空き家を売却できます。
値引き交渉されない
買取による売却は、不動産会社が提示した査定額がそのまま売却金額になり、値引き交渉される心配はありません。
一方、仲介による売却は、買主から値引き交渉されたり、物件がなかなか売れずに値下げせざるを得なくなったりするケースがあります。想定していたよりも安い金額で売却することになると、その後の資金計画に影響が出てしまう可能性もあります。
キャンセルの心配がない
仲介の場合は、買主が住宅ローンの審査に通らなかった、他に気に入った物件を見つけたなどの理由でキャンセルになる可能性があります。
買取の場合、買主である不動産会社が売買契約をキャンセルすることはまずないため、安心して売却を進められます。
仲介手数料がかからない
仲介による売却では、売買が成立すると不動産会社に仲介手数料を支払う必要がありますが、直接買取の場合は必要ありません。
なお、仲介手数料は空き家の売却価格によって決まります。
仲介手数料の計算式(売買価格が400万円以上の場合)
物件価格×3%+6万円+税
売却価格によっては数十万~数百万円かかることもありますので、売却にかかる手数料を抑えたい場合も買取はおすすめです。
リフォーム費用が不要
仲介での売却の場合、状態が悪い空き家は、リフォームしてからでないと売れないケースも多くあります。更地にしなければならない場合もあり、解体やリフォームの費用は売主が負担しなければなりません。
買取は、現状のまま買い取ってもらえるため、リフォームや解体費用が不要で現金の持ち出しがないのもメリットの1つです。
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契約不適合責任が免責される
不動産の買取は宅建業者である不動産会社に売却するため、「契約不適合責任」が免責される点もメリットです。契約内容にもよりますが、契約不適合責任は一切免責される契約を結ぶのが一般的です。
契約不適合責任とは、契約書の内容と異なる不具合があった場合に、売主が買主に対して責任を負うことを指します。
例えば、契約書に記載されていない雨漏りなどが売却後に発覚した場合、買主から損害賠償や契約解除を求められる可能性があります。買取で契約不適合責任が免責されていれば、売却後に不具合が見つかったときの対応を気にせずに済むため、心理的な負担も少なくなります。
空き家買取のデメリット
買取による空き家売却にはさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットもあります。メリットとデメリットの両方を理解した上で検討しましょう。
買取金額は相場より安くなる
買取による売却価格は、仲介による売却の一般相場より2~3割安くなることが多い点に注意が必要です。
買取の場合、不動産会社は現況のまま買い取った後、状態に応じてリフォームしたり、場合によっては解体して更地にしたりしてから再販するのが一般的です。リフォーム・解体などの諸費用があらかじめ売却価格から差し引かれているため、一般的な相場よりも安くなる傾向があります。
ただし、買取は売却価格が相場より安くなるといっても、売主にはリフォーム・解体費用や仲介手数料の負担がかからないというメリットもあるため、必ず損になるわけではありません。
売却するにはどれくらいの規模のリフォームが必要そうか、住宅のまま売り出して需要がありそうかなど、不動産会社と相談しながら最適な売却方法を選択するのがベストです。
必ず買い取ってもらえるわけではない
立地や状態が悪く、再販が難しいと判断された空き家は買取できないケースもあります。
買取が難しいと判断された空き家は、活用や建て替えなど他の選択肢を検討しなければなりません。古い空き家ならではの活用方法として、最近は「DIY賃貸」も注目されています。需要や建物状態、コストなどを総合的に見て判断しましょう。
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空き家買取不動産会社選びのポイント
空き家の買取を安心して依頼できる不動産会社選びのポイントをまとめます。
空き家買取の実績が多い会社を選ぶ
買取による売却を前向きに検討しているなら、まずは買取が得意で実績の多い不動産会社を選びましょう。
買取の実績が多い会社なら、さまざまな物件の対応経験があるため買い取ってもらえる可能性が高まります。また、再販するノウハウも豊富なため、必要なリフォームなどの判断も適切で、適正な価格査定が期待できます。
空き家から近い会社を選ぶ
買取を依頼するなら、空き家のあるエリアに精通した地元の不動産会社がおすすめです。
長年地元に密着して営業している不動産会社は、エリアの相場を正確に把握しており、販売力も強いため確実な買取や高額査定が期待できます。
買取・仲介両方対応している会社を選ぶ
空き家の立地や状態によっては、仲介で売却した方が高額で売れるケースもあります。買取専門業者もありますが、買取・仲介両方相談できる不動産会社なら、物件にあった方法を提案してもらえます。
空き家買取査定額アップのコツ
結論から言うと、空き家は「なるべく早めに査定する」のが高額査定のポイントです。
家は物である以上、状態が日々悪くなっていくのは避けられません。人が住んでいない空き家はこまめな確認が難しく、気づいたら状態が悪くなっていたというケースもあり、査定額ダウンの要因になりかねません。残置物がある場合でも、そのままにしてまずは不動産会社に相談するのがおすすめです。
買取査定は基本的に無料です。前章で紹介した不動産会社選びのポイントを押さえて、信頼できる会社に早めに相談しましょう。
まとめ
買取を利用した空き家売却は、短期間で現金化できることや、リフォーム・解体費用を負担せずに現況のまま手放せるのが最大のメリットです。
一方で買取相場は仲介よりも安くなる傾向があるため、メリット・デメリットを比較した上で総合的に判断することがポイントです。
買取と仲介両方を扱う地元に強い不動産会社なら、立地や建物の状況に合わせた最適な売却方法を提案してもらえるでしょう。
オカムラホームは、買取・仲介両方の空き家売却に対応しています。お金をかけずに売りたい、早期売却を目指したいなど、まずはご要望をお聞きし、お客様に合わせた売却方法をご提案します。