地震に強い家づくりの工夫|土地やハウスメーカー選びのポイントも

地震に強い家の特徴と耐震性を高める工夫

未だ記憶に新しい令和6年能登半島地震の被害状況から、地震に強い家づくりや、災害リスクの少ない土地選びの必要性を強く感じた方も多いと思います。

このコラムでは、地震に強い家の特徴と、耐震性の高い家づくりの工夫を解説します。

地盤が強い土地を探す方法や、耐震性が高い家づくりができるハウスメーカー選びのポイントも紹介しますので参考にしてください。

 


コラムのポイント

  • 地震に強い家を建てるには、地盤の強さと建物の形状、そして耐震性の高い構造が大きなポイントになります。
  • 地震に強いハウスメーカーを選ぶ際は、耐震等級はもちろん、採用している構造や耐震性能を高めるプラスαの工夫もチェックしましょう。

 

地震に強い家の特徴3つ

地震に強い家の特徴はさまざまありますが、大きく分けると次の3つにまとめられます。まずは簡潔にポイントを押さえた上で、次章で詳しく解説していきます。

 

①地盤が強い

地盤の強い土地のイメージ

家が建っている土地の地盤が強いことが地震に強い家の第一条件になります。

どんなに強固な家を建てても、支える地盤が弱ければ耐震性能を十分に発揮できません。

地盤とは地表から深さおよそ100mまでの部分を指します。地盤の強さは土地によって異なり、建物の建っている地盤の違いによって地震の揺れ方も変わってきます。また、地震被害でたびたび話題になる液状化や地盤沈下が起こりやすい場所もあります。

 

②凹凸の少ないシンプルな形状

地震に強いシンプルなキューブ型の家

建物は正方形・長方形などシンプルな四角形に近い形状ほど地震に強くなります。

シンプルな四角形構造の建物は、家を構成する6つの面で均等に揺れに耐えようとするため、倒壊しにくくなります。逆に、凹凸が多い家は、地震の揺れで発生した力が一か所に集中し、ゆがみが発生して破損するリスクが高くなります。

1階部分に柱のない車庫がある間取りや、2階の一部が大きく張り出したオーバーハングのような形状も地震に弱い傾向があります。建物形状は、上から見ても横から見ても四角形に近い家ほど地震に強くなると覚えておきましょう。

 

③耐震性が高い構造

地震に強い家の構造イメージ

耐震性が高い構造を採用しているハウスメーカーで建てた家も、一般的な基準の家より地震に強いと言えるでしょう。

建築基準法では、震度6以上の地震で建物が倒壊しない耐震性を最低基準として義務付けています。現在は住宅性能評価による「耐震等級」に則って、最低基準よりも耐震性を高める工夫や構造を採用しているハウスメーカーも多くなっています。

等級 耐震性
耐震等級1 建築基準法の耐震基準と同程度の耐震性
・百年に一度程度発生する規模の地震による力(震度6強~7相当)に対して、倒壊・崩壊しない
・数十年に一度程度発生する規模の地震による力(震度5強相当)に対して、損傷を生じない
耐震等級2 耐震等級1の1.25倍の耐震性
・災害時の避難所として使用される学校などの公共施設は等級2を満たす必要がある
耐震等級3 耐震等級1の1.5倍の耐震性
・警察署や消防署などは等級3を満たす必要がある

 

建物の耐震性を高める方法は、「耐震」「制震」「免震」などの方法があります。以下に特徴を簡単にまとめます。

耐震 建物自体の強度を高める方法。
壁量を増やす、強度の高い部材を使う、接合部を強固にするなど
制震 制震ダンパーと呼ばれる装置で地震の揺れを吸収し、
建物の変形を抑える方法
免震 基礎と建物の間に免震装置を設け、地盤と建物の縁を切ることで
地震エネルギーが建物に伝わらないようにする方法

 

ハウスメーカーごとに採用している方法・建材は異なりますので、耐震等級や具体的に期待できる効果はパンフレットやHP、見学会などで確認しましょう。

 

地震に強い家づくりの工夫

地震に強い家を建てるためにできる、耐震性を高める工夫を紹介します。

 

地盤が強い土地を選ぶ

地盤調査のイメージ

土地探しから家づくりを始める場合、まずは強い地盤を選ぶことが最も大切です。

地盤の良し悪しはエリアの地形、地質などさまざまな要素が関連してきます。

〈注意が必要な地盤の主な特徴〉

  • 新しい地層の低地
  • 砂を使った埋立地
  • 切土と盛土が混在している土地
  • 昔河川だった地域
  • 地下水位が高い地盤 など

 

通常の地図を見るだけでは判断が難しいため、次のような方法で地盤の弱いエリアをあらかじめ調べておくとリスクを回避できます。

  • 土地の歴史を調べる
  • 水系の漢字が入った土地を避ける
  • インターネット等で地盤情報や災害リスクを調べる

 

〈地盤情報や災害リスクを調べられるサイト〉

地盤サポートマップ
国土地盤情報サイト「KuniJiban」

原則として住宅の新築時には地盤調査を実施する必要があり、軟弱地盤だった場合などは地盤改良工事をすることもあります。

 

シンプルな形で建てる

地震に強いシンプルな四角形の総二階の家

前章で解説したように、建物はなるべく凹凸が少ない形で建てることで、揺れによる破損を防ぎやすくなります。

L字やコの字型のような凹凸のある形状を避け、上下階の柱や耐震壁の位置を揃えるのも耐震性を高めるのに有効です。

シンプルな形の家を建てるためには、土地の形状も関わってきます。狭小地や変形地など、条件次第ではシンプルな形で家を建てるのが難しいケースもあるためです。

また、シンプルな形状だと居住スペースが少し足りないという場合は、箱型の総2階をベースにして、必要に応じて下屋を設ける形で調整する方法もあります。

 

平屋を建てる

地震に強い平屋建ての家

建物高の低い平屋は、地震による揺れの影響が少ないため耐震性を高めやすい家と言えます。

都市部よりも土地価格を抑えやすい郊外に建てるなら、ゆとりのある広い土地で平屋を建てるのも1つの考え方です。

 

屋根材を軽くする

屋根材を軽くして耐震性を高めた住宅

建物は高い場所に重い材料が使われていると地震による揺れがより大きくなるため、屋根材を軽くすると耐震性を高められます

屋根材は素材によって重さが異なります。例えば、ガルバリウム鋼板などの金属瓦はスレートや陶器瓦より軽量なため地震の揺れを軽減できます。

重い屋根材を使う場合、耐震性を確保するためにより強固な構造が必要になり、費用が高くなることもある点に注意しましょう。

 

耐震等級を高める

耐震等級1・2・3の違いのイラスト

ハウスメーカーごとに採用している構造は異なりますが、どの構造が適しているかは建てる家や地盤などによっても変わってきます。また、一般の方がハウスメーカーの構造を比較して、どれが良いか判断するのは難しい部分があります。

一方耐震等級は、一定の評価基準で地震への強さを判定するため、構造に関係なく判断する指標になります。
ただし、耐震等級を高めると建築費用が高くなったり、壁や開口部の位置に制限が出たりすることも。

土地の災害リスクなども踏まえて、家に求める耐震性と間取りやデザインのバランスを取ることも1つの工夫と言えます。トータルでバランスの良い家づくりは、地震に強い構造を採用し、実績が多くノウハウが豊富なハウスメーカーを選ぶことが大切になります。

 

 

地震に強いハウスメーカー選びのポイント

最後に、地震に強い家を建てるためのハウスメーカー選びのポイントを解説します。

 

採用している構造の種類をチェック

地震に強いスーパーウォール工法の家

まずはハウスメーカーが採用している構造や耐震性への工夫をチェックしましょう。

住宅の構造や基礎のつくりは以下のようにさまざまな種類があり、特徴もそれぞれ異なります。

建物の構造 特徴
木造軸組 土台、柱、梁で骨組みをつくる木造住宅の一般的な構造。筋交いや耐力壁で耐震性を高める。間取りの自由度が高い。
ツーバイフォー(枠組壁) 床・壁・天井の「面」で支える構造。パネルが耐力壁となり耐震性に優れる。施工性が高く工期が短め
プレハブ工法 あらかじめ工場生産した部材を現場で組み立てる工法。施工のばらつきが少なく工期が短い。
 鉄骨造 S造とも呼ばれる。強度の高い鉄骨を主要部材に使った構造。
RC造 変形に強い鉄筋コンクリートで建物を支える堅牢な構造。

 

基礎の種類 特徴
布基礎 部屋割りに沿って線状に敷設する基礎。木造住宅で一般的に用いられコストパフォーマンスが良い
ベタ基礎 建物の下部全面に板状に敷設する基礎。軟弱な地盤でよく用いられる。布基礎よりコストが高い

 

最近は複数の構造の良い部分を合わせて耐震性を高めているハウスメーカーもあります。

オカムラホームの注文住宅ブランド「木ここち家ラボ」では、木造軸組とツーバイフォーの良さを兼ね備えた「スーパーウォール工法」を採用しています。

木ここち家ラボのスーパーウォール工法について

 

耐震性を高める工夫があるか?

地震に強い家づくりにこだわるなら、建物自体の構造の強さプラスαの工夫を用意しているハウスメーカーを選びましょう。

耐震+制震ダンパーなど、さまざまな工夫があるハウスメーカーは、地震に強い家づくりに力を入れており、耐震性を高めるノウハウも豊富と考えられます。

木ここち家ラボでは、前述したスーパーウォール工法にプラスして、繰り返す余震にも強い制震仕様パネルをご用意しています。

 

メンテナンス体制がしっかりしているか?

アフターフォローメンテナンス体制がしっかりしているハウスメーカーを選ぶのも、地震に強い家づくりの重要なポイントです。

どんなに強い構造の家でも、雨漏りや壁内結露で柱や土台が腐ってしまうと、本来の耐震性を発揮できなくなってしまいます。

〈ハウスメーカーのメンテナンス体制チェックポイント〉

  • 建物の状態を確認できる定期点検の仕組みがある
  • メーカー独自の瑕疵保証延長制度がある
  • いざという時に素早い対応ができる など

上記のチェックポイントをクリアしているハウスメーカーなら、構造のトラブルを早期発見して耐震性が低下するのを防ぎやすくなります。

オカムラホームの注文住宅ブランド「木ここち家ラボ」では、入居から3か月・1年・2年・5年・10年・15年に無料定期点検サービスを実施しています。また、定期点検以外でも万一不具合が発生した際は迅速に対応し、状況に応じた的確なアドバイスを致します。

木ここち家ラボのアフターメンテナンスについて

 

まとめ

地震に強い家を建てるには、地盤の強さと建物の形状、そして耐震性の高い構造が大きなポイントになります。

地震災害を避けることが難しい日本では、倒壊や損傷被害を抑えるための家づくりは必須であると言えます。ハウスメーカーを選ぶ際は、耐震等級はもちろん、採用している構造や耐震性能を高めるプラスαの工夫もチェックしましょう。

オカムラホームの注文住宅ブランド「木ここち家ラボ」は、耐震等級3を基本とし、間取りの自由度と耐震性を両立した安全で暮らしやすい家づくりをサポートします。千葉エリアで家づくりをお考えの方はお気軽にご相談ください。

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