注文住宅を建てる流れ|土地なし/ありの期間と進め方、注意点を解説
注文住宅は、土地購入やハウスメーカーとの契約、住宅ローン申請などさまざまな要素があるため、どんな流れで進めていけばよいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
このコラムでは、土地探しから注文住宅を建てるまでの流れを8つのステップに分けて解説します。
土地探しとハウスメーカー選びの同時進行で失敗を防ぐ注意点や、希望時期に入居できるスケジュールのコツも解説しますので、これから家づくりを検討する方は参考にしてくださいね。
コラムのポイント
- 注文住宅を計画してから入居(引き渡し)までの期間はおよそ1年が目安です。家づくりの計画は入居希望時期の1年~1年半前、土地探しからスタートする場合は1年半~2年前くらいからスタートするのがおすすめです。
- 入居する時期が具体的に決まっている場合は逆算してスケジュールを立て、契約や支払いが必要なタイミングを押さえておくことで、余裕を持って家づくりを進められます。
注文住宅が完成するまでの期間はおよそ1年
注文住宅を計画してから入居(引き渡し)までの期間はおよそ1年が目安です。
住宅の構造や規模、土地のあり/なし、依頼する建築会社の種類、家づくりの希望などによってもかかる期間は大きく変わってきます。
また、注文住宅は天候の影響や打ち合わせの都合などで、完成までの期間が予定より延びる可能性もあります。家づくりの計画は遅くても入居希望時期の1年~1年半前、土地探しからスタートする場合はさらに余裕を持って1年半~2年前くらいからスタートすることをおすすめします。
次章で注文住宅を建てるまでの具体的な流れを確認していきましょう。
注文住宅の流れ8ステップ
①家づくりの計画を立てる(目安:0.5~1か月)
はじめに、どこでどんな生活をしたいのか、どんな家に住みたいのか、家族で暮らしのイメージづくりをしておくことが大切です。
住宅雑誌やホームページ、モデルハウスなどを参考に家づくりに関する情報を集め、デザインや間取りなど具体的なイメージを固めておきましょう。
また、今後のライフスタイルの変化も踏まえ、住みたいエリアや価格、性能、デザインなど、何を優先するのか整理しておくことで、より効率的に土地探しや建築会社の選択ができるようになります。
②資金計画を立てる(目安:0.5~1か月)
どんな家を建てたいか具体的なイメージが定まったら、どのくらい予算が必要になるのか検討します。
まず、実際に使える自己資金、ローンの借入枠/頭金、無理なく返済できる額がそれぞれどのくらいあるのかを把握しておきましょう。
家づくりには、イメージした家を建てるために必要な建築費のほかにも、土地の購入代や付帯工事費、調査費や申請費など、さまざまな費用が発生するため、総合的に資金計画を立てることが大切です。
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③土地を探す(目安:1か月~1年)
注文住宅の土地探しは、住みたい地域の不動産会社や建築会社に、エリアや広さ、予算などを相談して探してもらうのが一般的です。
土地の形状や周囲の状況によって、建物のプランや費用が変わってきます。
すぐに理想の土地を見つけることは難しいですが、期限を設けて周辺環境や広さなど優先するポイントを決めておくと探しやすくなります。
土地探しから相談できる建築会社がおすすめ
土地探しをしていると「建築条件付き」という土地を目にすることがあると思います。建築条件付き土地は建てるハウスメーカーや工務店が指定されている土地を指します。その分価格は相場より抑えられていることも多く、指定されている建築会社で家を建てたいなら理想的な土地と言えるでしょう。
建てたい会社が決まっていて、建築条件なしの土地で建てたい場合は、設計担当者と相談しながら土地を選びましょう。土地を購入した後で「希望の家が建てられない」「土地+建築費用の総予算をオーバーしてしまった」などの失敗を防げます。
建築会社が決まっていない場合は、土地探しから相談できる不動産部門がある注文住宅の建築会社を探すのがおすすめです。土地と建築工事の契約などの窓口が一本化されてスムーズに家づくりを進められます。土地探しでは自社の建築条件付きだけでなく、条件なしの土地も探してくれる会社が理想です。
④建築会社を探す(目安:1~3か月)
土地探しと同時進行で、ハウスメーカー、工務店、設計事務所など依頼する建築会社を探します。同じ家を建てるとしても建築会社によって特徴が違うため、インターネットで調べたり、住宅展示場や現場見学会に足を運んだり、できる限り情報を収集しましょう。
自分がイメージする家を建ててくれそうな建築会社をいくつか選び、住宅のプラン作成を依頼します。間取り図や概算見積もりを比較検討し、理想の家づくりを任せようと思える信頼できる建築会社を選ぶことをおすすめします。
仮契約して土地に合ったプランと見積もりを作成
間取り図や概算見積もりを比較検討し、建築会社が決まったら仮契約をします。
仮契約は注文住宅独自のシステムで、家を建てる会社を決めた時点で結び、「申込金」や「契約頭金」として5~10万円程度を支払うのが一般的です。
また、建築会社にはこのタイミングで購入する土地に合った間取りと概算見積もりを出してもらい、金融機関に提出して住宅ローンの仮審査を通しておくとその後の本審査をスムーズに進められます。
⑤土地の購入
敷地調査や地盤調査をして問題がなければ、土地の購入、契約へと進んでいきます。
〈土地購入契約の流れとチェックポイント〉
重要事項説明書を交付
↓
宅建士から重要事項の説明を受ける
↓
売買契約
↓
手付金・仲介手数料の支払い
(現金または小切手)
↓
決済・引き渡し・登記
土地の購入にあたっては、土地の権利関係や取引条件(代金の支払い方法など)などを宅地建物取引士が書面で説明します。
契約内容について疑問点があれば、重要事項説明時に解決しておきましょう。例えば建築条件付きの土地の場合、土地契約から3か月以内に工事契約するなどの条件があることも。できれば契約前(1週間前)に説明を受け、当日には疑問点を全てクリアにした状態にすることでトラブルを防げます。
⑥プランニング・設計(目安:3~5か月)
土地契約が済んだら、本格的なプランニングや設計に入ります。
外装や内装、間取りなど細かいところまでこだわった理想の注文住宅を建てるため、設計担当者やインテリアコーディネーターと打ち合わせを重ねていきます。
打ち合わせをスムーズに進めるためにも、計画段階で、住みたい家のイメージを具体的に固め、希望の優先順位を決めておくことが大切です。
外壁やクロスなどの内外装材やキッチンなどの設備は、ショールームやサンプルで実物を確認して選ぶようにしましょう。
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⑦請負契約、確認申請~着工(目安:3~6か月)
建物の工事請負契約
住宅のプランが決まったら、建築会社と工事請負契約を結びます。
〈契約時のチェックポイント〉
- 見積もり内容の確認
- 設計図書や仕様書と見積もり内容に異なる部分がないか
- 支払い金額と支払い時期の確認(契約金や着工金など)
- 契約解除の条件や違約金
- 引き渡しまでのスケジュール(着工日、完成日、引き渡し日)
- 保証・アフターサービス
- ローン特約などの記載 など
契約の際は、契約書だけでなく、見積書や図面、仕様書など、不明な点がなくなり理解できるまでしっかりと確認しましょう。
住宅ローンの本契約
図面や契約書が準備できたら市区町村へ建築確認を申請し、住宅ローンの本審査を受けて金融機関とも契約を結びます。
着工
契約後に建築会社が建築確認申請を行い、建築確認済証が交付され、初めて家の建築が始まり、着工、上棟、竣工という流れで進んでいきます。着工前には近隣住宅へ挨拶しておきます。
また、着工前には工事の無事安全を祈る地鎮祭を、骨組みが完成した時には上棟式を行うのが一般的です。ただし、最近は省略する場合もあり、地域ごとに費用相場も異なるため事前に確認しましょう。
⑧検査・引き渡し
建物が完成した後は、建築会社の担当者と一緒に建物のチェックをします。希望の仕上がりになっているか、傷や汚れがないかなど、図面や仕様書通りに施工されているかを確認しましょう。
建築基準法に基づいた第三者による完了検査も行い、どちらのチェックでも不具合がなければ、鍵や保証書を受け取り、引き渡しとなります。
〈引き渡し当日の流れ〉
残金の支払い…金融機関で最終的な融資手続きを行い、住宅ローンで建築費用の残金を支払います。
↓
名義変更…建物の所有権を建築主に移す登記が行われます。
↓
補修状況の確認…検査で見つかった傷や不具合などの補修が終わっているか確認します。
↓
引き渡し…玄関の鍵を受け取り、新居に自由に出入りできるようになります。
↓
使用方法やメンテナンスの説明…設備の保証書や説明書を受け取り、使い方の説明を受けます。
引っ越し(引き渡しから1~2週間以内)
一般的には、引き渡し当日ではなく、1~2週間後に引っ越しするのがおすすめです。
引き渡しから引っ越し日までの間に新居にカーテンや照明を設置し、転居関係の手続きを進めておくことでスムーズに入居できます。
オカムラホームの注文住宅ブランド「木ここち家ラボ」での家づくりの流れは下記のページで分かりやすく紹介しています。
注文住宅で失敗を防ぐポイント
注文住宅は土地探しや建物のプランニング、ローン審査などを同時進行しながら多くの事柄を決めていく必要があります。
この章では注文住宅で失敗を防ぎ、希望の時期にスムーズに入居するためのポイントを解説します。
家を建てる会社を決めてから土地を購入する
土地なしからの家づくりをスムーズに進めるには、家を建てたい工務店やハウスメーカーを決めてから、担当者と一緒に希望の家を建てられる土地を探すという流れが最も理想的です。
理想的な立地や条件の良い土地を見つけた時、その土地で希望通りの家が建てられるかは自己判断が難しい部分です。
さらに、土地は買い付け証明提出から仮押さえできる期間が2~4週間程度と限られています。仮押さえしてからハウスメーカーを決める場合、時間的な余裕が少なく十分に検討できないままプランが決まってしまい後悔する可能性があります。
ライフプランに合わせてスケジュールを逆算する
お子さまの入学や出産、転勤などのタイミングで家づくりをするなら、入居したい時期に合わせてスケジュールを逆算し、早めに計画を始めることが大切です。
例えば、お子さまの入学に合わせて3月に入居したかったのに新居の完成が遅れてしまった場合、しばらく仮住まいから通学しなければならなくなるかもしれません。また、完成時期が早すぎて入居が遅れると、住宅ローン控除が受けられなくなるケースもあります。
スケジュールが延びやすい土地探しは、3か月など自分でいったん期限を設けて、見つからなければ条件の見直しをするなどルールを決めておくのがおすすめです。
間取りやデザイン、設備など家づくりの希望はあらかじめ優先順位を付けておき、短い期間でスムーズに決断できるように工夫しましょう。
支払いや現金が必要なタイミングを確認しておく
注文住宅の費用は、契約から引き渡しまでの間に数回に分けて払うのが一般的です。直前になって慌てないよう、費用の種類と支払いタイミングは早い段階で確認しておきましょう。
〈支払いタイミングとかかるお金〉
土地購入
- 購入申し込み時…申込金(最低10万円)
- 売買契約時…手付金(土地代金の10%程度)・仲介手数料の半額
- 決済・引き渡し・登記時…土地代の残金(ローンで支払う)・登記費用・仲介手数料の半額
建物工事
- 建築請負契約時…契約金(工事費の10%が相場)・印紙代
- 建築確認申請時…手数料(10万円前後)
- 着工時…着工金(工事費の30%)
- 上棟式…中間金(工事費の30%)
- ローン契約時…印紙代
- 引き渡し時…工事費の残金、ローン関連諸費用、登記関連費用
※今回紹介したのはハウスメーカーの一般的なタイミングと費用相場です。何回に分けて支払うのか、分割の割合はどうなるのかは建築会社によって異なります。
また、注文住宅では土地購入・建物工事以外にも諸費用がかかります。諸費用は家づくりの総予算の10%程度を見込んでおきましょう。
〈諸費用の例〉
- 土地購入時の仲介手数料
- ローン関連諸費用
- 登記や申請にかかる費用
- 引っ越し/仮住まい費用
- 家具家電の購入費用 など
まとめ
注文住宅を建てる時には、どのような流れで家づくりが進み、それぞれのプロセスでどれくらいの期間が必要か、初めに全体の大まかな流れをつかんでおくことが大切です。
流れを知っているかいないかで、動き出しから入居までにかかる期間や手間、費用にも差が出てきます。特に、入居する時期が具体的に決まっている場合は、そこから逆算して計画を立てる必要があります。
注文住宅の流れや進め方についてのご質問は、オカムラホームの注文住宅ブランド「木ここち家ラボ」にご相談ください。家づくりの実績豊富なスタッフが、お客様のライフプランに合わせた家づくりをお手伝いいたします。