【注文住宅】吹き抜けを作るメリット・デメリット|費用や後悔しない間取りのポイントも解説
注文住宅では「吹き抜け」を採用した開放感溢れるリビングがある間取りの人気が高まっています。
一方で「吹き抜けの大空間は寒くならないの?」「吹き抜けを作ると費用がアップしないの?」など疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
このコラムでは、注文住宅で吹き抜けを作るメリット・デメリットについて分かりやすく解説します。おしゃれで機能的な吹き抜けのある注文住宅の間取り事例も紹介しますので参考にしてください。
コラムのポイント
- 吹き抜けのある間取りは明るさや風通しがアップし、開放感溢れる気持ちの良い室内環境を作れます。
- 吹き抜けのような大空間のある家は冷暖房効率が下がりやすいことや、上下階で音が伝わりやすいなどのデメリットがあります。
- 吹き抜けのある家を建てるなら、高気密高断熱仕様で大空間のある施工実績が多いハウスメーカーや工務店を選ぶのがおすすめです。
Contents
吹き抜けのある間取りのメリット
初めに、吹き抜けのある間取りを採用するメリットについて解説します。
開放感のある明るい空間になる
吹き抜けを作ることで、高天井になり開放的な空間が作れるのが最大のメリットです。
縦に広がりを作ることで、限られた住宅面積でも空間を広く見せられる効果もあります。また、2階の高い位置から差し込む光を1階に直接届けられます。
さらに、吹き抜けとリビング階段を組み合わせると、家全体が1つのフロアになったような大空間が作れます。
自然換気しやすく通気性がアップする
吹き抜けの2階部分に窓を設置することで自然換気がしやすくなり、快適な室内環境を保てます。
家族とコミュニケーションが取りやすい
吹き抜けで1階と2階がつながるため、家族の気配を感じやすいというメリットもあります。2階にいるお子さまにリビングから声をかけるなど、コミュニケーションが取りやすくなります。
おしゃれな空間になる
吹き抜けのような開放的な大空間のある間取りは、高級感を演出できるのも魅力です。内装にもこだわれば、リゾートホテルのようなおしゃれな家にすることもできます。
吹き抜けデメリットのウソホント
吹き抜けのデメリットとしてよく挙げられる項目と対策について、Q&A形式でまとめました。
Q.吹き抜けにすると寒いって本当?
A.断熱性能や空調計画によっては冷暖房効率が悪くなるケースがあります
吹き抜けのように縦に大きな空間は、冷暖房を効かせるためによりパワーが必要になります。
そのため、断熱性能が低い家だとエアコンが効くまでに時間がかかってしまう可能性があります。夏場の暑さや冬の寒さなどの悩みにつながりやすいのはもちろん、冷暖房の電気代も高くなってしまうことも。
【対策】高気密高断熱仕様で適切な空調計画を
吹き抜けのある家を建てるなら、高気密高断熱仕様の家づくりができる住宅会社を選びましょう。
また、冬は暖房で暖めた空気が上に溜まりやすく、夏は冷房で冷やした空気が下に集まりやすいため、エアコンの風を全体に循環させる空調計画も大切です。必要に応じてシーリングファンやサーキュレーターを設置も検討しましょう。
Q.吹き抜けは2階に音が響く?
A.吹き抜けの構造上音は響きやすくなります
吹き抜けは1階と2階がつながっている広い空間構造のため、生活音が響きやすくなります。
例えば、1階の吹き抜けリビングにあるテレビの音が家中に響いてしまうと、2階の部屋にいる人はストレスを感じる可能性があります。逆に、音が響くことに気を使って、リビングでのテレビを楽しめなくなってしまうかもしれません。
【対策】場所に応じた音の軽減対策を
吹き抜けの音問題は、家族の生活スタイルを踏まえた間取りや建材選びの工夫で軽減できます。
〈吹き抜けによる音問題の軽減対策例〉
- 個室の壁や床は遮音性の高いものを選ぶ
- 2階の寝室は吹き抜けから離して配置する
- 防音性の高い部屋を作る
Q.吹き抜けはメンテナンスが大変?
A.高所の掃除や電球交換などの手間がかかります
吹き抜けは高所に窓や照明、梁などがあるため、通常の天井よりも掃除やメンテナンスに手間がかかります。
【対策】あらかじめメンテナンス方法を決めておく
基本的に、吹き抜けは高所用の掃除用具で日常的にホコリ取りなどのお手入れをしていれば、拭き掃除などの本格的なメンテナンスは年1~2回程度で十分です。
上の写真の事例のように、吹き抜け上部に手が届きやすい渡り廊下などがあると、お掃除にも便利です。
また、照明やシーリングファンは専用の電動昇降機を設置して、掃除や電球交換時に高さを調節する方法もありますよ。
Q.吹き抜けは広い家にしか作れない?
A.限られた面積では工夫が必要な場合も
吹き抜けを作るとその分2階のスペースが削られるため、希望の広さの個室や収納が足りなくなるケースもあります。
【対策】吹き抜けの目的に応じた大きさ・形状で計画する
30坪前後の延べ床面積なら、リビング上部に吹き抜けを作っても3LDKや4LDKの間取りは十分実現可能です。
個室の広さや必要な収納スペースも考慮しながら、吹き抜けの大きさや形状を計画するのがポイントになります。
注文住宅で吹き抜けを作る費用相場
注文住宅で吹き抜けを採用する場合の費用相場は100万円~200万円程度が相場です。
吹き抜け自体の施工に加えて、断熱対策や手すり、照明などの設置工事も含まれます。
ただし、吹き抜けにしない場合と比較して必ず費用がアップするというわけではありません。具体的に費用がどれくらい変わってくるかは、依頼する建築会社に確認しましょう。
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吹き抜けで後悔しないためのポイント
住宅性能をしっかり確保する
吹き抜けのある家は冷暖房効率が大切になるため、高気密高断熱仕様で建てることが重要になります。
これから新築するなら、国の省エネ基準にも適合する長期優良住宅やZEHレベルの家がおすすめです。冷暖房効率向上の他にも、補助金や住宅ローン減税で有利になるなどのメリットもあります。
また、吹き抜けのような大空間を作っても構造の強度を保てるかどうかもしっかり検討したいポイントです。
ハウスメーカーや工務店を選ぶ際は以下のようなポイントでチェックしましょう。
〈ハウスメーカー選びのチェックポイント〉
- 直近の施工事例の平均的な断熱・気密性能(UA値やC値)をチェックする
- 吹き抜けのあるモデルハウスや完成見学会で快適性などを体感する
- 吹き抜けのある家で希望の耐震等級の家が建てられるかチェックする
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要望の優先順位を考える
吹き抜けを作るメリット・デメリットと、ライフスタイルや要望の優先順位を照らし合わせてプランニングしていくことで後悔を防げます。
例えば、リビングの採光を増やすという目的なら、天井を少し高くして高窓を作る方法でも解決できる場合もあります。あくまで吹き抜けは間取り手法の1つということを念頭に置いて検討しましょう。
窓の位置と種類の選び方
吹き抜けの快適性は窓の位置や種類で大きく変わってくるため、設計担当者と相談しながら方位ごとに適切なものを選びましょう。
例えば、北側の窓は日射取得型、南側は日射遮蔽型と方位に合わせてガラスを使い分けたり、西側の窓ガラスをUVカット機能付きにしたりする工夫で、1年を通して快適な吹き抜け空間を作れます。
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【30坪前後】吹き抜けのある注文住宅間取り成功事例
延べ床面積30坪前後の吹き抜けのある間取り事例を紹介します。
吹き抜けのメリットを活かしながら、家族のライフスタイルに合った機能的でおしゃれな空間を実現していますので参考にしてください。
家族をつなぐ開放的な吹き抜けリビングの間取り
延べ床面積33.3坪で、リビングダイニングの上を吹き抜けにした間取り事例です。
開放的な吹き抜けからつながるキッチンの上部はお子さまのためのプレイルーム&デイベッドライブラリーがあり、家族ができるだけ同じ空間で過ごせる間取りを実現。
さらに、プレイルームに設置されたプロジェクターから、吹き抜けの壁面に映画を映し出すこともできます。キッチンの正面に壁があるため、1階にいるご家族も一緒に楽しめます。
施工事例:日々の暮らしの中でふと見上げてみる。するとそこには…【MIAGERU】
2つの吹き抜けがおしゃれな土間リビングのある家
延べ床面積約35坪で、リビングをフローリングと土間空間の2つに分け、それぞれに吹き抜けを設けた個性的でおしゃれな間取り事例です。
2つの吹き抜けが開放感とやわらかな光をもたらし、上下階のつながりを感じられます。
窓際に設けた土間仕上げのもう1つのリビング。テラスリビングのように屋外を感じられてリラックスした時間を過ごせます。
土間仕上げなのでガーデニングなどの趣味を楽しむのにもぴったりですね。
吹き抜け+スキップフロアで空間を有効活用した間取り
約32坪で、玄関ホールに吹き抜けを採用した間取り事例です。吹き抜け上部の窓が家全体に光を届けます。
玄関から左手にLDK、リビング階段を登った途中にスキップフロアでワークスペースを設けました。
吹き抜けに面した明るい中二階のワークスペース。お子さまの勉強はもちろん、趣味やテレワークなどさまざまな使い方ができる便利なスペースです。
玄関ホールとリビングダイニングは光を通すガラスで仕切られています。吹き抜けからの光がダイニングにもやわらかく届けられ、家族の存在も感じやすくなる工夫です。
施工事例:どこにいても家族を感じる自遊空間。【Custom U(カスタム ユー)】
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まとめ
吹き抜けのある間取りは1階と2階がつながることで明るさや風通しがアップし、開放感溢れる気持ちの良い室内環境を作れます。
一方で、吹き抜けのような大空間のある家は冷暖房効率が下がりやすいことや、上下階で音が伝わりやすいなどのデメリットがあります。高気密高断熱仕様や空調計画の工夫によって快適性を高めることが大切になります。
吹き抜けのメリット・デメリットと、ライフスタイルや要望の優先順位を照らし合わせてプランニングしていくことで後悔を防げます。
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