空き家をリノベーションして賃貸経営するメリット・デメリット|費用相場や注意点も解説
実家の空き家を相続した場合、自分で住む、活用する、売却するなどさまざまな選択肢があります。
空き家活用の中でもリノベーションして賃貸経営する方法は、実家を手放さずに収益物件化できるため、近年注目が集まっています。
このコラムでは、空き家をリノベーションして賃貸経営するメリット・デメリットについて解説します。戸建て賃貸経営成功のポイントや、リノベーションの費用相場、補助金・減税制度も紹介しますので参考にしてください。
コラムのポイント
- 空き家をリノベーションして賃貸化すると、家を手放さずに継続収入が得られ、建物の資産価値を維持しやすいなどのメリットがあります。
- リノベーションした空き家で賃貸経営を成功させるためには、地域の需要を正確に把握し、長期的に安定経営できる資金計画が重要です。
- 戸建てリノベーション+賃貸経営は、地域の事情や不動産情報に詳しい地元密着型の不動産会社や、戸建てリノベーションの実績がある施工会社に相談するのがおすすめです。
Contents
空き家を放置するデメリット
相続した、または所有している空き家を活用や適切な管理をせずに放置していると、さまざまなトラブルにつながる可能性があります。
〈空き家を放置するリスク〉
- 維持管理の費用負担が重くなる
- 空き家の資産価値が低下する
- 特定空き家に指定される可能性がある
- 空き家をめぐって近隣住民とトラブル
- 景観や治安悪化による損害に対する賠償責任の発生
上記のようなトラブルを防ぐためにも、空き家を相続する予定がある場合は早めに対策を取ることが大切です。
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相続した空き家の対応方法
実家などの空き家を相続した場合の対応には以下のような選択肢があります。
- 自分で住む
- 賃貸にする
- 更地にして別の用途で活用する
- 売却する
- 相続土地国庫帰属制度で手放す
相続した空き家に自分で住まない場合は、立地や状態が良ければそのまま賃貸に出しても借り手が見つかる可能性が高いです。
空き家の状態が良くない場合は、リノベーションして魅力的な賃貸物件にリニューアルするという方法があります。
空き家リノベーションのメリット・デメリットについて次章でさらに詳しく解説します。
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空き家をリノベーションして賃貸経営するメリット・デメリット
空き家をリノベーションして賃貸経営するメリット・デメリットについてまとめます。
メリット
家を手放さずに継続収入を得られる
空き家を売却すると一時的に収入が増えますが、同時に譲渡所得税などの税負担も重くなる可能性があります。賃貸化すれば売却せずに定期収入を得られるため長期的な資金計画も立てやすく、老後の年金対策にもなります。
建物の劣化による資産価値低下を防げる
空き家をリノベーションすることで劣化を防ぎ、より性能の良い建物に生まれ変わらせることで資産価値を向上できます。
空き家トラブルリスクの軽減
賃貸化することで日常的に管理が行き届くため、空き家が倒壊して近隣に損害を与えるなどのトラブルリスクを減らせます。メンテナンス費用も家賃収入でまかなえれば貯蓄を切り崩す必要がなく、管理自体を委託することもできます。
将来自分で住むこともできる
リノベーションした空き家は自分の資産として残ります。賃貸経営を辞めた後も、自宅や家族の住居として活用し、次世代に引き継いでいくこともできます。
デメリット
まとまった初期費用が必要
空き家を賃貸にリノベーションするには、ある程度まとまった初期費用が必要です。また、リフォームローンは住宅ローンよりも金利が高いケースも多いため、綿密に収支をシミュレーションして無理のない資金計画を立てることが不可欠です。
空室リスク
空き家を賃貸に出しても、すぐに入居者が見つかるとは限りませんし、常に入居者がいる状態をキープできない可能性もあります。戸建ての賃貸は集合住宅よりも住戸数が少ないため、空室時のマイナス要素が大きくなることもデメリットです。
トラブルや苦情対応が必要
賃貸経営では、騒音問題や家賃の滞納などの入居者トラブルが起こる可能性があります。トラブルや苦情が頻発して物件の評判が下がってしまうと、入居率が低下し経営が立ち行かなくなってしまうケースもあります。
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空き家リノベーション賃貸を成功させる3つのポイント
空き家リノベーションによる賃貸経営を成功させるには、前章で解説したデメリットに対して事前にしっかり対策しておくことが重要です。
①賃貸需要をチェック
そもそも賃貸需要がない地域では、せっかくリノベーションしても入居者が見つからず、経営が成り立たない可能性もあります。事前に空き家のある地域の特徴や人口の推移、多い年齢層などを調べ、戸建ての賃貸需要があるのか総合的に判断しましょう。
また、家賃設定も入居率に大きく関わってきます。立地や床面積、築年数、周辺相場などさまざまな要素を考慮して決めましょう。
②入居者トラブルへの対策
入居希望者をしっかり把握せずに空き家を貸し出してしまうと、騒音などのご近所トラブルが発生してしまう可能性も。
入居者を決める際は生活スタイルや家族構成などをチェックし、物件の防音性を高めるなどトラブルを未然に防ぐ対策をしましょう。
③無理のない資金計画
リノベーション費用でローンを組む場合は、家賃収入と返済額のバランスをしっかり検討し、無理なく返済ができるように資金計画を立てましょう。
家賃収入に対する返済比率は次の式で計算できます。
毎月のローンの返済額 ÷ 毎月の家賃収入 × 100 = 返済比率(%)
一般的に理想的な返済比率は40~50%と言われています。
また、物件の管理費や空室時の収入減なども考慮すると、返済額を差し引いた残りがすべて手元に残るわけではないことも知っておきましょう。
また、定期的な修繕・メンテナンスのタイミングと費用目安も見積もっておき、時期が来ても慌てないように資金を積み立てておくと安心です。
空き家リノベーションの費用相場
空き家のリノベーション費用は、内装や外観をどこまで一新するかによって大きく変わってきます。
戸建ての内装+水回り部分リフォーム | 戸建ての内装全面リフォーム | 戸建ての内外装フルリノベーション | |
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費用相場 |
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工事内容 |
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戸建ての賃貸化にあたって、1棟で住戸を分ける場合は、外階段や玄関ドアを複数設置するなどの工事が必要になることも頭に入れておきましょう。
また、高断熱化や耐震リフォーム、バリアフリー化などを検討している場合は、次章で紹介するリフォーム補助金や減税制度を活用すると費用負担を軽減できます。
空き家の賃貸リノベーションで使える補助金
空き家や賃貸住宅で活用できるリフォーム・リノベーション関連の補助金や減税制度の一例を紹介します。
補助/減税対象 | 補助金額/減税内容 | |
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先進的窓リノベ2024事業 | 戸建て/共同住宅への高断熱サッシやドア交換 | 最大200万円/戸 |
給湯省エネ2024事業 | 戸建て/共同住宅への高効率給湯器の導入 | 最大18万円/台(性能・撤去加算あり) |
賃貸集合給湯省エネ2024事業 | 賃貸集合住宅への小型の省エネ型給湯器の導入 | 最大7万円/台 |
既存住宅の断熱リフォーム支援事業 | 断熱材やサッシによる既存住宅の断熱リフォーム | 戸建て住宅:最大120万円/戸 集合住宅:最大15万円/戸 |
リフォーム減税制度 | 住宅の性能向上工事(耐震、バリアフリー、省エネ、同居対応、長期優良住宅化リフォームなど) | 要件を満たすリフォームで所得税、固定資産税、贈与税などが減税される |
※補助金や減税制度は内容が変更になる場合がありますので、最新情報は公式HPで確認してください。
より性能の高い住宅にリノベーションすることで賃貸物件としての価値が高まり、入居率アップにつながりやすくなるため、補助金や減税制度は積極的に活用しましょう。
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まとめ
空き家をリノベーションして賃貸化する方法は、家を手放さずに継続収入が得られ、建物の資産価値も維持しやすいメリットがあります。
一方で、リノベーションした空き家で賃貸経営を成功させるためには、地域の需要を正確に把握し、魅力的な物件を提供することや、長期的に安定経営できる資金計画が必要です。
戸建てリノベーション+賃貸経営は、地域の事情や不動産情報に詳しい地元密着型の不動産会社や、戸建てリノベーションの実績がある施工会社に相談するのがおすすめです。
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