【28~35坪】総二階の間取り・外観実例|総二階が「難しい」と言われる理由と成功のポイントも解説
このコラムでは、総二階建ての家づくりや間取りのメリットと、延べ床面積28坪~35坪前後の間取り図・外観実例を紹介します。
また、「総二階の間取りは難しい」と言われる理由を踏まえて、間取りの失敗を防ぐためのポイントも解説しますので、理想の家づくりの参考にしてくださいね。
コラムのポイント
- 総二階の家は、土地条件内で効率的に広い床面積を確保でき、さまざまな間取りパターンに対応しやすいことがメリットです。
- 総二階は二階のスペースが余りやすいことや、間取り次第で一階のリビングが狭くなるケースに注意が必要です。
- トータルコストを抑えた家づくりを重視するなら、メンテナンス費用やランニングコストなど、将来の資金計画も踏まえて適切な建て方を検討することが重要です。
総二階はどんな家?
総二階とは、一階と二階がほぼ同じ形をしている家のことを指します。
一階と二階の外周が揃っているため構造が安定しやすく、すっきりとしたシルエットの外観になるのが特徴です。
また、一階と二階の床面積が同じになるため、さまざまな間取りに対応できます。
総二階の間取りのメリット
総二階の家は間取り上どんなメリットがあるのか、詳しく解説します。
コストパフォーマンスが良い
総二階は敷地の建ぺい率、容積率、斜線制限などの条件の範囲内で、居住スペースの多い家を建てられる点が最大のメリットです。
- 建ぺい率
敷地を上から見た際に、敷地に対する建物面積(水平投影面積)の上限割合- 容積率
敷地に対する延べ床面積(各階の床面積の合計)の上限割合
例えば、平屋は一階しかないため、敷地に対して建ぺい率以上の床面積の家は建てられないことになります。
建ぺい率60%、容積率200%の50坪の土地で平屋を建てると最大床面積は30坪になるのに対し、総二階建てにすると最大床面積は60坪になります。
同じ土地でも単純に2倍の広さの家が建てられるため、コストパフォーマンスが良いことが分かります。
また、建築費の面でも、同じ床面積の平屋や部分二階建てよりも基礎や屋根の総量が少なく済むことから、より安く建てられることが多くなります。
※建築会社の見積り方法等によっては建築費に差が出ないケースもあります。
構造が安定しやすい
総二階は一階と二階がほぼ同じ形になるため、一階と二階の柱や耐力壁の位置を合わせやすく、安定した構造を作りやすい点もメリットです。
メンテナンスが楽
シンプルな四角形の総二階建ては、同じ床面積の平屋や部分二階建てよりも屋根の総量が少なく済みます。
また、形状がシンプルなので外壁もお手入れしやすく、メンテナンス費用や手間を抑えられます。
【28~35坪】総二階の家の間取り・外観実例
延べ床面積28~35坪前後の、総二階の家の間取り図や外観の実例を紹介します。
【29.05坪・2~3LDK】吹き抜けとサンルームのある家事ラクな間取り
建物面積 | 1F: 52.17 m²(約15.78 坪) 2F: 43.88 m²(約13.27 坪) 計: 96.05 m²(約29.05坪) |
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プラン内容 | 2(3)LDK+土間収納+サンルーム |
外観・室内イメージ
モスグリーンの外壁と6連窓が印象的な、スタイリッシュな外観です。
LDKは吹き抜けとリビング階段で開放的に。6連窓からの光がたっぷり差し込む明るいリビングです。
玄関ホールを広めにとり、収納と手洗い場を設置しました。帰宅後すぐに手洗いができ、お客様も気兼ねなく使えます。
寝室横には室内干しができるサンルームを設けました。乾いた洗濯物はそのまま寝室のクローゼットに収納できる便利な間取りです。
施工事例:【ZOOT(6.5×10)】ずっと、つづく、くらし
【29.29坪・2~3LDK】広々テレワークスペースとファミリークローゼットがある間取り
建物面積 | 1F: 49.68 m²(約15.02 坪) 2F: 47.20 m²(約14.27 坪) 計: 96.88 m²(約29.29坪) |
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プラン内容 | 2(3)LDK+ワークルーム+ファミリークローゼット+サンルーム |
外観・室内イメージ
総二階建てならではのシンプルですっきりとした形状の外観です。片流れ屋根とツートンカラーでアクセントを入れておしゃれに仕上げました。
LDKはリビング階段と吹き抜けで開放的に。
リビングに隣接した約3畳のワークスペースは室内窓付きで快適に。造作カウンターは、デュアルモニターやプリンターなどを置くのに十分な幅と奥行きを持たせました。奥には造作の収納棚があり、さまざまな使い方が出来そうです。
二階寝室には室内干しができるサンルームを設けました。乾いた洗濯物は二階ホールのウォークインクローゼットに畳まずに収納できるため時短になります。
【31.81坪・2~3LDK】小上がりダイニングがおしゃれな間取り
1階と2階をつなぐ吹き抜けリビングと小上がりダイニングが特徴的な、総二階・約32坪の間取り図です。
建物面積 | 31.81坪 |
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プラン内容 | 2(3)LDK+土間収納+WIC(漆喰壁) |
外観・室内イメージ
黒のガルバリウムに木目のレッドシダーが映えるおしゃれな外観です。
家の中心に吹き抜けがあるため、明るさや開放感をもたらすとともに家族の気配も感じやすくコミュニケーションもしやすい間取りです。
掘り座卓とカウンターのある小上がりダイニングは、食事はもちろんのこと、仕事や学習の場にも適しています。
玄関とリビングを直結させた効率的な間取りは、間仕切りを入れることで玄関からリビングが見えないように配慮しています。階段下には適度にこもれるここち良いヌックスペースを作りました。
玄関は土間収納とリビング両方へ通り抜け可能。ゲスト用と家族用の玄関を分けられる、便利な回遊動線です。
2階の洋室は、バルコニーに面した主寝室と子ども部屋を配置。
子ども部屋は間仕切りや壁を設置すれば2部屋に分けられます。ドアやコンセント、窓の位置などを工夫し、お子さまの成長とともに個室が必要になった時にも備えられます。
寝室に繋がる屋根付きのバルコニーは、少しの雨ならしのげる屋根付き。スチール手摺で解放感があり、ベンチを置いてくつろぎスペースとしても使えます。
【32.6坪・3LDK】ウッドデッキとインナーバルコニーのある間取り
32.6坪で主寝室+個室2部屋、収納多めでゆとりある間取りを実現した総二階の間取り事例です。
建物面積 | 32.6坪 |
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プラン内容 | 3LDK+ウッドデッキ+土間収納+WIC |
外観・室内イメージ
シンプルな白い箱型から、玄関とウッドデッキ部分をくり抜いたような、スタイリッシュかつ個性的な外観です。
1階リビングには庭とつながるウッドデッキを作り、外部とつながったような明るく風通しの良いLDKが実現しました。
キッチンはダイニングと一体型のアイランドタイプを選択。料理や食事、後片付けの時間も家族団らんの時間が過ごせます。
2階の子ども部屋は、通り抜けできる共用クローゼットでつながっています。遊び心と動線の良さを備えた間取りアイデアです。
家の一部を切り取ったかのようなデザインによって、2階まで続く開放的でプライベート感たっぷりのウッドデッキが実現。おうちキャンプやBBQなど屋外ならではの時間を楽しめます。
総二階の間取りが難しいと言われるのはなぜ?成功のポイント
総二階の間取りが難しいと言われることがありますが、理由として以下のようなものが考えられます。
- 総二階は二階のスペースが余りやすいため使わない部屋ができてしまう
- 延べ床面積30坪前後の総二階は一階のリビング(LDK)が狭くなるケースがある
この章では、総二階の間取りが難しいと言われる理由を踏まえて、失敗を防ぐためのポイントを解説します。
和室はリビングと続き間にする
総二階のプランニングで、和室を作るとLDKが窮屈になりそうと感じる場合は、リビングと続き間にするのがおすすめです。
和室とLDKは、引き戸やアコーディオンドアなど必要に応じて空間を繋げられる建具で仕切れば、来客や乳幼児期の子育てにも便利です。
吹き抜けを作る
二階のスペースを増やしたくない場合は、一部を吹き抜けにする方法もあります。
将来、二階にも部屋が必要になった場合は、リフォームで吹き抜けをふさいで部屋にすることもできます。
〈関連コラム〉
【注文住宅】吹き抜けを作るメリット・デメリット|費用や後悔しない間取りのポイントも解説
リビング階段はどんな家族におすすめ?メリット・デメリット&施工実例
二階リビングを検討する
眺望のよい立地や、住宅密集地で一階に日当たりが確保しにくい場合は、二階リビング・二階LDKにすると、間取りのバランスを整えやすくなります。
リビングを二階に配置することで周囲の視線が届きにくくなり、プライバシーを保ちながらくつろげる空間を作れるのもメリットです。
洗濯家事はワンフロアで完結させる
洗濯家事に関する場所は、できればワンフロアで完結させるのがおすすめです。
水回りをまとめて配置することでスペースの節約になるのはもちろん、家事効率も大きくアップします。
ライフスタイルによっては浴室・洗濯機を二階にする間取りも検討してみましょう。
建築費だけでなくメンテナンスコストも考える
総二階建ては建築の初期コストを抑えやすいのがメリットですが、屋根や外壁のメンテナンスコストの面では二階部分が少ない平屋の方が有利です。
トータルコストを抑えた家づくりを重視するなら、メンテナンス費用やランニングコストなど、将来の資金計画も踏まえて適切な建て方を検討することが重要です。
部分二階建て(平屋風二階建て)も検討する
総二階では広すぎる、平屋ではスペースが足りないという場合は「部分二階建て」を採用するのも一つの方法です。
二階のスペースを抑えることで、メンテナンス費用が安く済んだり、掃除や管理の手間が減ったりするメリットもあります。
二階に個室、一階にLDKや水回りをまとめれば、必要な生活スペースを確保しつつも平屋のような暮らしやすさも実現できますよ。
〈関連コラム〉
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リビングのおしゃれな間取りアイデア!注文住宅実例でチェックしよう
まとめ
総二階の家は、土地条件内で効率的に広い床面積を確保でき、さまざまな間取りパターンに対応しやすいことがメリットです。
同規模の平屋や部分二階建てと比べて必要な土地面積や建築費が少なく済むことも多いため、初期コストを抑えたい場合にもおすすめの建て方と言えます。
一方で、総二階は二階のスペースが余りやすいことや、間取り次第で一階のリビングが狭くなるケースに注意が必要です。
トータルコストを抑えた家づくりを重視するなら、メンテナンス費用やランニングコストなど、将来の資金計画も踏まえて適切な建て方を検討することが重要です。
オカムラホームの注文住宅・高性能規格住宅ブランド「木ここち家ラボ」は、お客様一人ひとりに理想の暮らし方をヒアリングし、最適な家づくりを土地探しからお手伝いします。
今回ご紹介した事例以外にも総二階・部分二階建て・平屋の施工実績がありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。