空き家にも火災保険は必要?加入できる保険の種類や選び方、相続時の注意点を解説

空き家で火災保険に入る必要性

このコラムでは、空き家に火災保険をかける必要性や、加入できる保険の特徴について解説します。

適切な補償の選び方や、空き家を相続した際の火災保険の注意点なども解説しますので、空き家を相続した、または今後する予定の方は参考にしてください。

 


コラムのポイント

  • 空き家は放火や建物の劣化に起因する火災のリスクが高いため、所有する場合は万一に備えて火災保険に加入することをおすすめします。
  • 空き家の火災保険は通常の個人用住宅火災保険よりも保険料が高く、加入条件も厳しい傾向がある点に注意が必要です。
  • 空き家は所有しているだけで保険料や税金の支払いが発生し、維持管理の手間もかかります。適切に管理せず放置していると、特定空家に指定されデメリットを受ける可能性もあるため、早めに売却や活用の検討をおすすめします。

 

空き家にも火災保険は必要?

空き家にも火災保険は必要?

空き家は人が住んでいないので火災保険は必要ないと考えるかもしれませんが、空家には放火をはじめ以下のような要因によって火災が発生するリスクがあります。

〈空き家で火災が発生する要因例〉

  • 放火による火災
  • タバコのポイ捨てによる火災
  • 漏電・ガス漏れなどによる火災
  • 隣家からのもらい火による火災

 

所有している空き家が火事になった場合、家財が失われる可能性があるのはもちろん、建物自体も大きなダメージを受け、解体しなければならなくなるケースもあります。

さらに、隣家などに延焼し、所有者に重大な過失があると判断された場合は損害賠償を請求される可能性もあります。
※第三者の犯行により火事が発生した場合は、基本的に所有者が責任を問われることはありません。

空き家の火災を防ぐには、庭の手入れや建物の清掃はもちろん、設備の老朽化や異常も定期的にチェックする必要があります。

とはいえ、相続で遠方の空き家を管理することになった場合など、頻繁に訪れることが難しいケースもありますし、しっかり管理していても思わぬトラブルに巻き込まれる可能性はゼロではありません。

火災保険には建物や家財に対する補償だけでなく、解体費や処分費近隣への見舞金などが支払われるタイプもあるため、加入しておけば万が一の火災による被害・トラブルに対して備えができます。

〈関連コラム〉

空き家の解体費用が払えないときの対策6つ|補助金・売却・相続放棄・自分で解体など

 

 

空き家で加入できる火災保険の種類

空き家で加入できる火災保険の種類

民間の損害保険会社では、空き家は居住専用の住宅(住宅物件)が対象の「個人住宅用火災保険」には加入できないケースがほとんどです。また、県民共済などの火災共済では、空き家はそもそも引き受け自体ができないケースも多いです。

火災保険において空き家は、店舗などと同様の「住宅以外の建物(一般物件)」として保険に加入するケースが多くなっています。空き家は住宅物件よりも火災のリスクが高いため、住宅物件より保険料が高く、加入条件も厳しい傾向があるのが特徴です。

〈一般物件とみなされる空き家の例〉

  • 今後住む予定が全くない建物
  • 以前は居住していたが現在は空き家で、今後も住む予定が全くない建物
  • 建売業者が所有し専用住宅として販売する空き家 など

 

例外として、転勤などで一時的に空き家となっている建物や、別荘として利用することがあり、家財が常時備えられている場合などは個人用火災保険に加入できる保険会社もあります。

さらに、近年は空き家管理と火災保険がセットになった空き家専用保険も登場しています。

(参考)NPO法人 空家・空地管理センター|空き家の火災保険・地震保険

 

 

空き家の火災保険の選び方

空き家の火災保険の選び方

空き家の火災保険は対象となる災害の種類や財産の範囲、補償される金額などによって保険料が変わってきます。

万が一に備えて手厚い補償を求める場合は以下のような選択を検討しましょう。

  • 火災以外に補償対象を広げる(水災や台風、雹(ひょう)、盗難による被害など)
  • 補償の範囲を建物+家財にする
  • 必要な特約を組み合わせる

逆に、火災保険の費用をなるべく安くしたい場合は、補償の範囲や金額を小さくすることで保険料を抑えられます。

  • 建物への補償金額を低くする(一定の限度あり)
  • 家財補償を付けない
  • 契約期間を長くして保険料割引を受ける

 

 

空き家の火災保険に関する注意点

空き家の火災保険に関する注意点

親の住んでいた空き家を相続した場合の注意点

親の住んでいた空き家を相続した場合は、加入している火災保険会社に必ず連絡しましょう。

親が住んでいた時の火災保険で保険料を払い続けていたとしても、火災発生時に空き家だった場合、保険金が支払われない可能性があります。

空き家の相続時は保険会社に所有者や住所の変更などを通知し、今後住む予定がない場合に加入対象になるかを確認し、必要に応じて保険の切り替えを検討しましょう。

 

一般物件は地震保険に加入できない

地震が原因で発生した火災などの被害に備えたい場合は、火災保険とセットで地震保険に加入する必要があります。

ただし、空き家で一般物件として火災保険に加入する場合は地震保険を付けられない点に注意が必要です。

また、住宅物件として火災保険へ加入できた場合も、地震保険を付けられるかどうかは保険会社によって異なるため、事前に必ず確認しましょう。

〈関連コラム〉

空き家の税金が上がるのはいつから?2023年の法改正で何が変わる?

空き家の固定資産税は誰が払う?相続後のトラブルを防止!

空き家対策特別措置法で特定空家に認定されるとどうなる?対策もわかりやすく解説

 

 

まとめ

空き家は放火や建物の劣化に起因する火災のリスクが高いため、所有する場合は万一に備えて火災保険に加入することをおすすめします。

ただし、空き家の火災保険は通常の個人用住宅火災保険よりも保険料が高く、加入条件も厳しい傾向があります。

空き家は所有しているだけで火災保険料や固定資産税の支払いが発生し、維持管理をし続ける手間もかかります。さらに、適切に管理せず放置していると、特定空家に指定され解体命令や罰金を受ける可能性もあるため、早めに売却や活用の検討をおすすめします。

私たちオカムラホームは、空き家の維持管理、売却、リフォーム、賃貸活用など、さまざまなご要望にお応えし、お客様に最適なプランをご提案いたします。空き家でお困りの際はお気軽にご相談ください。

空き家の売却・活用についてのご相談はこちら

〈関連コラム〉

空き家の処分方法6選|売れないときの対処法や補助金も解説

売れない空き家を活用する8つの方法|失敗しない考え方も解説

親の死後家の処分費用はいくらかかる?遺品整理や解体費用の料金相場

×