二人暮らしのための20~30坪の小さな平屋|間取り実例と費用相場、プランニングのポイントを紹介
このコラムでは、二人暮らしにおすすめの、延べ床面積20~30坪の平屋間取り実例を紹介します。
20坪前後の平屋を土地購入して新築する場合や二階建てを平屋に建て替える場合の費用相場、将来も見据えたプランニングのポイントも解説。
子育て世代からシニア世代まで、長く快適に住み続けられる、コンパクトで機能的な平屋を建てたいとお考えの方は参考にしてください。
コラムのポイント
- 平屋は生活がワンフロアで完結する暮らしやすい動線や、メンテナンスの手間やコストを抑えやすいなどのメリットがあり、コンパクトな戸建てで二人暮らしがしたい方におすすめです。
- 千葉エリアで延べ床面積20坪の平屋を建てる費用は、35坪の土地を購入して新築するなら3,500万円前後、今の住まいを建て替えるなら2,000万円前後が相場になります。
- ライフプランに合わせた間取りや仕様で建てることで、暮らし方や住む人が変わっても長く住み継いでいける平屋を実現できます。
Contents
二人暮らしにコンパクトな平屋がおすすめな3つの理由
二人暮らしの住まいに平屋をおすすめする理由について、3つのポイントを詳しく解説します。
①コンパクトなワンフロアの暮らしやすさ
平屋は玄関からリビング、水回り、寝室などすべての居住スペースがワンフロアにまとまっています。マンションのように1つのフロアで生活が完結する暮らしやすさが平屋の最大の魅力と言えます。
2人暮らしなら坪数をコンパクトに抑えられるため、ワンフロアで動線効率の良い平屋のメリットを最大限に受けられますし、土地探しの際の選択肢も広がるでしょう。
②管理・メンテナンスが楽
二人暮らしのコンパクトな平屋は、目が行き届きやすく、掃除や日常的なメンテナンスの負担が少ない点もメリットです。
また、屋根や外壁補修の際も、高所の足場が少ない分、二階建てよりも工事費用を抑えやすくなります。
③バリアフリー化しやすく終の棲家に適している
平屋は階段がないことに加えてシンプルな生活動線で暮らせるため、シニア世代の終の棲家に適した住まいと言えます。
さらに、引き戸を採用してドア下の段差をなくしたり、手すりを設置したりすることで、年齢を重ねても暮らしやすいバリアフリーな住まいを実現できます。
二人暮らしのための平屋間取りシミュレーション
夫婦二人暮らしにおすすめできる坪数は、20~24坪ほどが目安になります。延床面積別に、個室の数によってLDKや寝室などがどれくらいの広さになるのか、簡単なシミュレーションを紹介します。
①延べ床面積20坪・1LDKの場合
- LDK:16~18畳前後
- 個室:8~10畳×1部屋
1LDKなら、8~10畳程度の主寝室が1部屋に加えて、3畳程度のウォークインクローゼットや書斎など、プラスアルファの空間を充実させた間取りが実現可能です。
②延べ床面積20坪・2LDKの場合
- LDK:14~16畳前後
- 個室:4.5~6畳×2部屋
20坪で2LDKのプランは夫婦で寝室を分けたり、書斎や趣味部屋などを作ったりする場合におすすめです。
1LDKよりもLDKが小さくなるため、キッチンカウンターとダイニングテーブルを兼ねるなど、効率的にスペースを使う間取りを取り入れるのがおすすめです。
③延べ床面積24坪・2LDKの場合
- LDK:16~20畳前後
- 個室:4.5~6畳×2部屋
- その他のスペース:6畳程度
ビルトインガレージや土間スペース、アウトドアリビングなど、ライフスタイルや趣味に合わせた間取りにしたい方は、24坪前後で2~3LDK程度のプランがおすすめです。
LDKに20畳前後取ることもできるため、リビング中心の間取りを希望する方にも適しています。
※浴室・脱衣所・トイレなどの水回りは標準的な広さとしてシミュレーションしています。
【新築/建て替え/減築】二人暮らし向けの平屋を建てる建築費用目安
二人暮らしのために延べ床面積20坪の平屋を建てる際の費用相場を紹介します。
今回は以下の3つのパターンについて、かかる費用をシミュレーションしました。
- 土地購入+平屋新築
- 二階建てを平屋に建て替え
- 二階建てを減築リフォーム
1つずつ費用目安とシミュレーションを紹介していきますね。
①土地購入+新築の場合
千葉で新たに35坪の土地を購入して20坪の平屋を新築する場合の費用相場は3,500万円前後になります。
具体的な費用をシミュレーションしてみましょう。
令和6年地価公示によると、千葉市の住宅地平均坪単価は43.7万円/坪となっています。
また、2023年度フラット35利用者調査で千葉県の注文住宅建設費は3,399.3万円でした。
本体工事費を建設費の70%として坪単価を算出すると、71.2万円/坪となります。
(参考)
千葉県ホームページ|令和6年地価公示
住宅金融支援機構ホームページ|フラット35利用者調査
上記のデータを元に、総費用を計算すると以下のようになります。
- 土地費用
43.7万円×35坪=1,529.5万円 - 建築費用
本体工事費:71.2万円×20坪=1,424万円
付帯工事費(本体工事費の20%):1,424万円×20%=284.8万円 - 諸費用(土地+建築費用の10%)
3,238.3万円×10%=323.8万円 - 総費用
3,238.3万円+323.8万円=3,562.1万円
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②建て替え(二階建てを解体して平屋を新築)
30坪の木造住宅を解体して20坪の平屋に建て替える場合の費用相場は2,000万円前後になります。
具体的な費用のシミュレーションは以下のようになります。
- ・解体費用
4万円/坪×30坪=120万円
※一般的な木造戸建ての解体費用相場は1坪あたり4万円 - 建築費用
本体工事費:71.2万円×20坪=1,424万円
付帯工事費:1,424万円×20%=284.8万円
建築費用の合計:1,424万円+284.8万円=1,708.8万円 - 諸費用
1,708.8万円×10%=170.9万円 - 総費用
120万円+1,708.8万円+170.9万円=1999.7万円
③減築(二階建てを平屋にリフォーム)
2階を取り壊して平屋にする減築リフォームの費用は、約10~12万円/㎡前後が相場です(2階解体費+屋根設置費)。
ただし、減築リフォームは元の住宅の構造や状態、リフォーム内容によって費用にかなり幅があります。場合によっては建て替え並みの費用がかかるケースもある点は理解しておきましょう。
また、減築によって建物の耐久性が下がることがないよう、構造計算による強度の確認、適切な防水対策や耐震補強などが必要です。減築リフォームの実績がある、信頼できる施工会社に相談することをおすすめします。
オカムラホームでは、戸建てのリフォーム、フルリノベーションから、増改築・減築など建築確認申請が必要な各種リフォーム工事に対応し、千葉県内に多数の施工実績があります。
今のお住まいを平屋に減築したいというケースもお気軽にご相談ください。
戸建てリフォーム・リノベーション・増改築・減築の施工事例はこちら
二人暮らしにおすすめの平屋注文住宅・規格住宅施工事例
二人暮らしに適した平屋の間取りや外観の実例を紹介します。
【20坪】趣味やDIYを楽しめるコンパクトな平屋
グレー×ブラックのツートンカラーの外壁に木質調のドアをアクセントにした、スタイリッシュな外観が印象的な平屋。延べ床面積20坪で夫婦二人が快適に暮らす、コンパクトな平屋の注文住宅施工事例を紹介します。
プランニングは、ご夫婦二人の生活リズムやライフスタイルに合わせた間取りの工夫や、壁の少ない開放感と動線の良さを重視しました。
玄関を入ってすぐのスペースには開放的な広い土間空間を設けました。水槽やグリーンなどが置けるゆとりの広さで、DIYなどを楽しむ作業場としても使えます。水やりや手洗いが気軽にできるスロップシンクも便利そうですよね。
また、玄関奥には靴や傘などをまとめて収納できる大容量のシューズクロークを配置。玄関に靴が散乱することなく、いつでもキレイな状態をキープできます。
玄関の土間空間からはホールを挟まずすぐに暮らしの中心となるリビングへつながっています。
さらに、リビングを起点に、キッチン、洗面室・浴室、寝室、玄関と、あらゆる場所へすぐにアクセスが可能。平屋の良さが最大限に生かされたコンパクトで機能的な間取りとなっています。
心地よく作業ができるキッチン。造作したオープンなアイアンの吊り棚がアクセントとなり、おしゃれな空間に。
キッチンの奥には大型のパントリーを配置し、かさばる調理器具や家電を隠しながら収納可能。サッと片付けられるので、キッチンは毎日スッキリと使えます。
大型収納をたくさん作ったのもポイント。リビングに隣接した、掃除機や布団など大きな荷物をまとめて収納できる納戸は、必要な物がすぐに取れて片付けもラク。常に余計な物がなく、きれいなリビングを保てます。
カウンターデスクを造作した寝室。パソコン作業やちょっとした家事もできるように、幅や高さ、収納棚の位置など、細部まで使いやすく設計されています。
また、寝室奥には夫婦で使うウォークインクローゼットを配置。片付けや身支度がしやすいオープン仕様で全季節分の衣服が収納でき、衣替えの手間がないのもポイントです。
サニタリースペースは洗面台とトイレ、ランドリースペースを一緒の空間にまとめました。壁がない分広く使えて、ホテルのようにおしゃれな水回りとなっています。
施工事例:ミニマルな暮らしを楽しむ、コンパクトで機能的な「平屋」
【25.05坪】アイランドキッチン中心のおしゃれなロフト付き平屋
グレーのおしゃれなアイランドキッチンが主役の、二人暮らしにぴったりな1LDK・25坪の平屋間取り実例を紹介します。
間取り図
- 延べ床面積:82.81 m²(約25.05 坪)
- 間取り:1LDK(3LDKに変更可)+吹き抜け+土間収納+ロフト(オプション)
コンパクトながら、24畳+ユーティリティスペース6畳の広々LDKを確保。
ユーティリティスペースはリビングの延長としてさまざまな用途に使えるほか、間仕切りを設置して個室にすることも可能。
さらに、9畳の洋室についても間仕切りを入れれば2部屋にできるため、個室は3部屋まで増やせます。
ロフトは屋根裏収納としてはもちろん、お部屋としても使える十分な広さと解放感があります。
足を投げ出して腰掛けられるカウンターも設置しました。
家族の人数やライフスタイルの変化にも対応できる、可変性の高い平屋となっています。
二人暮らしで平屋を建てる際のプランニングのポイント
子育て世代やシニア世代のご夫婦が平屋の新築を検討する際のプランニングのポイントについて解説します。
①子育て世代夫婦の場合
これから出産・子育てを控える二人暮らしのご夫婦なら、ライフスタイルが変わっても対応できる可変性のある平屋の住まいを検討することをおすすめします。
夫婦の将来の具体的なライフプランや希望を出し合って、どれくらいの広さが必要で、どんな暮らしがしたいかなど、家に求めるもののイメージをすり合わせていきましょう。
また、お子さまも成長するにつれてモノも増え、生活スタイルも変わっていきます。成人したらひとり暮らしするかもしれませんし、夫婦も働き方や趣味、生活で重視するものが変わることもあるでしょう。
将来のライフスタイルの変化に応じて用途が変更できるような間取りの一例を紹介します。
1部屋を後から2部屋に分けられる仕様
ドアや窓、コンセントを2箇所に設置しておくと部屋を分けた後も暮らしやすくなります。
和室はリビングと続き間に
和室をなくしてリビングを広くするリフォームを想定した間取りです。
和室とリビングの間に廊下などを挟むと、動線が長くなり、リビングと一体化するリフォームがしにくくなります。
壁で細かく仕切らない
広い空間を引き戸やウォールドア※、動かせる家具(収納棚やベッドなど)で仕切る方法なら、必要に応じて自由にスペースの広さを変えられます。
※パネルドアやスクリーンウォール、アコーディオンドアなども似た役割を持ちます。
すべてに可変性を持たせる必要はありませんが、プランニング時に将来も意識して間取りを決めておけば、ライフスタイルや家族構成が変わっても、快適に住み続けられる家になります。
②シニア世代(終の棲家)の場合
シニア世代で、二人暮らしのための終の棲家を建てるなら、移動が楽で管理しやすい、LDK中心のコンパクトな平屋をベースにしたプランニングがおすすめです。
シニア世代に限りませんが、以下のような点に意識して間取りにすることで暮らしやすい家になります。
- 生活動線を短く
- 水回りをまとめる
さらに、引き戸の活用、寝室とトイレ・浴室を近づける、通路を広めにとって手すりを設置するなど、バリアフリーを意識した間取りや仕様にしておくのもおすすめです。
また、シニア世代で家を新築する場合、住宅資産を次世代にどのように引き継ぐのかも考えておくべきでしょう。子世代が住んだり売却したりなど、次世代が活用しやすいように、ベーシックな間取りやデザインを選ぶのも1つの考え方です。
ベーシックな間取り・デザインで性能の高い平屋をできるだけ低コストで建てるなら、規格住宅を検討するのもおすすめです。
規格住宅は、あらかじめ設計士がプロの目線で考えられた間取りやデザインから選ぶだけで自分に合った家づくりができます。注文住宅よりもコストや工期を抑えながらも一定の品質を確保でき、間取りの失敗リスクが少ないというメリットがあります。
〈関連コラム〉
規格住宅で建てる平屋の間取り実例|25~30坪の価格相場や住宅会社の選び方も解説
まとめ
平屋は生活がワンフロアで完結する暮らしやすい動線や、メンテナンスの手間やコストを抑えやすいなどのメリットがあり、コンパクトな戸建てで二人暮らしがしたい方におすすめです。
千葉エリアで延べ床面積20坪の平屋を建てる費用は、35坪の土地を購入して新築するなら3,500万円前後、今の住まいを建て替えるなら2,000万円前後が相場になります。
ライフプランに合わせた間取りや仕様で建てることで、暮らし方や住む人が変わっても長く住み継いでいける平屋を実現できます。
オカムラホームの新築住宅ブランド「木ここち家ラボ」は、平屋の注文住宅、規格住宅どちらにも対応が可能です。予算や敷地の条件内で、希望のデザイン、性能、間取りを実現する建て方を提案いたします。
今回ご紹介しきれなかった平屋の施工事例もありますので、合わせてチェックしてみてくださいね。