【最大160万円+α】2025年の住宅補助金「子育てグリーン住宅支援事業」最新情報まとめ
2024年11月29日に閣議決定された令和6年度補正予算案に、「住宅省エネキャンペーン2025」として、住宅の省エネ化支援を強化するための新築、リフォームに関する補助金制度が盛り込まれました。
2025年は「子育てエコホーム支援事業」の後継として「子育てグリーン住宅支援事業」が実施され、引き続き高い省エネ性能を持つ住宅の新築やリフォームに対して補助金が出る予定となっています。
このコラムでは「子育てグリーン住宅支援事業」について、補助額や補助条件など具体的な最新情報を分かりやすく解説します。
※今回の内容は、国会で補正予算が成立することが前提となります。補正予算成立後の正式な補助制度内容は変更がある可能性があります。
コラムのポイント
- 2025年も、国の省エネ住宅の新築やリフォームに対する補助金「子育てグリーン住宅支援事業」が実施される予定です。
- 2024年の「子育てエコホーム支援事業」より予算額が150億円アップし、子育て・若者夫婦世帯以外でも活用しやすい制度に変わっています。
- ZEH住宅を大きく上回る性能の「GX志向型住宅」の新築に対しては、最大160万円という大きな補助額が設定されており、その分求められる住宅性能も高くなっています。
Contents
国の住宅補助金事業「住宅省エネキャンペーン2025」が実施予定
令和6年度補正予算案に盛り込まれた「住宅省エネキャンペーン2025」の事業概要は以下の通りです。
事業名 | 担当 | 令和6年度予算額 |
---|---|---|
【新築/リフォーム】子育てグリーン住宅支援事業 | 国土交通省・環境省 | 2,250億円(前年度より150億円アップ)
※令和5年度補正予算案…2,100億円 |
【リフォーム】先進的窓リノベ2025事業 | 環境省 | 1,350億円
※令和5年度補正予算案…1,350億円 |
【新築/リフォーム】給湯省エネ2025事業 | 経済産業省 | 580億円
※令和5年度補正予算案…580億円 |
【リフォーム】賃貸集合給湯省エネ2025事業 | 経済産業省 | 50億円(前年度より135億円ダウン)
※令和5年度補正予算案…185億円 |
(参考)経済産業省ホームページ|住宅の省エネ化の支援強化に関する予算案が閣議決定されました
予算規模は2024年とほぼ同じですが、省エネ住宅の新築・リフォームに対する補助制度である「子育てグリーン住宅支援事業(子育てエコホーム支援事業の後継)」が、前年度よりも予算額がアップしています。
2024年の補助金との違いも踏まえながら、子育てグリーン住宅支援事業の具体的な内容を分かりやすく解説していきますね。
【2025年住宅補助金】子育てグリーン住宅支援事業の概要
2025年に実施予定の「子育てグリーン住宅支援事業」は、国が省エネ住宅の新築/購入やリフォームを支援する補助金制度です。
一戸建ての取得については、注文住宅建築、分譲住宅購入のいずれにも利用できます。
2024年に実施された「子育てエコホーム支援事業」の後継事業となり、国土交通省と環境省が主導します。
【新築】補助金の対象となる住宅
子育てグリーン住宅支援事業では、新築の場合以下2パターンの住宅取得が補助金の対象となります。
- 【全ての世帯が対象】ZEH基準の水準を大きく上回る性能を有する省エネ住宅(GX志向型住宅)の新築
- 【子育て世帯・若者夫婦世帯対象】高い省エネ性能を有する住宅(長期優良住宅、ZEH水準住宅)の新築
(画像引用元)経済産業省ホームページ|住宅省エネキャンペーンにおける3省連携(新築)(PDF形式)
上記のように、子育てグリーン住宅支援事業では、従来の長期優良住宅、ZEH住宅に加えて、さらに高水準の省エネ性能を持つ「GX志向型住宅」の新築に対しても補助金が出ます。
さらに、GX志向型住宅の新築に対しては子育て・若者世帯の要件がなく、どの世帯でも利用可能な点も注目すべきポイントです。
GX志向型住宅に求められる住宅性能
GX(グリーントランスフォーメーション)志向型住宅とは、分かりやすく言うと「ZEH以上の省エネ性能で脱炭素社会に貢献する住宅」のことを指します。
これまでの省エネ住宅の基準の1つであるZEH住宅を大きく上回る住宅の新築を支援することで、家庭部門のCO2排出量削減をさらに強力に推し進めるという目的があります。
GX志向型住宅の要件である①断熱等性能等級「6以上」とは、千葉県に多い地域区分5、6の場合、UA値(外皮平均熱貫流率)0.46以下の断熱性能になります。
(参考)国土交通省ホームページ|断熱性能|ラベル項目の解説|建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度
また、要件②の「再エネ除く一次エネルギー消費量の削減率35%以上」は、ZEHの最も高い水準である「ZEH+(削減率25%以上)」以上のレベルが求められます。
※住宅の「一次エネルギー」とは、空調・換気・照明・給湯・家電など暮らしで消費するエネルギーから、太陽光発電設備等による創エネ量(自家消費分に限る)を引いた値を指します。
DR活用に関する補助金も新設予定
さらに、2025年の新築補助金では、DR(ディマンド・リスポンス)に活用できる家庭用蓄電池システムの導入に対しても補助金(補助率:1/3以内)が新設される予定です。
DR補助金は子育てグリーン住宅支援事業と併用可能となる予定で、新築時に負担を抑えながら家庭用蓄電池を導入できるようになります。
【新築】補助額は最大160万円+α
令和6年度補正予算案によると、子育てグリーン住宅支援事業の対象となる新築住宅、世帯、補助額は以下の通りとなっています。
対象世帯 | 対象住宅 | 補助額 | |||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全ての世帯 | GX志向型住宅※
下記の①及び②に適合するもの
|
160万円/戸 | |||||||||||||||||||||||||
子育て世帯等 | 長期優良住宅 | 建築前に住んでいた家を除却する場合 | 100万円/戸 | ||||||||||||||||||||||||
上記以外の場合 | 80万円/戸 | ||||||||||||||||||||||||||
ZEH水準住宅 | 建築前に住んでいた家を除却する場合 | 60万円/戸 | |||||||||||||||||||||||||
上記以外の場合 | 40万円/戸 |
※申請を行う事業者等に対して、グリーントランスフォーメーション(GX)への協力を求めます。
上記の通り、1戸あたりの補助額は全ての世帯対象のGX志向型住宅で最大160万円、子育て世帯・若者夫婦世帯の長期優良住宅・ZEH水準住宅で最大100万円となっています。
DR活用に関する補助金も利用した場合、補助額がさらにプラスされます。
子育て世帯とは「18歳未満の子を有する世帯」、若者夫婦世帯とは「夫婦のいずれかが39歳以下の世帯」を指します。
【リフォーム】補助金の対象となる工事と最大補助額
子育てグリーン住宅支援事業のリフォームに対する補助金は、窓の断熱化や躯体の断熱改修、エコ住宅設備の設置などの省エネリフォームに対して、工事内容に応じた定額が補助されます。
(画像引用元)国土交通省ホームページ|子育てグリーン住宅支援事業の概要|住宅省エネキャンペーンにおける3省連携(リフォーム)【3省連携】(PDF形式)
補助のメニューは「Sタイプ」及び「Aタイプ」という2つの区分があり、必須工事を実施した数に応じて補助上限額が変わります。
メニュー | 補助要件 | 補助額 |
---|---|---|
Sタイプ | 必須工事3種の全てを実施 | 上限:60万円/戸 |
Aタイプ | 必須工事3種のうち、いずれか2種を実施 | 上限:40万円/戸 |
〈必須工事〉
- ①開口部の断熱改修…外窓交換や内窓設置など
- ②躯体の断熱改修…外壁、屋根、天井、床に断熱材を充填する工事
- ③エコ住宅設備の設置…太陽熱利用システムや節水型トイレ、高断熱浴槽、高効率
給湯器、蓄電池の設置など
必須工事を実施した場合に限り、子育て対応、バリアフリー改修リフォームなどに対しても工事内容に応じて補助が受けられます。
【新築/リフォーム】先進的窓リノベ事業・給湯省エネ事業とワンストップで申請可能
2024年に実施された先進的窓リノベ事業・給湯省エネ事業についても、2025年も引き続き実施されます。3つの補助事業は併用や、ワンストップでの申請が可能です。
例えば、窓交換・内窓設置などの断熱改修や高効率給湯器の導入については、条件を満たしていればより補助率の高い先進的窓リノベ事業・給湯省エネ事業の補助金を利用できます。
【新築/リフォーム】補助金の申請方法
子育てグリーン住宅支援事業の補助金申請は、子育てエコホーム支援事業と同様に、建築を行う事業者を通して行う形式となる予定です。
補助金申請対象期間は、令和6(2025)年11月22日以降に対象工事(新築:基礎工事より後の工程の工事、リフォーム:リフォーム工事)に着手したものになります。
申請開始時期や申請窓口(公式補助金サイト)は、正式に制度が発足し準備が整い次第公開される予定です。
子育てグリーン住宅支援事業と子育てエコホーム支援事業の違い
2025年の新築住宅補助金である子育てグリーン住宅支援事業と、2024年に実施された子育てエコホーム支援事業との違いを分かりやすくまとめます。
子育て・若者夫婦以外でも住宅新築で補助金が利用可能に
2025年の子育てグリーン住宅支援事業は、GX志向型の基準を満たす住宅を新築するなら子育て世帯等でなくても最大160万円と昨年よりも多く補助金がもらえる点が、子育てエコホーム支援事業との大きな違いです。
子育て・若者夫婦世帯の新築は住宅性能(補助額)を選択できる
一方、子育て世帯等に対する新築補助は、GX志向型住宅である必要はないものの、長期優良住宅は昨年の最大100万円⇒80万円となり補助額が20万円ダウンしています。
ただし、建て替えの場合は最大100万円と、昨年と同額の補助が出ます。
また、子育て世帯等のZEH水準住宅新築の場合は、昨年の最大80万円⇒40万円と補助額が半減しています。ただし、建て替えの場合は最大60万円となり減額幅が少なくなっています。
建て替え(建築前に住んでいた家を除却)するケースは、現在の自分たちの住まいを建て替える他に、親と同居している(親が所有している)家を建て替える場合や、親から相続した家を建て替える場合などが当てはまると考えられます。
つまり、子育て世帯や若者夫婦世帯は、GX志向型住宅でなくても補助金が利用できますが、その分補助額は少なめということになります。さらに、建て替えでなく新たに土地購入して家を建てる場合や、建売住宅を購入する場合は昨年より補助額が少なくなると読み取れます。
ただし、子育て世帯等でも、GX志向型住宅を建てるのであれば、最大160万円の補助金を活用できるため、子育て世帯等の方はどちらかを選択していくことになると予想されます。
新築で対象外となる立地条件が一部強化
子育てエコホーム支援事業では、以下の①②両方に当てはまる区域での新築に対しては最大補助額が半額になる制限がありました。
- ①市街化調整区域
- ②土砂災害警戒区域または浸水想定区域(洪水浸水想定区域または高潮浸水想定区域における浸水想定高さ3m以上の区域)
2025年の子育てグリーン住宅支援事業では、原則として上記区域での新築は補助の対象外となっており、災害の危険性が高い地域での新築を抑制する方向性が見られます。
ただし、立地上の制約から既存住宅を建て替える場合は補助対象となるかについては未だ情報が出ていないため、引き続き最新情報をチェックしていく必要があります。
子育て・若者夫婦世帯以外のリフォーム補助上限額が増加
子育てグリーン住宅支援事業では、一定の省エネリフォームを実施すると、世帯属性にかかわらず最大60万円の補助金が出ます。
2024年の子育てエコホーム支援事業では、子育て・若者夫婦世帯は最大60万円でしたが、それ以外の世帯では最大30万円と、世帯属性によって補助上限額に差がありました。
2025年はどの世帯でも同じ補助上限が採用されるため、より多くの世帯が補助金を活用して希望のリフォームを実施しやすくなると考えられます。
詳細な条件については、今後公式サイトでの説明や、Q&Aページ等が公開される可能性がありますので引き続き最新情報をチェックしておきましょう。
〈関連リンク〉
国土交通省ホームページ|住宅の省エネ化への支援強化に関する予算案を閣議決定!国土交通省・経済産業省・環境省が連携して取り組みます!~省エネ住宅の新築、住宅の省エネリフォームを支援する「子育てグリーン住宅支援事業」を創設します~
国土交通省ホームページ|子育てグリーン住宅支援事業について
経済産業省ホームページ|住宅の省エネ化の支援強化に関する予算案が閣議決定されました
環境省ホームページ|住宅の省エネ化の支援強化に関する予算案を閣議決定 ~環境省・経済産業省・国土交通省が連携して取り組みます~
環境省ホームページ|脱炭素志向型住宅の導入支援事業(子育てグリーン住宅支援事業)について
まとめ|2025年は新築/リフォームともに国の補助金がより活用しやすくなる方向へ
2025年も、国の省エネ住宅の新築やリフォームに対する補助金「子育てグリーン住宅支援事業」が実施される予定です。
2024年の「子育てエコホーム支援事業」より予算額が150億円アップし、子育て・若者夫婦世帯以外でも活用しやすい制度に変わっています。
また、ZEH住宅を大きく上回る性能の「GX志向型住宅」の新築に対しては、最大160万円という大きな補助額が設定されており、その分求められる住宅性能も高くなっています。
子育てグリーン住宅支援事業などの国の補助金は、予算に応じて締め切りとなるため、なるべく早めに見積もり・申請と動くのがおすすめです。
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