株式会社オカムラホーム

駐車場や畑などの事業用資産を、賃貸住宅などの事業用の土地・建物に買い換えた場合には、譲渡税課税の繰り延べを受けることができます。これを、「特定事業用資産の買換え特例」と言います。この特例は、事業用資産を譲渡し、所定の期間内に特定の資産を取得した際、その取得の日から1年以内に買い換えた資産を事業用とした場合に適用されます。この特例により、譲渡利益の80%が、課税の繰り延べとして認められます(譲渡益が非課税となるわけではありません)。ただし、景気対策や土地の流動化を図る目的で設けられた制度であるため、時限立法になっています。

※令和3年9月1日現在 法令による

買換え特例とは

「特定事業用資産の買換え特例」を適用するための要件

Special Requirement

「特定事業用資産の買換え特例」を適用するには、譲渡する資産と買換えする資産それぞれが、下記の要件を満たしている必要があります。なお、この法律が適用される譲渡地は、10年を超えて事業を営んでいる不動産が対象です。遊休地は対象になりません。

特定事業用資産の買替え特例を適用するための要件

譲渡資産
  • 1.国内にある土地等、建物(付属設備を含む)、構築物であること。
  • 2.所有期間が10年超(譲渡した年の1月1日時点)であること。
  • 3.事業用資産であること。
  • 4.令和5年3月31日までに譲渡したものであること。
買換資産
  • 1.国内にある土地等(事務所等の一定の施設の敷地の用に供されるもので、その面積が300m²以上のもの)、建物(付属設備を含む)、または構築物であること。
  • 2.原則として前年・譲渡年・翌年中に取得し、1年以内に事業の用に供すること。
  • 3.買換資産が土地の場合には、取得する土地の面積が、原則として譲渡した土地の面積の5倍以内であること。

例えば、駐車場を売却して、アパートを購入する場合は、駐車場(譲渡資産)の所有期間が10年超で、購入するアパート(買換資産)の敷地面積が300m²以上であれば、「特定事業用資産の買換え特例」が適用されます。

特定事業用資産の買替え特例を適用するための要件

課税の繰り延べ割合

Taxation

譲渡資産の譲渡価額、または買換資産の取得価額のうち、いずれか少ない方の金額について、原則80%(一部地域では75%、または70%)に相当する部分については、課税の繰り延べができます。80%課税繰り延べの際の課税長期譲渡所得の計算方法は次の通りです。

1 譲渡資産の譲渡価額が買換資産の取得価額より高い場合

  • (1)譲渡資産の譲渡価額 − 買換資産の取得価額 × 0.8 = ①収入金額
  • (2)(譲渡資産の取得費 + 譲渡費用)×(①収入金額 ÷ 譲渡資産の譲渡価額) = ②必要経費
  • (3)①収入金額 − ②必要経費 = 課税される譲渡所得の金額
譲渡資産の譲渡価額が買換資産の取得価額より高い場合

2 譲渡資産の譲渡価額が買換資産の取得価額以下の場合

  • (1)譲渡資産の譲渡価額 × 0.2 = ①収入金額
  • (2)(譲渡資産の取得費 + 譲渡費用)× 0.2 = ②必要経費
  • (3)①収入金額 − ②必要経費 = 課税される譲渡所得の金額
譲渡資産の譲渡価額が買換資産の取得価額以下の場合

申告手続き

Declaration

特定事業用資産の買換え特例を適用するためには、資産を売却した翌年の3月15日までに、所得税の確定申告が必要となります。
確定申告時に買い換える資産が決まっていない場合は、買換資産の見積り額を用いて特例を適用することになります。
見積り額より実際の取得価額が多かった場合には、取得日から4ヵ月以内に「更正の請求書」を提出すれば、所得税の還付を受けることが可能です。逆に、見積額より実際の取得価額が少なかった場合は、修正申告を行ない、差額分の所得税を納税する必要があります。

「特定事業用資産の買換え特例」を適用する際の注意点

Important Point

買換資産の取得原価は、売却資産の取得費を用いて計算するため、買換資産の購入金額よりも少なくなってしまう場合があります。そのため、事業用資産として減価償却を行なう際には、毎年の経費計上額が少なくなってしまいます。
特定事業用資産の買換え特例を適用したとしても、「かえって毎年払う所得税が高くなってしまった」ということも起こりうるため、専門家と共に検証と慎重な判断が必要です。
オカムラホームでは税理士をはじめとする様々な士業の専門家とネットワークを形成しておりますので、安心してご相談ください。

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