給湯省エネ2025事業をわかりやすく解説|補助金対象や補助金額、申請方法まで紹介
高効率給湯器を導入する際には、「給湯省エネ2025事業」を申請することで補助金を受け取ることができます。
しかし、「補助金の対象製品や、申請方法がわかりづらい」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、省エネリフォームを得意とする千葉の工務店「オカムラホーム」が、給湯省エネ2025事業についてわかりやすく解説します。
Contents
給湯省エネ2025事業とは
給湯省エネ2025事業とは、ヒートポンプ給湯機(エコキュート)やハイブリッド給湯機、家庭用燃料電池(エネファーム)といった高効率給湯器を対象に、導入する際にかかった費用の一部を補助する制度です。
「高効率給湯器を導入したい」とご希望の方であれば、新築・リフォームどちらも対象とされています。
給湯省エネ2025事業の対象製品要件
給湯省エネ2025事業では、対象となる製品の要件が細かく定められています。
基準となる条件は以下の通りです。
ヒートポンプ給湯機(エコキュート)の要件
ヒートポンプ給湯器(エコキュート)とは、名前の通りヒートポンプの原理を活用してお湯を沸かす給湯器です。
圧縮することで温度が上昇し、膨張することで温度が下がるといった気体の性質を利用します。
給湯省エネ2025事業では、補助金の対象要件として次の3点が定められています。
- エネルギーの使用の合理化等に関する法律施行令(昭和54年政令第267号)第18条第26号に掲げる電気温水機器である。
- 「電気温水機器のエネルギー消費性能の向上に関するエネルギー消費機器等製造事業者等の判断の基準等(平成25年3月1日経済産業省告示第38号)」1(2)に規定する表における区分ごとの基準エネルギー消費効率以上の機器である。
- 「おひさまエコキュート」については、おひさまエコキュートに適した測定方法が確立されていないため、上記の基準エネルギー消費効率を満たしていないものも対象とする。(※1)
ハイブリッド給湯器の要件
ハイブリッド給湯器とは、ヒートポンプ給湯器とガス給湯器が組み合わさったものです。
ヒートポンプで加熱したお湯をタンクに蓄え、タンク内のお湯がなくなったらガス給湯器で沸かすことにより、高効率に給湯します。
給湯省エネ2025事業では、次の条件に当てはまる製品が対象です。
- 一般社団法人日本ガス石油機器工業会の規格(JGKAS A705)で、年間給湯効率が108.0%以上のもの。(※2)
家庭用燃料電池(エネファーム)の条件
家庭用燃料電池(エネファーム)は、都市ガスやLPガスから水素を取り出し、空気中の酸素との化学反応で発電させて、その時に発生する熱でお湯を沸かします。
給湯省エネ2025事業では、次の条件に当てはまる製品が補助金の対象です。
- 一般社団法人燃料電池普及促進協会(FCA)の製品登録に必要な要件を満たしたもの。(※3)
対象製品型番リスト(予定)も確認可能
給湯省エネ2025事業では、対象製品型番リスト(予定)が公開されています。
現段階における予定ではありますが、ヒートポンプ給湯器・ハイブリッド給湯器・家庭用燃料電池それぞれのリストを確認できるため、導入する製品を検討する際に参考にしてください。
※1,2,3 出典:給湯省エネ2025事業(令和6年度補正予算「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」)について|資源エネルギー庁
給湯省エネ2025事業の補助金額
給湯省エネ2025事業では、ヒートポンプ給湯器・ハイブリッド給湯器・家庭用燃料電池のそれぞれで、性能別に補助金額が定められています。
ヒートポンプ給湯器とハイブリッド給湯器の導入にはA・B要件の二つ、家庭用燃料電池にはC要件が設けられており、どれにも当てはまらない機種を導入する場合は基本額の補助となります。
それぞれの補助金額は以下の通りです。
ヒートポンプ給湯機の補助金額
項目 | 補助金額/台 | 要件の内容 |
基本額 | 6万円 | - |
A要件 | 10万円 | インターネットに接続可能で、翌日の天気予報や日射量予報に連動し、昼間の時間帯に沸き上げを調整する機能を有する機種であること。 |
B要件 | 12万円 | 補助要件下限の機種と比べて、5%以上CO2排出量が少ないもの。具体的には、2025年度基準+0.2の性能を持つか、おひさまエコキュートであること。 |
A要件及びB要件を満たすもの | 13万円 | 上記のどちらも満たしていること。 |
ハイブリッド給湯器の補助金額
項目 | 補助金額/台 | 要件の内容 |
基本額 | 8万円 | - |
A要件 | 13万円 | インターネットに接続可能で、昼間の再エネ電気を積極的に自家消費できる機種であること。 |
B要件 | 13万円 | 補助要件下限の機種と比べて、5%以上CO2排出量が少ないもの。具体的には、年間給湯効率が116.2%以上の機種であること。 |
A要件及びB要件を満たすもの | 15万円 | 上記のどちらも満たしていること。 |
家庭用燃料電池の補助金額
項目 | 補助金額/台 | 要件の内容 |
基本額 | 16万円 | - |
C要件 | 20万円 | ネットワーク接続により気象情報と連動でき、停電が予想される場合に稼働を停止しない機種であること。 |
蓄熱暖房機や電気温水器を撤去する場合の加算措置
高効率給湯器の導入にあわせて蓄熱暖房機や電気温水器を撤去する場合、補助金の加算措置が取られます。
加算措置としての予算額が別枠で設定されており、予算に達すると締切となるため注意してください。
加算措置における補助金額は以下の通りです。
項目 | 補助金額/台 | 備考 |
蓄熱暖房機の撤去 | 8万円 | 上限2台まで |
電気温水器の撤去 | 4万円 | 高効率給湯器導入により補助を受ける台数まで |
また、エコキュートの撤去は対象となりません。
補助上限台数
補助上限台数は、戸建て住宅の場合、ヒートポンプ給湯器・ハイブリッド給湯器・家庭用燃料電池のいずれか2台まで、共同住宅等はいずれか1台までとされています。
補助金の対象となる条件
給湯省エネ2025事業の補助金対象は、令和6年(2024年)11月22日以降に交換工事等に着手したものです。
着手とされるタイミングは、以下の通り新築住宅と既存住宅で異なるため注意してください。
住宅の種類 | 着手とされるタイミング |
新築(注文住宅) | 建築着工日 |
新築(分譲住宅) | 住宅の引渡日 |
既存住宅(リフォーム) | 給湯器(1台目)の設置工事の着手日 |
既存住宅(購入) | 住宅の引渡日 |
※出典:⾼効率給湯器導⼊促進による家庭部⾨の省エネルギー推進事業費補助⾦について(予定)|経済産業省
給湯機交換とあわせてお風呂や洗面所のリフォームを検討中の方は、こちらも参考になさってください。
【関連記事】お風呂と洗面所リフォームはセットがお得|費用相場や工事期間、注意点を解説
給湯省エネ2025事業の申請期間や必要書類
ここからは、給湯省エネ2025事業の補助金を申請できる期間や必要書類について解説します。
給湯省エネ2025事業の補助金交付申請はいつからか
給湯省エネ2025事業の補助金交付申請期間は、2025年2月時点で明らかになっていません。
2024年度では3月29日から12月31日までが申請期間だったため、本年度も同時期になると予想されます。
しかし、申請期間内でも予算に達した段階で締切となるので、早めにスケジュールを立てておきましょう。
補助金申請に必要な書類
給湯省エネ2025事業の申請には、2025年2月現在で下記の5点が必須とされています。
- 補助金の利用について発注者が同意する共同事業実施規約(指定の書式)
- 工事請負契約書の写し
- 発注者の本人確認書類(住民票の写し、運転免許証の写しなど)
- 工事前写真、工事後写真
- 保証書や銘板写真(2024キャンペーンで必要とされているものと同様のもの)
しかし、この内容はあくまでも予定のため注意してください。
ヒートポンプ給湯機やハイブリッド給湯機のA要件を申請する場合
ヒートポンプ給湯機やハイブリッド給湯機のA要件で申請したい場合、次の写真や書類が必要です。
- 台所に設置した対応リモコンの型番が確認できる工事後写真
- 対応リモコンまたはセット型番が確認できる納品書
- 通信モジュールを設置したことが確認できる工事後写真
- 通信モジュールの型番が確認できる納品書
電気温水器や蓄熱暖房機の撤去による加算を申請する場合
高効率給湯器の導入にあわせて電気温水器の撤去による加算措置を受けたい場合、次の書類が必要です。
- 撤去する電気温水器の銘板写真(電気温水器であることが確認できるもの)
- 新しい給湯器の設置場所と異なる場合、撤去前と撤去後の写真
電気温水器の劣化により、銘板の文字が消えるなどして写真の撮影が難しい場合は、電気温水器であることの確認ができません。
そのため、配管の本数が確認できる写真を撮影して提出してください。
一方、蓄熱暖房機撤去による加算を申請する場合は次の書類を用意してください。
- 蓄熱暖房機の撤去中(レンガ等中の構造が確認できるもの)、撤去後の写真
蓄熱暖房機撤去による加算措置を受けたい場合、提出する契約書、あるいは明細書にて「蓄熱暖房機の撤去」が確認できなければ申請が通りません。
また、工事前写真の撮影忘れも補助対象とならないため注意しましょう。
補助金申請の流れ
給湯省エネ2025事業の補助金を申請する場合、大まかに以下の流れで進められます。
- 給湯省エネ2025事業の登録業者へ工事を依頼する
- 給湯器の交換・設置工事に着手する
- 必要書類を提出して補助金の交付申請をする
- 補助金交付の審査を受ける
- 工事を依頼した業者を通じて補助金が交付される
申請手続きは工事を依頼する業者が行うため、「補助金申請はハードルが高そう」と不安な方も心配いりません。
給湯省エネ2025事業の注意点
給湯省エネ2025事業の補助金を申請したい場合、次のポイントに注意が必要です。
- 補助金を申請するには、要件を満たした対象製品を導入する必要があります。
- 対象製品であっても、中古を導入する場合は対象となりません。
- 給湯省エネ2025事業の登録事業者でなければ、補助金の申請はできません。
- 給湯省エネ2025事業の補助対象となる給湯器について、国の他の補助制度とは併用できません。
とくに注意しておきたいのが、他の補助制度との併用についてです。
例えば、高効率給湯器1台の導入について補助金を申請する場合、同給湯器について「子育てグリーン住宅支援事業」などの他の補助制度を併用できません。
つまり、一つの給湯器に複数の補助金を利用できないため、重複申請がないよう注意してください。
まとめ
給湯省エネ2025事業について、押さえておきたい要点をまとめました。
- 高効率給湯器を導入する際にかかった費用の一部を補助する制度です。
- 登録事業者でなければ、補助金の申請代行はできません。
- 対象製品として認められた高効率給湯器のみ、補助金の対象となります。
- 令和6年(2024年)11月22日以降に交換工事等に着手したものが対象です。
- 補助金額の最大は、ヒートポンプ給湯器が13万円、ハイブリッド給湯器は15万円、家庭用燃料電池が20万円です。
- 補助台数の上限は、戸建て住宅が各製品いずれか2台まで、共同住宅等はいずれか1台までです。
- 2025年2月時点で交付申請期間は未発表ですが、3月末から12月末と予想されます。
高効率給湯器を導入したい方は、給湯省エネ2025事業の活用を検討してみましょう。
給湯器交換や補助金申請についてご不明な点があれば、お気軽にオカムラホームまでお問い合わせください。
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