失敗しない屋根断熱リフォーム|メリット・費用・業者・素材選びのポイント
夏は屋根からの熱気で室温が上がり、冬は冷え込みが気になるといった悩みを抱えている方は少なくありません。
また、屋根の断熱リフォームを行いたいけれど、「費用や工期はどのくらい?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、断熱リフォームの実績が豊富な千葉の工務店「オカムラホーム」が、屋根断熱リフォームのメリットやデメリットなどを解説します。
Contents
屋根断熱リフォームの重要性とメリット・デメリット【遮熱との違い】
実は日本の住宅の約4割がほぼ無断熱です。
しかし屋根の断熱リフォームによって、年間を通じて快適な住環境を手に入れ、光熱費も削減できる可能性があります。
ここでは、屋根断熱リフォームがもたらす効果と注意点について解説します。
断熱リフォームが必要な理由
国土交通省の統計によると、日本の住宅の断熱性能は十分とは言えません。
具体的には、以下のような状況にあります。
- 約4割の住宅が昭和55年の省エネ基準を満たしていません(ほぼ無断熱)。
- 平成11年の省エネ基準を満たす住宅は全体の5%のみです。
- 断熱性能を向上させた住宅は、無断熱の住宅に比べて約60%のエネルギーを節約しています。
この現状を踏まえると、断熱リフォームによる省エネ効果は非常に大きいと言えます。
特に屋根断熱は、夏の暑さと冬の寒さの両方に効果的な対策となります。
参考:国土交通省|既存住宅ストックの現状について
参考:国土交通省|第I部 進行する地球温暖化とわたしたちのくらし~地球温暖化対策に向けた国土交通行政の展開~
屋根断熱リフォームのメリット
以下に、屋根断熱リフォームの主なメリットをまとめました。
- 室温の安定:夏は外気を遮断し、冬は室内の暖気を保持するため、年間を通じて快適な温度を保てます。
- 光熱費の削減:冷暖房の使用が少なくなり、電気代の節約が期待できます。
- 健康への影響:結露やカビの発生を抑制します。
屋根断熱リフォームのデメリット
一方、屋根断熱リフォームには考慮すべきデメリットも存在します。
- 工事期間が長い:施工面積が広く、天井断熱よりも工期が長くなることがあります。
- 費用が高くなる可能性:使用する断熱材や工法により、コストがかさむことがあります。
- 結露のリスク:適切な換気を行わないと結露が発生しやすくなります。
断熱と遮熱の違い
断熱リフォームを検討する際、断熱と遮熱の違いを理解することが重要です。
断熱 | 遮熱 |
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両者の特性を理解し、適切に組み合わせることで、より効果的な温度管理が可能になります。
屋根断熱だけでなく、窓や床の断熱対策を併せて行うことで、住まい全体の快適性と省エネ効果をさらに高められます。
窓や床の断熱リフォームについて詳しく知りたい方は、以下の記事をあわせてごらんください。
【関連記事】床断熱リフォームはいる?いらない?施工方法や費用相場を解説
【関連記事】断熱窓の効果とDIY・リフォーム方法を解説|断熱効果を高めるポイントも
断熱材の種類と屋根リフォームでの選び方
屋根断熱リフォームの成功は、適切な断熱材の選択から始まります。
ここでは、主要な断熱材の種類とその特徴を解説します。
断熱材の種類と特徴
断熱材の種類は主に4つに分類され、それぞれ異なる性能を持っています。
それぞれの特徴を把握し、屋根リフォームに最適な断熱材を選ぶことが大切です。
断熱材の種類 | 特徴・メリット | デメリット | 熱伝導率 (W/mK) |
---|---|---|---|
無機繊維 | 耐火性が高く、防音性にも優れている | 湿気に弱く、防湿対策が必要 | 0.033~0.050 |
木質繊維 | 環境にやさしく、吸放湿性や気密性が高い | 価格が高い | 0.038~0.040 |
天然素材 | 自然由来で断熱性が高く、防虫効果も期待できる | 割高で、種類によって断熱効果が異なる | 0.037~0.049 |
発泡プラスチック | 湿気に強く、高い断熱効果があり、施工が容易 | 熱に弱く、燃えると有害物質を発生する恐れがある | 0.019~0.043 |
断熱材選びのポイント
断熱材を選ぶ際には、断熱性能やコストだけでなく、防湿性や耐火性などを考慮することが重要です。
最適な断熱材を選ぶ際は、以下のポイントに注目することがおすすめです。
- 断熱性能:熱伝導率が低いほど室内温度を一定に保ちやすいです。
- 防湿性:湿気対策が必要な環境では、湿気に強い断熱材を選びます。
- コストパフォーマンス:断熱材の種類によって価格は異なるため、ご予算とのバランスを取ることも重要です。
断熱材のコストと断熱効果
断熱材の価格は、性能や施工の難易度によって異なります。
以下に、主要な断熱材のコストと断熱効果のバランスをまとめました。
断熱材の種類 | 価格帯 | 断熱性能 |
---|---|---|
グラスウール | 1,100円 / ㎡ | 中 |
ロックウール | 2,900円 / ㎡ | 中 |
発泡プラスチック | 2,100円 / ㎡ | 高 |
スタイロフォーム | 5,000円 / ㎡ | 高 |
屋根断熱リフォームの工法と特徴
屋根の断熱リフォームには様々な工法がありますが、それぞれに特徴があります。
ご自宅に最適な工法を見つけるために、主要な工法と特徴を把握することが大切です。
外張り断熱
外張り断熱は、屋根の外側に断熱材を施工し、建物全体を囲う方法です。
高い断熱効果が得られるため、特に断熱性能を向上させたい場合に最適です。
メリット | デメリット |
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充填断熱
充填断熱は、屋根裏から断熱材を充填する方法です。
コストが抑えられる一方で、断熱性能は外張り断熱に比べ劣ります。
メリット | デメリット |
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断熱塗料による屋根断熱
断熱塗料を屋根に塗装する方法は、比較的簡単で費用も抑えられる工法です。
塗料が熱を遮断することで、断熱効果を得られます。
メリット | デメリット |
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屋根断熱リフォームにかかる費用と補助金活用術
費用や補助金制度を事前に把握しておくことが、計画をスムーズに進めるための鍵となります。
ここでは、工法別の費用や補助金について解説します。
工法別の費用相場と施工期間
屋根断熱リフォームの費用は、選択する工法や使用する断熱材によって異なります。
以下の表に、工法別の費用相場と施工期間をまとめました。
工法名 | 費用相場(1㎡あたり) |
---|---|
外張り断熱 | 8千円〜 |
充填断熱 | 4千円〜 |
カバー工法 | 2千〜3千円 |
断熱塗料塗装 | 4千〜6千円 |
※費用はあくまで目安です。実際の費用は、リフォームの規模や使用する断熱材、業者によって異なる場合があります。
補助金の活用方法
断熱リフォームを行う際には、国の補助金制度を活用することが大切です。
住宅の省エネ化を推進するための補助金制度があり、工事の一部費用をカバーできます。
例えば、「子育てエコホーム支援事業」なら、屋根・天井の断熱工事では、面積に応じて40,000円~54,000円の補助が見込めます。
工事を検討する際は、施工業者に補助金申請について相談してみることがおすすめです。
こちらの記事では、窓やドア、外壁・屋根・天井などの断熱リフォームが対象となる補助金の種類や注意点も分かりやすく解説していますので、あわせてごらんください。
【関連記事】【2024年版】断熱リフォームの補助金情報まとめ|対象工事は?いくらもらえるの?
費用を抑えるポイント
費用を抑えるためには、適切な工法の選択や補助金の活用だけでなく、以下の点にも注意することが重要です。
- 他の工事とあわせて行う:屋根の断熱リフォームと同時に、外壁や窓のリフォームを行うことでトータルコストを抑えられる場合があります。
- 複数の業者に見積もりを依頼:複数の業者から見積もりを取り、コストや施工内容を比較することで、最適なプランを選べます。
屋根断熱リフォーム成功の5つのポイント|失敗しない業者選び
屋根断熱リフォームを成功させるためには、信頼できる業者選びが重要です。
適切な業者を選ばなければ、断熱効果が不十分になり、将来的なトラブルの原因にもなりかねません。
ここでは、屋根の断熱リフォームで失敗しないための5つのポイントをご紹介します。
複数業者に見積もりを依頼する
屋根断熱リフォームを依頼する際には、必ず複数の業者に見積もりを依頼することが大切です。
1社だけだと、適正価格や工事内容を比較できません。
また、見積もりを比較する際は、費用だけでなく、施工内容や保証面も確認することが大切です。
自宅に合った断熱工法を選ぶ
断熱工法には外張り断熱や充填断熱など様々な方法があり、住宅の構造や状況に応じた選択が求められます。
適切な工法を選ばないと、断熱効果が十分に得られない可能性があります。
そのため、業者に最適な方法を提案してもらい、その理由をしっかり確認することが大切です。
経験豊富な業者を選ぶ
屋根の断熱リフォームには専門的な知識が求められます。
断熱材の選定や換気対策など、長期的な視点で家の保護と快適さを考慮した提案ができるため、経験豊富な業者を選ぶことが重要です。
換気設備を含めた提案を確認する
屋根断熱リフォームでは、換気設備の設置が重要です。
適切な換気が行われないと、屋根裏の熱がこもり、断熱効果が低減します。
そのため、見積もり時に換気設備について確認することをおすすめします。
施工後のサポートを確認する
施工後のアフターサポートも業者選びのポイントです。
保証期間や定期点検がある業者は、トラブルが発生した場合でもしっかりと対応してくれます。
そのため、見積もり段階でサポート体制を確認しておくことをおすすめします。
断熱リフォームを成功させるためには、業者選びだけでなく、リフォームの計画や施工内容にも注意が必要です。
こちらの記事では、具体的な失敗例とその対策についても解説しているので、あわせてごらんください。
【関連記事】断熱リフォームの失敗例と対策|暑さ・寒さ・結露・補助金など
まとめ
屋根断熱リフォームは、夏の熱気や冬の寒さを和らげ、年間を通して快適な住環境を実現します。
断熱リフォームを成功させるためには、最適な工法を選び、補助金を上手に活用することが重要です。
もし具体的な施工内容や費用についてご不明な点があれば、お気軽にオカムラホームまでお問い合わせください。