ヒートショックを防ごう｜対策方法や起きたらどうするか、おすすめのリフォームも解説
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冬になるとよく耳にするヒートショックは、命にかかわる危険性もある健康被害です。
高齢者のご家族がいらっしゃる場合は、とくに注意しなければなりません。
しかし、「どのように対策すればいいのか」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、断熱リフォームが得意な千葉の工務店「オカムラホーム」が、ヒートショックを防ぐ方法や実際に起きたらどうするか、対策におすすめのリフォームまで詳しく解説します。
ヒートショックはなぜ起こるのか
冬場になると発生件数が増えるヒートショックは、どのような仕組みで起こるのでしょうか。
ヒートショックの概要や症状、起こりやすい環境などを解説します。
そもそもヒートショックとは
ヒートショックとは、温度の急激な変化に伴い、血圧が大きく変動することで生じる健康被害です。
例えば、あたたかい部屋から寒い部屋へと移動した場合、急激な温度変化によって血圧も大きく変動します。
その際、心臓に大きな負担がかかり、めまいや立ちくらみ、最悪の場合は脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすのがヒートショックです。
ヒートショックの主な症状
ヒートショックの主な症状は次の通りです。
- めまい・立ちくらみ
- 嘔吐
- 脱力
- 不整脈
- 失神
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
入浴時に浴槽から出る際、めまいや立ちくらみを経験したことのある方は多いかもしれません。
実はその症状も、軽度のヒートショックとされています。
めまいや立ちくらみだけでは済まず、脈拍が乱れて動悸がしたり、脳に届く血液量が減って失神したりなど、重度の症状が出る場合も少なくありません。
もっとも深刻な場合は、心筋梗塞や脳梗塞につながり、命の危険も生じます。
ヒートショックが起こりやすい環境
ヒートショックは、次のような寒暖差の激しい環境で起こりやすいとされています。
- 入浴する時
- 夜間にトイレへ行くとき
- 朝に布団から出る時
- 暖かいリビングから寒い寝室に移動する時
- 朝のゴミ捨てに行く時
「ヒートショックはバスルームで起きること」というイメージが強いかもしれませんが、実は日常の至るところにリスクは潜んでいます。
入浴時のみならず、寒いトイレへの移動時、あたたかい布団から出る際など、注意するべきタイミングは少なくありません。
場所がどこであろうと、寒暖差が激しいと思われる場面においては、ヒートショックの危険性があるとふまえておきましょう。
ヒートショックになりやすい人
次にあげる特徴に該当する場合、ヒートショックになるリスクが高いとされています。
- 65歳以上、とくに75歳以上の高齢者である
- 不整脈がある
- 肥満気味である
- 高血圧・糖尿病・動脈硬化などの持病がある
- 脳出血・脳梗塞・狭心症・心筋梗塞の病歴がある
- 食後や飲酒後に入浴する習慣がある
- 浴室・脱衣所・トイレに暖房設備が設置されていない
- 一番風呂に入るのが好きである
高齢者の場合とくにリスクが高いとされていますが、ヒートショックは世代を問わず起こりうる点にも注意が必要です。
若い世代であれば安心というわけではないため、万が一の事故を防ぐためにも、寒暖差対策を徹底することが求められます。
ヒートショックを防ぐための対策方法
ヒートショックを防ぐためには、寒暖差をできる限りなくし、血圧の急上昇・急降下を防ぐ必要があります。
具体的には、次にあげる対策方法を実施しましょう。
脱衣所・浴室・トイレと居室の温度差をなくす
脱衣所や浴室、トイレなどのヒートショックが起こりやすい場所を暖め、リビングやダイニング、寝室といった居室との温度差をなくしましょう。
入浴前に脱衣所や浴室を暖めておくことで、ヒートショックが起こるリスクを軽減できます。
浴槽の蓋を開けて脱衣所に湯気を送るほか、高い位置にあるシャワーから浴槽にお湯を張るなど、浴室や脱衣所全体を暖めるような対策が必要です。
冷えやすい場所に暖房機器を設置することもおすすめします。
入浴前後に水分を補給する
入浴前後に水分を補給し、ヒートショックによる心筋梗塞や脳梗塞のリスクを抑えましょう。
入浴時は、発汗することによって水分が失われ、脱水状態となることが少なくありません。
体の水分が不足してしまうと、血流量の低下によって血管に負担がかかり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。
ご高齢の方は、口渇中枢の減退によって喉の渇きを感じにくくなりますが、意識して水分を補給してください。
かけ湯をしてから湯船に入る
いきなり湯船に浸かってしまうと、体が急激な温度変化を感じ、血圧が大きく変動してしまいます。
まずは手足にお湯をかけて熱さに体を慣らし、心臓への負担を軽減しましょう。
湯船の温度は低めに設定する
湯船の温度が42℃ほどの高温だと、血管が急激に拡張されて、ヒートショックのリスクが高まります。
38℃～40℃ほどの低めに設定し、血圧の変動を抑えましょう。
もしも温度を上げたい場合は、低めの温度から少しずつお湯を足して調節してください。
長湯は控える
長時間湯船に浸かっていると血管が拡張されるため、血圧が下がりすぎてしまいます。
その結果、入浴後に血圧が急上昇し、ヒートショックを引き起こしかねません。
長湯は控え、湯船に浸かる時間は10分ほどに抑えましょう。
湯船から急に出ない
湯船から出る際に急に立ち上がってしまうと、血管が広がって血圧が急降下します。
血管の急激な拡張や血圧の急降下を防ぐために、湯船から出る際にはゆっくりと動くように意識してください。
お風呂に手すりを設置しておくと、湯船から立ち上がる際に便利です。
食事・飲酒後の入浴を避ける
食後や飲酒後は血圧が下がるため、入浴により血圧が上がってしまうと、ヒートショックのリスクが高まります。
食後に入浴しなければならない場合は、1時間以上は空けてから入りましょう。
飲酒後の場合は転倒するリスクも高まっているので、できる限り入浴を避けてください。
家族への声かけを忘れない
ご家族に対して声かけを行うことで、ヒートショックが起こるのを防ぐだけでなく、万が一起こってしまった場合も早急に対応できます。
入浴前に水分を補給したか確認する、入浴中も様子を伺いに行くなど、安否を確認するように心がけましょう。
ヒートショックが起きたらどうするか
ご自身、あるいはご家族にヒートショックが起こってしまった場合、慌てず落ち着いて対応しましょう。
めまいや立ちくらみといった軽症の場合、その場にしゃがみ込む、あるいは横になって体を休ませます。
意識を失っている、胸に痛みがあるなどの重症の場合は、迷わず救急車を呼んでください。
また、湯船に浸かっている間に症状が出た場合、お湯を抜いて溺水を防ぐことも重要です。
もしも呼吸や脈がない場合は、心肺蘇生を行いましょう。
ヒートショック対策におすすめのリフォーム
家の中での寒暖差をなくし、ヒートショックのリスクをできる限り減らしたい方には、浴室やトイレなどのリフォームも効果的です。
ここからは、ヒートショック対策におすすめのリフォームを紹介します。
浴室暖房機を設置する
浴室暖房機の設置は、ヒートショック対策におすすめのリフォームです。
浴室暖房機によって浴室内を20〜25℃ほどに保てば、居室との寒暖差を低減できます。
血圧が大きく変動しないように、前もって浴室を暖めておきましょう。
天井埋め込み型や壁掛け型、ミストサウナ付きなど種類はさまざまなので、ニーズに合わせた製品を選んでください。
廊下に床暖房を設置する
廊下に床暖房を設置することで、足元から暖まり、リビングや寝室などとの寒暖差を減らせます。
居室から浴室やトイレが離れている場合や、廊下が寒く寒暖差が激しい場合は、床暖房の設置を検討しましょう。
断熱材で断熱リフォームを行う
壁や天井、床などの断熱リフォームを行い、家全体の断熱性を高めるのも一つの手段です。
床下や天井裏からの断熱材充填、外壁や屋根の断熱リフォームであれば、工期が短く仮住まいも必要ありません。
浴室やトイレだけでなく、寒さにお悩みの場合はとくにおすすめです。
外壁の断熱リフォームについて詳しく知りたい方は、こちらもご確認ください。
【関連記事】外壁断熱リフォームのメリット・デメリット｜費用相場や補助金について解説
窓の断熱リフォームを行う
アルミサッシや単板ガラスを使用した窓は、断熱性が低く、外気の影響を受けやすいとされています。
断熱性の低い窓が浴室やトイレに設置されている場合、内窓の取り付けやガラスの取り替えといった断熱リフォームが効果的です。
内窓の取り付けについて注意点を知っておきたい方は、こちらの記事もご確認ください。
【関連記事】二重窓の設置を後悔するケースとは？後悔しないために知っておきたい5つのポイント
断熱性能の高いユニットバスに変更する
浴室の寒さでお悩みの場合は、断熱性能の高いユニットバスへ変更するのもおすすめです。
昔ながらのタイル張りの浴室を利用されている場合、寒さが大きく改善されると期待できます。
また、すでにユニットバスを使用している場合も、最新のより性能の高い製品へと交換することで、ヒートショックのリスクを軽減可能です。
浴室リフォームの費用面が気になる方はこちらの記事もご覧ください。
【関連記事】お風呂と洗面所リフォームはセットがお得｜費用相場や工事期間、注意点を解説
脱衣所やトイレに暖房器具を設置する
脱衣所やトイレにも暖房器具を設置することで、寒暖差対策を徹底できます。
どちらもスペースが限られているため、あまり場所を取ることがないように、壁掛け型ヒーターのような小型の暖房器具を取り入れてみましょう。
コンセントが足りない場合は、増設工事も可能です。
まとめ
ヒートショック対策では、家の中の寒暖差をなくすことが重要です。
入浴前後に水分を補給する、必ずかけ湯をする、湯船から急に立ち上がらないなど、リスクを抑える行動を心がけましょう。
ヒートショックのリスクを最小限にしたい方は、浴室暖房機の設置や断熱リフォームもおすすめします。
ご家族やご自身の安全を守るために、断熱リフォームを検討されている方は、まずはお気軽にオカムラホームまでお問い合わせください。
