自分でできる戸建てのシロアリ対策4選|業者によるシロアリ駆除は必要ないのか解説
戸建てのシロアリ駆除となると、プロに依頼するイメージが多いかもしれません。
しかし、自分でできる対策から始めることで、シロアリによる被害を抑えることもできます。
そこで本記事では、多くのリフォームを手がけている千葉の工務店「オカムラホーム」が、自分でできる戸建てのシロアリ対策について解説しました。
業者によるシロアリ対策と何が違うのか、業者へ依頼する必要はないのかも解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
自分でできる戸建てのシロアリ対策・シロアリ予防4選
自分でできるシロアリ対策をお探しの方に向け、おすすめの方法4選を紹介します。
どれも今すぐ始められる方法のため、シロアリの被害を防ぎたい方は気軽にはじめてみましょう。
市販の防除剤を散布する
市販のシロアリ防除剤を購入して自分で散布する方法は、簡単にできるシロアリ対策の一つです。
ホームセンターやドラッグストアでは、主に次の4種類のシロアリ防除剤が手に入ります。
種類 | 特徴 | 注意点 |
スプレータイプ | 直接噴射して駆除でき、手軽で応急処置向き | 目に見えるシロアリや被害箇所には使えるが、被害が広範囲の場合は不十分 |
設置(ベイト)タイプ | シロアリを誘引し、食べさせて巣ごと駆除できる | 効果が出るまで1~2ヶ月かかる |
くん煙タイプ | 床下など広い範囲を煙で処理でき、主に予防向け | 床下の構造によっては使用できない |
粉剤・液剤タイプ | 木材や土壌に直接散布し、広範囲を処理できる | ムラが出て薬剤が十分に行き渡らない場合がある |
それぞれ特徴や注意点が異なるため、場所によっていくつかを使い分けるのもおすすめです。
また、防除剤の種類だけでなく、どのような成分が使用されているかも確認しましょう。
人やペットへの健康被害が低い薬剤を選びたい場合、哺乳類への安全性が高いネオニコチノイド系であれば問題ありません。
また、家庭用殺虫剤や蚊取り線香などにも含まれるピレスロイド系の薬剤も、ネオニコチノイド系と同様に人やペットへの被害は少ないとされています。
一方、フェニルピラゾール系の薬剤は毒性が強いため、取り扱いにはとりわけ注意が必要です。
どの防除剤を選ぶ場合も、成分や説明書をよく読んで安全に使用しましょう。
風通しと日当たりを良くする
シロアリが好むのは、湿気が多く暗い場所です。
そのため、風通しと日当たりを良くすることがシロアリ対策へとつながります。
風通しや日当たりを良くするためには、次のような方法をとりましょう。
- 床下や家の基礎周りの換気口・通気口の前に物を置かない
- 庭木や植栽は適度に剪定して風通しを良くし、地面に日光が当たる面積を増やす
- 床下に湿気が溜まるのを防ぐために、床下換気扇や調湿材を設置する
- ウッドデッキや濡れ縁の下に物を放置しない
上記の通り家の外で対策を行うほか、室内においてもこまめに換気を行い、押入れや納戸に湿気が溜まらないように注意してください。
水漏れや雨漏りがないかチェックする
シロアリによる被害を防ぐには、家の中で水漏れや雨漏りが発生していないかを定期的にチェックしましょう。
シロアリは湿った木材を好むため、水漏れ・雨漏りによって木材が湿ってしまうと、被害のリスクが上がってしまいます。
定期的にチェックする際には、次のようなポイントを確認してください。
- 浴室やキッチンのシンク下の配管周りに、水漏れや木材のシミ、湿り気などがないか
- 天井や壁(とくに窓枠や壁と天井の境目など)にシミやカビがないか
- サッシや窓枠の下に水が溜まっていないか、コーキングのひび割れがないか
- 浴室のタイルやコーキングにひび割れなどの劣化がないか
- 押し入れやクローゼット、収納の奥にシミやカビがないか
もしも問題が見られた場合には、早急に修理し対策をとりましょう。
シロアリのエサになるものを置かない
自分で行えるシロアリ対策として、シロアリのエサになるもの置かないことも重要です。
シロアリは、木材・紙類・ダンボールなどを好むため、こういった好物を家の中や周辺に放置しないようにしましょう。
例えば、ダンボールや古い木材などを庭や倉庫、軒下などに放置してしまうと、そこにシロアリが集まってしまい、家へと侵入されてしまいます。
ダンボールや木材などを長期間放置しておけば、湿気が溜まっていき、シロアリにとってさらに快適な場となることも避けられません。
不要なダンボールや木材はすぐに処分し、保管が必要な場合も地面に直接置くことは避けましょう。
戸建てのシロアリ対策を自分で行う際の注意点
シロアリ対策を自分で行う場合、次の3点に注意しましょう。
自分では根本的な駆除が難しく、被害が再発しやすい
シロアリは地中の深く、木材内部に巣を作るため、被害の発生源を特定するのが簡単ではありません。
目に見える部分にだけ防除剤を散布しても、根本的な駆除・予防は困難です。
根本的に駆除できないと、いくら対策をとってもシロアリ被害が再発してしまいます。
ケガや健康被害のリスクがある
シロアリ対策を自分で行おうと、床下、屋根裏といった普段入らない場所で作業する場合、思わぬ転倒やケガのリスクが少なくありません。
また、薬剤の扱いを誤ってしまった場合、皮膚や呼吸器などへの健康被害も生じるため注意が必要です。
作業が大変で疲れやストレスが溜まる
シロアリ対策を自分で行う場合、床下の狭い空間に薬剤を散布する、家の周辺にも定期的に薬剤を撒くなど、さまざまな手間がかかります。
慣れない作業によって疲れやストレスが溜まるため、段々と負担が大きくなることもめずらしくありません。
根本的な駆除ができず、被害が繰り返されてしまった場合、精神的な負担はさらに増えてしまいます。
プロによる戸建てのシロアリ対策の方法
シロアリ駆除を業者に依頼した場合、どのような対策をとるのでしょうか。
ここからは、プロによるシロアリ対策の方法を紹介します。
バリア工法
バリア工法は、主なシロアリ対策として採用されており、木部処理と土壌処理の二つに分けられます。
木部処理
木部処理とは、シロアリが餌とする木材を薬剤で保護することによって、被害を防止する方法です。
シロアリの被害があった木材、あるいは被害が発生しやすいとされる玄関や浴室などの木材にドリルで穴を開け、内部に薬剤を注入します。
加えて、木材の表面にも薬剤を吹き付けることにより、シロアリが侵入するリスクを低減可能です。
即効性が高いだけでなく、薬剤の効果は5年とされているため、長期にわたってシロアリ被害を予防できると期待できます。
土壌処理
土壌処理では、床下の土壌全体に薬剤を散布します。
基礎周辺や土壌表面に薬剤を散布することで、床下から建物内へとシロアリが侵入するリスクを、最小限に抑えることが可能です。
木部処理と同様に即効性が高く、薬剤の効果は5年もつため、5年ごとに処理を依頼すれば問題ありません。
ベイト工法
ベイト工法は、毒餌(ベイト剤)を建物の周辺の土中に設置して駆除する方法です。
シロアリは、エサのある場所を見つけると、フェロモンを出して仲間を呼び寄せます。
また、エサを巣に持ち帰って分け与えるのも習性の一つです。
こういったシロアリの習性を利用したのがベイト工法で、毒餌をシロアリに食べさせるだけでなく、毒餌を巣に持ち帰らせることによって、シロアリを巣ごと死滅させます。
建物を傷つけずに処理できるほか、薬剤を家に散布する必要がないのがメリットですが、効果を感じられるまでは数ヶ月かかる点に注意が必要です。
プロに戸建てのシロアリ対策を依頼するメリット
プロにシロアリ対策を依頼した場合、バリア工法やベイト工法によって、シロアリの駆除・予防を徹底できるのが特徴です。
それにより、次の3つのメリットがあります。
確実な駆除と再発防止が期待できる
シロアリ対策を業者に依頼することで、自分では難しかった確実な駆除や再発防止も期待できます。
自分でシロアリ対策を行っても、床下、木材の内部、地中などの見えない場所まで対策できず、確実に駆除することは困難です。
一方で業者に相談することによって、被害状況の把握から、最適な薬剤・工法の選定、シロアリの駆除・根絶までまとめて依頼できます。
被害の再発リスクを最小限にするためにも、シロアリに関する知識や駆除経験が豊富なプロに依頼しましょう。
住宅や健康へのリスクを最小化できる
シロアリ駆除で使用する薬剤は、種類によっては非常に毒性が強く、適切に使用しないと健康被害や住宅へのダメージが免れません。
そのため、自分でシロアリ対策を行う場合は、薬剤を慎重に扱うように注意する必要があります。
業者に依頼した場合、防護措置を徹底した上で薬剤を散布するため、住宅や人、ペットへの影響は最小限とすることが可能です。
アフターサービスや保証が充実している
定期点検や予防措置、万が一被害が再発した際の無償対応など、アフターサービスが充実しているシロアリ駆除業者は少なくありません。
プロによって定期的に点検してもらえるのに加え、再発してしまった場合も無償で対応してもらえれば、長期にわたって安心できます。
自分でシロアリ対策を行っている場合、定期点検や予防措置、再発時の処理対応などもすべて自分で行わなければならず、日々の手間や負担が多くなりがちです。
シロアリ対策にかかる労力を抑えたい場合は、プロによるシロアリ駆除やアフターサービスを活用しましょう。
プロによるシロアリ対策・駆除は必要ないのか
これまで紹介してきた通り、戸建てのシロアリ対策は自分で行うこともできます。
業者によるシロアリ対策は、新築後5年以内で防蟻処理が済んでいる家の場合、基本的には必要ありません。
しかし、新築から5年以上が経過した場合は、薬剤の効果が切れているため、業者にシロアリ対策を依頼する必要があります。
とくに次の3つが見られた場合には、シロアリ被害のリスクが高まっているため注意しましょう。
- 春から夏にかけて、羽アリが発生する
- 蟻道や蟻土が住宅周辺に見られる
- 壁や柱を叩くと空洞音がする
「シロアリがいるかもしれない」と不安になった場合は、早めに業者へと相談し、被害を最小限に抑えてください。
また、シロアリが発生するのを未然に防ぎたい場合も、新築より5年以上が経過しているなら業者へと相談しましょう。
シロアリ予防が5年ごとに必要な理由は、こちらの記事で詳しく解説しています。
【関連記事】シロアリ予防は5年ごと必要か|無駄になるケースや正しい対策方法までわかりやすく解説
シロアリがいる家の特徴や、駆除方法などについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご確認ください。
【関連記事】シロアリがいる家の特徴と対策|シロアリ被害を防ぐための基礎知識
まとめ
シロアリ対策は自分で行うことも可能ですが、シロアリを確実に駆除することや、被害の再発を防止するのはなかなか簡単ではありません。
風通しや日当たりを良くする・シロアリのエサになるものを置かない・水漏れや雨漏りがないかチェックするといった自分でできる対策を行いつつ、定期的な薬剤の散布や点検に関しては、専門の業者へと依頼しましょう。
オカムラホームでは、シロアリ対策に関して10年保証で対応しています。
多くの業者が5年保証の中、より長く安心できるアフターサービスを提供しておりますので、お気軽にお問合せください。
お問い合わせ
お問い合わせいただきましたお客様には
担当者より順次対応をさせていただきます。